酒米とふつうのお米は何が違うのか?初心者が調べてみた。
日本酒を飲むのは好きですが、知識は初心者なので調べてざっくりまとめてみました!
日本酒を飲まれる方だと何らかは口にされているでしょう。
「山田錦」とか「五百万石」とか聞いたことありませんか。
日本酒の原料として使われる米は、普通の食用米とは異なる特別な特徴を持っているそうです。
酒米とふつうのお米の違い
1.粒のおおきさ
まず酒米は粒が大きいです。
日本酒は米の外側を精米で磨き落とすほど、雑味の少ないお味(酒質)になります。
そのため、酒米には
・食用米に比べて粒が大きいこと
・精米の過程で起きてしまう摩擦や熱に強く、割れにくい強度
が求められます。
玄米を外側から削った残りをパーセンテージで示したものを「精米歩合」といい、食用米の精米歩合が90%ほどであることに対し、酒米の多くは75%以下で使用されています。
大吟醸は精米歩合50%以下なので、半分より小さく磨き落とすんですね。贅沢ぅ。
2.心白(しんぱく)
お米には中心部に「心白」という白くて柔らかい部分があります。
この心白は、デンプンが多く含まれている部分で、発酵の際に酵母がエネルギー源として利用します。
ふつうのお米にも心白はありますが、酒米の心白はより大きくてはっきりしています。
3.たんぱく質含有量がすくない
酒米は食用米に比べてたんぱく質がとても少ないです。
たんぱく質はお米のツヤや旨味を出す役目があり、食用米には多く含まれています。
しかし、お酒を造る上では、たんぱく質は旨味にもなり雑味にもなります。
たんぱく質が分解されると旨味の元となるアミノ酸になりますが、多すぎると、日本酒造りでは麹菌や酵母の生育が早まり、バランスが崩れて雑味の原因になってしまいます。また、タンパク質が多いと吸水性が落ちてしまいます。へぇ〜。
そのため、たんぱく質の少ない酒米のほうが、日本酒造りに向いているそうです。
4.吸水性と溶けやすさ
酒造りでは酒米を均一に溶かして、酒米に含まれるデンプンを糖に変換します。そのため酒米には酒米は水を吸収しやすく、加熱すると溶けやすい性質があります。
食べるお米は、炊いても形が崩れにくく、ご飯の食感を楽しめるように設計されています。
「心白」はデンプンの構造が粗くなっている部分。これがあることで、日本酒造りでつかう麹の菌糸が米の中央部まで入り込みやすくなるんです。
一方で「心白」は脆く、精米の際に崩れてしまうというデメリットもあります。
米の形状、性質を理解して、目指す味わいに適すように米を磨くのが腕の見せ所。
お米一つ削るにも、熟練した技術と、知識が必要だということがわかります。
日本の酒米は100種類超え・・・!
農林水産省に品種登録され、栽培されている酒米の種類は100を超えています。
じつは酒米は山間部で栽培されることが多いです。
食用米、例えばササニシキやコシヒカリの稲穂は120~130㎝前後ですが、先に名前の挙がった「山田錦」の稲穂は150cm。
食用米の稲穂に比べて、酒米の稲穂は背が高いんです。
これがどう影響するかというと、まず、稲穂の背丈が高いということはその分、風で倒れやすくなり、台風などの天候の影響を受けやすくなります。
また、酒米は朝晩の寒暖差が大きい栽培環境を好みます。
「標高が高く、朝晩の寒暖差が大きい」=山間部が良い酒米の産地となることが多いのです。
山田錦も兵庫県にある六甲山地が主な産地となっています。
ここでは生産量が多い酒米の品種をざっくりまとめます。
山田錦(やまだにしき)
粒が大きく色白で光沢のある心白米で、タンパクの含有量が少なく、吸水性、消化性にも優れています。特に、麹造りにおいて、破精込みの良い麹ができる。 特徴として普通の穂よりも背丈が非常に高いこと、育成期間が長いそうです。
朝晩の気温差が大きいことが向いているため、山麓や谷間が好まれ、生産量が多い兵庫では六甲山の近くで栽培されています。
五百万石(ごひゃくまんごく)
心白の発現率が高く、蒸米にした場合に適度な硬縮性があり機械での製麹に適しています。新潟や富山、福井をはじめとした北陸地方での生産が多い。
美山錦(みやまにしき)
玄米は大きく、粒ぞろいが良く、粒溝が浅く、心白米が多い。背丈が高く、穂が大きく撓むため倒伏しやすい。耐冷性が強いために、中山間地域での栽培に適しており、長野県や東北地方で栽培されます。
雄町(おまち)
発祥地である岡山県が生産量の9割を占める酒米。晩生(おくて)のなかでも、軟質で心白が大きく高精米が難しい品種で、日本酒造りにおいて高度な技術が求められますが、濃醇かつ個性的な香味で多くの人々を魅了しています。
まとめ
自然の恵みを感じざるを得ません。感謝、リスペクトしかありません。
日本酒はおいしい!というお話でした。