【レポート】シリコンバレーで開催された米国最大規模のコミュニティカンファレンス「CMX Summit 2024」に行ってきました
2024年4月末に開催された米国最大規模のコミュニティカンファレンス「CMX Summit 2024」に弊社COOのThomasが参加しました。
Thomasから聞いた出張レポートをコミュニティマネージャーの皆さんに向けて展開します。少々、我々KEENの本音も入りますがご笑覧くださいませ。
【イベント告知】
シリコンバレー現地参加したスタートアップ経営者による報告会を開催します。コミューンCPO橋本さんをお招きし、注目セッション・ワークショップの内容をシェアし、コミュニティの米国市場と日本市場の違いについて語ります。
コミュニティマネージャーやコミュニティ実践者の皆さまとの交流の機会とさせていただきます。振るってご参加ください。
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出張に行った Thomasについての紹介
KEEN株式会社 執行役員COO 羽田トーマス洸太
オーストラリア出身であり、8才から日本育ちの日英バイリンガル
東京大学大学院工学系研究科修士課程修了後、 2018年にPwCコンサルティング合同会社 戦略コンサルティングチーム Strategy&に入社IT領域・製造業領域を中心に、新規事業立案等の戦略プロジェクトを多数支援
2023年にKEEN株式会社に入社「KEEN Manager」のプロダクトマネジメントを主に担当
CMX Summit 2024とは
CMX Summit 2024の感想サマリー
カンファレンスに関して
コミュニティビジネスの最先端のカンファレンスのセミナー、参加者との交流・ディスカッションを通じて、グローバルのコミュニティ感覚、コミュニティ市場の肌感覚を得られた。
アメリカ以外からの参加者は10%くらい?
コミュニティLOVERが集まっていて熱量が高い人ばかり。話した人全員がコミュニティ当事者であり、参加者のレベルが高かった。
ブースを見渡すと「コミュニティ」をキーワードとした事業を行っているグローバールプレイヤーが集っており、国内でこのような光景が無いからこそ新興市場の勢いを感じた。
とは言え、グローバルで最大のコミュニティカンファレンスの割に、規模は小さく、参加者も少ない印象(参加者400人程度)
参加者との雑談では、「CMXの運営であるBevyが、プラチナスポンサーと言っているがHostをしている状況で、それではスポンサーと言えないのではないか」とツッコミを入れていた。また、「Circleはじめ、個人向け×低価格帯のSaaSプラットフォーマーも来ているかと思ったら、居なかった。Bevyと競合するプレイヤーは締め出されたのかな?」という話も出た。
全体的にビジネスライクな雰囲気。ブースは営業モード。参加者もビジネスチャンス狙いのように見えた。例えば、コミュニティマネージャーになりたい人も居てキャリアオポチュニティを探しているような感じ。
翻って日本のコミュニティマネージャー向けコミュニティは、「みんなでコミュニティを盛り上げよう、頑張ろう」「市場を拡げよう」と言ったマインドセットで話せるプレイヤーが多いように感じる。
セッションに関して
Hostが話がうまく、その場に居る人たちのフック作りが上手い。セッションにはコミュニティのイベントだからこその仕掛けがあった。
一方で参加者のレベルに合わせたコンテンツ提供ができていたかは正直疑問。
セッションの話は、かなり基本的・教科書的なdos don'ts やアドバイスが中心。コミュニティ作りの事例研究はほぼなく、KEENとしてそのまま持ち帰れる面白い話はあまりなし。セミオープンな場だからか?手触り感がほしかったところではある。
オフラインイベントの盛り上げ方、コミュマネ業務へのChatGPTの活用方法、等、表面をさらうようなものが多いイメージで、期待していたコミュニティ事例の紹介はほぼ無し。
実際に参加者との雑談では、コンテンツに対してはレベルが低かったというコメントをしていた人が多数。
セッション内で、「URL to IRL」インターネット世界から、現実へ(In Real Life)と表現していたのが、コミュニティ活動のオンラインオフラインの使い分けを表す言葉としてよく練られたスラング使いだ。
ネットワーキングに関して
朝活のプログラムにも参加した。(1個だけのセッション)直前に決まったらしく集まったのはたったの5人だった。主催者はコミュマネキャリア志望の方。マインドフルネスセッションのためみんなで瞑想モードで、コミュニティにまつわるディスカッション機会にならなかった。朝会に関しては、主催のネットワーキングに利く企画になっていない部分の詰めの甘さを感じた。
Happy Hour的にお酒を振舞う場。登壇者や、Common Roomはじめとしたコミュニティテックプレイヤーの方々と議論できた。場の作り方的には、CMXオリジナルな仕掛けや仕組みは無く、ある意味よくあるカクテルパーティーで自由な交流の場であった。
グローバルのコミュニティ感覚に対する感想
土地の規模柄、オンラインファーストで発展しており、オフラインの発想が薄い印象。オフラインイベントのやり方、がセミナー内容になる(オーディエンスが居て、拍手が起こる)くらい。
当然のことながら、日本と比較し人口規模感が圧倒的に違う、平気で数万人規模、数十万人規模の話になる。
総じて、薄く・広く、がコミュニティの基本で、日本のコミュニティ感覚とは発想から違うイメージ。日本がガラパゴス?
米国(主語大きいが):規模大、オンライン中心、メンバー同士のつながりは薄い、オーディエンスやフォーラムに近い。
日本:規模小~中、オフラインがコア、メンバー同士のつながりが密、共同体に近い。
CMXが発行している「Community Industry Report」で、コミュニティプラットフォームを使うよりもSNS等を使う印象を持っていたが、個人のコミュニティも含むアンケートだったようで、ユーザーコミュニティはコミュニティプラットフォームを使うのが基本とのこと。Khorosがプラットフォームプレイヤーとしては強い印象。
コミュニティ・レジェンドとの会話
アメリカのコミュニティレジェンドと呼ばれるeBayやRobinhoodでコミュニティを立ち上げたAlan Aisbittさんと、登壇後にコミュニティデータ分析ツールの重要性を語っていただいた。
会場の様子(写真コーナー)
会場はシアターとクラブとスポンサーのブースが出てる大きな屋外テント
ブースエリアの様子
米国出展企業の皆さんは、お客さん探しにギラギラしている雰囲気。正直、カジュアルに話し込むのは少しはばかられる感じではありました。
vanilla
Vanilla はカスタマーハブを謳って、全部プラットフォームを通そうとしてる
コミュニティプラットフォームはトラクション増えてるらしい
アメリカ以外にはセールスチームはまだいないらしいが、パートナー制度もあるそう
hivebrite
プラットフォーム使ってる人が少ないというCMXのレポートの話をしたら、「バイアスかかってるんじゃないか」と怒っていたw
Hivebrite の強みはやりすぎなくらいのカスタマイズ性
NPOとか公的なコミュニティに強み
他のプラットフォームでは物足りなくなってきた大きいコミュニティが多い
コミュニティプラットフォーム移行のためのプロフェッショナルサービスも提供している
Gainsight
みんな大好きGainsightさん。ブースに人が居ないタイミングが多かったので話せず。
Khoros
Common Room
WorkOutLoud
カスタマーコミュニティプラットフォーム。オールインワンでバーチャルイベントを立ち上げられる。
creds
web3のコミュニティ構築とデータ分析が一体化したサービス。
コミューン
日本からコミューンさんもブースを出していました!👍
CMX Summit 2024の報告会をCPO橋本さんと一緒に開催します。
Thomasのまとめ
「コミュニティ」と言っても色んなレンズがあり、CMXは法人に限らず、個人やNPOも含めた祭典。そのため、今後も出てくるであろうCMX Reportも、全てのコミュニティの総和になることに留意して読み解くべきであろう。
各所でコミュニティに対するデマンドが増えていることに間違い無さそうだ。
イベント告知:2024年5月24日(金)19:00~「CMX Summit 2024」参加報告会開催!
「スタートアップ経営者が語る!シリコンバレー発・グローバル視点での最新コミュニティ運営事情」と題して、参加報告会を開催します。
注目セッション・ワークショップの内容をシェアし、コミュニティの米国市場と日本市場の違いについて語ります。コミュニティマネージャーやコミュニティ実践者の皆さまとの交流の機会とさせていただきます。振るってご参加ください。
【トークテーマ】こんな話が聞ける:
CMX Summit 2024のカンファレンス概要
注目セッション・ワークショップ
スポンサーを出したコミューンの経験、ブースやグローバルプレイヤーの考察
コミュニティの日米における違い、文化的背景から考察
よかったエピソードと、ぶっちゃけ期待外れだったこと
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思い出話
Amazonのコミュニティマネージャーの皆さんと食事。
入国のタイミングで「コミュニティ」について根掘り葉掘り聞かれたエピソード