Local Good Laboratory
ローカルグッドという選択。
2020年は、今までの在り方を一回冷静に考えてみる良い機会になったのではと思う。その中でも大きく様変わりした生活様式。朝起きていつもの毎日が来る。何気なくしていた行動や段取り、関係性が突如として出来なくなった。
移動すること、食べること、働くこと。目の前の当たり前が一変したことで動揺も、困惑も、不安もいっぺんにやってきた。誰もが経験したこともないこの状況は、奇しくもアップデートする場面もあり不思議と新しい時代になることへの希望を感じずにはいられなかった。
そして同時に、今まで仕事としてやってきたことが一気に必要性を増した瞬間にも感じた。
MGNETはものづくりを通し様々な思いを巡らせ、その都度その都度パートナーの助けを受けて新しいサービスや、従来のサービスの見直しをしてきました。
新しいこと、変わること、歴史に感謝し、常識を更新し、これからを見据えて気づけば8年も経っていた。
そしてやってきた新しい時代。本来なら希望に満ち溢れ、町をパレードが行き交いファンファーレで幕が開く。そんな印象をどこかで持っていたことを知って少し虚しいようなそんな幕開けでもあった。
MGNETは2020年3月から3ヶ月間で4つの新プロジェクトを立ち上げている。地域で活躍する次の世代を繋ぐ「NEXT」、地域の産業をもう一歩進める「BOOST」、こちらから訪れるお店の在り方「VISIT」(6月現在は「空間レンタルサービス」もはじめてます)、そしてオンラインものづくりプラットフォーム「Crowd Craft」。
そして満を侍して第5弾。
nous
「nous -Local Good Laboratory-」
地域の中で、地域の企業として、地域の仕事として、新しい関係性を構築することは私たちに使命だと思う。
ものづくりからはやっぱり離れられない。けれど現在のものづくり体質、ものをつくることに多少なりとも実は違和感はある。コストを下げるために大量につくるしかない現実と、売れるからつくる、売るためにつくるという事実。
作る事と作られる物のちょうど良いバランスを追い求める活動です。必要なものだけ作ること、必要以上に作らないこと。新しい時代の新しい暮らしを新しい関係で繋ぐ、機会を創出します。
「地域のお母さん(50代〜70代くらいを想定しています)と一緒につくろう。」そう思えたのはとても単純で一つは安心感、何故かお母さんが作ると聞いただけで安心しますよね。そしてもう一つが事実上地域を支えているのはお母さんたちだと思ったから。
我が子を育て、我が子を通して地域を活気づけ、笑顔であふれる環境そのものをつくってくれているのがお母さんたちだと思ったから、迷いもなかった。
で、何をするか?「お母さんたちはお裁縫が得意」そんなイメージがあったからということもあるけれど、初めからアパレル小物を中心で展開することは活動の中心を生活様式にできることがあったからだ。
そして作り手さん(お母さん)の募集はしません。お母さん同士のネットワークで進めることで地域の力になると思ったことと、ものをつくるバランスを考慮したかった。
今の生活と、今必要な順番で、今必要なものだけ、今必要な量を作る。これからのものづくりにとって適切なバランスを追求するのも活動の醍醐味。
そしてその適切なバランスを追求するためにはこんなシステム、お金の在り方がとても大切だった。
基本的には、誰かに任せることはせず自分たちで販売することで、より明快で単純な配分が可能になる。材料費があって、作ってくださるお母さんたちがいて、情報を整えてくれるデザイナーさんがいて、届ける私たちMGNETがいる。
大切なのは義務や労働にならないこと。売らなければいけない、作らなければいけない、そう言った強制力を出来るだけ排除したスマートな仕組みにする。主体的な活動は自ずと質の向上にも繋がるという完全に性善説的な発想ですが、むしろ地域にとって考えた時「性悪説に則った仕組みがこれからは必要!」とはどうしてもなりません。(どうやら俺の発想の根拠は引き算が多いようなのです。。。)
そしてもう一つお金で大切にしたかったことは「これからも現役」というステージをまた一つ地域に作りたかったから。母を見ていてもそうですが一番は自分たちだってやってくるこれからを考えると、もう何回か次の現役を欲してしまう。それは今までとは違うステージなのかもしれない。けれど一人の人間として今を生きる手段や目的は色々あって良いなと思った。
稼ぎたいか、稼げるかどうかよりも、お金を生み出すことは生活様式が変わっても求められるし求めてしまうもの。だからこそこの地域にいて、私の出来ることで、私らしく、これからも活躍する。そんな想いを汲み取る場所をただつくりたい。その一心ではじめてみます。
主役はいつも町のお母さん。
取り立てて何かきっかけがあったわけでも、誰かに何かを言われたからはじめるものではないですが、たびたび生まれ故郷の燕三条を早朝に散歩しているとどちらのお母さんかわかりませんが、道の掃除をしてくださっていたり、道路の植木に水撒きをしてくださっていたり。
たまたま目に入っただけかもしれない。もちろんお母さんだけじゃなくお父さんだってお子さんだっておじいちゃんだって同じことをしてくださっている方は大勢いると思う。
でも、愛の絶対量というか、無条件に体が動いてしまうような、つい子猫や野花にも声をかけてしまうような圧倒的母性には自然と感謝してしまう。きっとそんな人も多いと思う。
だからこそこれからも、笑顔があふれる機会を作りたい。勝手に。
地域にとって欠かせない夢と可能性を持った我が子を送り出し、町と町の関係性に活気をもたらしてくれる存在に心から敬意と感謝を持って、はじめようと思う。
nous
MGNETが考えるローカルグッドな選択肢として、そしてものづくりの新しい可能性を広げるために、作る事と作られる物のちょうど良いバランスを追い求める活動をはじめます。
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