コミュニティを数字で語れるようになったことでマーケターとして大きな武器を得られたと実感しています-KEEN Manager導入事例
国内シェア1位※の帳票・文書管理サービスと、データ分析・BIツールに代表されるデータエンパワーメントサービスを提供するウイングアーク1st株式会社。2023年2月期は上方修正をするほど業績好調な同社マーケティング本部でKEEN Managerをご利用いただいております。
マーケティング本部 nest企画室室長河村雅代さん、マーケティング本部nest企画室コミュニティマネージャー大野美枝子さんにお話を伺いました。
※出典:株式会社デロイトトーマツミック経済研究所「帳票設計・運用製品の競合調査2021年度版」 (帳票運用製品)/ITR「 DBMS/BI市場 2021」データ分析/レポーティング市場:ベンター別売上金額推移
—— ウイングアーク1st様がカスタマーマーケティングやコミュニティへ取り組まれた経緯を教えてください。
当社は長年、製品を販売パートナー様経由で販売する間接販売モデルで事業展開してきましたが、提供製品がクラウド化していくなかで、お客様との接点をさらに強める必要性を感じていました。当社はもともとお客様の声を取り入れる文化があり、ユーザー会という仕組みもありましたが、あくまでもメーカーである当社が主導するもの。製品のクラウド化にあわせて、主体をメーカーからお客様・ユーザーへ移した方が良いだろうと考えました。また販売パートナー様への配慮もあり、当社から直接ご連絡できるお客様は全体の2割程度という状況でした。このような顧客接点の少なさへの課題意識からカスタマーマーケティング組織を立ち上げ、利用者(エンドユーザー)との直接的な接点を持つことを目指し、Facebookグループを利用した情報交換の場として、nestという枠組みを2018年から運用しはじめました。
—— 当時、どのような課題があったのでしょうか?
私たちが担当し始めた2020年頃の課題は、参加されている方々の実態がまったくわからないことでした。メンバー数は700名ほどに増えていたものの、どの会社の方なのか、現在もプロフィールに記載の会社にお勤めなのか、異動されたのか、今も当社製品をご利用なのか、Facebookを活用されているのかがわからなかったのです。
さらにコロナの影響によって、頻繁に実施していたイベントがオンラインへ移行したことで、参加者が固定化され、メンバーの把握がさらに難しくなりました。良いコンテンツを多くの方に届けたいと思いながらも、イベント参加者を増やすための接点が不足し、コミュニティ運営に課題を感じていました。
次のインフルエンサー(影響力のあるお客様)を育てたい、スポットライトを当てたいと思いながらも、どうすればいいのかわからない。そこで、コミュニティポータルのデータ、イベントの参加データ、Twitterなどに散財していたデータを整理して、定量的に把握できることとチームメンバーの頭の中にある定性的な情報を、Excelで整理するという試みは何度もやってみたものの、まったくうまくいかなかったのです。把握できていたのは参加メンバーのうちわずか5%、50名ほどだったと思います。
—— KEEN Managerをはじめて試したときの印象を教えてください。
データが集約されるってこういうことか!と感動しました。懸命に紐付け作業をやっても、20%くらいしかヒットしない。こんなに苦労してこれだけなのか、というフラストレーションと徒労感を味わっていただけに、その感動は大きかったですね。
KEEN Managerに実データを入れてみると、ネクストスターのカテゴリーに私たちが把握していないメンバーの方が表示されたときの驚きと衝撃は今でも忘れられません。(注:ネクストスターはKEEN Manager内で使用される顧客クラスターの名称)
—— KEEN Managerを導入しようと思ったポイントはどこでしたか?特に、データ分析であれば、御社内でも実施できたのでは?
2つあります。ひとつは、データ分析はMotionBoardを使ってできたとしても、そこまでの準備を全部やるほどの余力はなかったのです。それまでにさんざん名寄せで苦労していたので、データクレンジングを自分たちでやるという選択肢は現実的ではありませんでした。(編集補足:ウイングアーク1st社はBIダッシュボード MotionBoard を自社で開発・提供しており、社内でもデータ活用が活発です)
もうひとつは、データを集約したり可視化すること以上に、どのお客様をどのように(どのクラスターに)分類するかがポイントだと思ったのです。そこで、KEEN社が持つコミュニティ運営のノウハウを活かしながら、自分たちの経験値を踏まえてチューニングしていくことを重視しました。データ集約や名寄せの労力が軽減できることよりも、コミュニティ運営の経験豊富なKEEN社のノウハウを活用して、スコアのバランスや精度を高めていけることは、KEEN Managerを利用する上で大事なポイントでした。今後、他社でのスコアリングのノウハウや経験値が製品に反映されていくことへの期待もありましたね。
—— 現在、KEEN Managerをどのように活用していますか?
ちょうど来年度の計画を立てていることもあり、ダッシュボード画面を施策のプランニングに活用しています。KEEN Managerがあることで、どのクラスターの人をどれくらい増やすのか、そのために何をするのか、というプランを具体的に立てられるようになりました。例えば、「スターをX人にする」という目標を立てたら、「そのためにはネクストスターがXX人必要」「そのためにシェアラーに対して〇〇する、イベントゴーアーに対して〇〇をする」と、具体的なアクションが立てられます。これまでは「会員数を増やす」「アクティブなメンバーを増やす」という目標を立てたとしても、具体的な数字やアクションプランを立てられなかったので、会話の粒度が大きく変わりましたね。(注:スター、ネクストスター、シェアラー、イベントゴーアーはすべてKEEN Manager内で使用される顧客クラスターの名称)
個々の施策を企画するときにはメンバー画面を活用しています。次のイベントではどの人に登壇をお願いするかを、ひとりひとりの詳細データを見ながら検討できるようになりました。おかげで、次回のイベントでは、初登壇の方がたくさんいるんです。また、活動量は少なくても、質の高い活動をしてくださっているユーザーさんに対しては「表彰」という形でスポットライトを当てることができるようになりました。
自社サービスの継続率・解約率とコミュニティ活動への参加有無の相関分析にも活用しています。KEEN Managerによってコミュニティ参加メンバーと企業情報が紐づいたことで、かねてからやりたいと思っていた契約や売上データと突合した分析ができるようになりました。それまで苦労していたので、あっさりとデータが突合できたときは感動しましたし、分析結果は私たちが想像していた以上に良い結果でした。コミュニティポータルに登録している企業とそうでない企業では、継続率も解約率も2倍程度の違いがあったのです。ここまでの分析ができる状態になったのは、非常に大きなことです。
—— KEEN Managerを活用することで、どのような効果を感じていますか?
数字で語れるようになったこと、ターゲティングができるようになったことですね。チームのKPIは本当に毎年毎年悩んでいました。目標を「コミュニティへの参加人数を増やす、顧客接点を増やす」ことから、「アクティブに活動しているメンバーを増やす」ことへシフトしたものの、具体的な数字がなく、KPIを設定することができませんでした。KEEN Managerによって、現状も目標も数字で語れるようになりました。このクラスターは現状100人で、これを来期は120人にします、と言えるようになったのは本当に大きい。これによって、マーケティング本部のミッションである新規顧客獲得に対する貢献がわかりやすく提示できるようになった。データが整備されたことで、ネクストアクションが本当に考えやすくなりましたし、すぐにアクションが取れるようになりました。
さらに、営業やCSなどの他部門との共通言語を持てるようになった点にも効果を感じています。これまでも営業やCSとは定例ミーティングをしていましたが、彼らは会社(顧客企業)を見ていて、私たちは人(ユーザー)を見ているため、視点が違いました。KEEN Managerによって会社(顧客企業)と人(ユーザー)が紐づいたことで、以前よりもはるかに会話が噛み合うようになりました。また、コミュニティ活動で得られた情報が営業活動にも貢献できるという実感を得られるようになってきました。営業から見ると攻め所がないように見えるお客様も、私たちから見ると提案の機会が見えていることもあります。営業がフルリモートになったことで、お客様の情報が得にくく困っている中、この方とお話ししてみてくださいと提案したり、直接おつなぎするなど、営業とお客様の関係構築にも役立っていますし、営業からの提案の幅が広がっています。積極的な営業メンバーは、KEEN Managerのクラスターを見て、自分の顧客がどこに位置しているのかを気にするようになってきました。
—— 同じような課題を持つ方へのアドバイスをお願いします。
コミュニティを運営している方はみなさん、KPIで悩まれていると思いますが、数字で語れるようになったことで、本当に大きな武器を得たという感覚があります。ベースとなる情報が定量的に整備されていれば、ターゲティングやアクションプランもつくりやすいですから。定量的なデータがあれば、質に関する情報はいくらでも補うことができます。コミュニティ活動を定量的に把握することで、目標や施策が立てやすくなったり、社内説明や他部門との連携がやりやすくなったりするので、私たちと同じように、みなさんの悩みを解決することにつながると思います。
本記事のポイントまとめ
ウイングアーク1st様は、KEEN Managerをコミュニティマーケティング施策の目標設定・進捗管理、インフルエンサーの発掘・育成、コミュニティイベントの企画にご活用。
その結果、
コミュニティ活動の目標(KPI)設定を定量化できる
ユーザーをターゲティングしたコミュニティマーケティング施策の立案が可能に
営業部門やカスタマーサクセス部門との連携がスムーズになり、営業への貢献方法も確立
という効果を実感しています。
これらすべて、コミュニティを運営している皆さんにとって目指したい姿に近いのではないでしょうか。
コミュニティ活動の定量化・分析にご興味がありましたら、お気軽にお問合せください。
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