コミュニティ運営の伴走を通じて、コミュニティ発展のその先を考える――コミュニティサポーターの仕事とやりがい
<この記事は、KEENサイト インタビュー記事と同内容です。>
近年、企業とユーザー間や社員どうしの交流の場としてコミュニティを立ち上げる企業が増えています。KEENでは、そういったコミュニティの運営を行うコミュニティマネージャーの方々に対して、データ分析ツールKEEN Managerの提供やコミュニティ運営のサポートを行っています。
今回はKEENでコミュニティサポーターとして活躍する2名が、コミュニティサポーターという仕事のやりがいを語ります。
――コミュニティサポーターの業務内容
佐藤志保(以下、Shiho):
一言で言えば、コミュニティ運営の日常業務の伴走や代走です。コミュニティマネージャー(運営担当者)は業務が幅広く、細かいタスクが積もり積もって大変な量になることがあります。特に未経験の場合、さばききれないところもあるので、我々がサポートさせてもらっています。
既にコミュニティ運営に慣れていらっしゃる企業さんに対しては、人手が必要なところにお手伝いに入ります。一方、コミュニティ運営の経験やノウハウをまだお持ちではない企業さんに対しては、実際にコミュニティメンバーとのコミュニケーションを取りながら、コミュニティマネージャーの方に具体的なやり方やふるまい方をレクチャーしたりしています。
植田成美(以下、Narumi):
イベントのサムネイル画像を作ったり、コミュニティ内でのお知らせ投稿や記事をアイキャッチ画像作成を含め行ったり、SNSの投稿をセットしたりと、細かい作業もします。コミュニティのイベントの企画、当日のお手伝いもしますし、交流会の場で「集合写真撮ります」みたいなことまで、幅広い業務があるのがコミュニティサポーターですね。
――KEENがコミュニティサポートを通して達成したいこと
Narumi:
ノウハウをドンと渡すのではなく、各社さんが今困っていることややりたいこと、フェーズに合わせて、私たちが持っている引き出しの中からサポートし、一緒に汗をかきながらコミュニティを育てていくことが目指している、達成したいことですね。
Shiho:
KEENは、コミュニティマネージャーの方のサポーターなのかなと思っています。立ち上がったばかりのコミュニティだと、最初は我々が表に出てコミュニケーションを取ったり場の雰囲気をつくったりするケースもありますが、徐々にその企業のコミュニティマネージャーポジションの方がそのコミュニティの顔になっていけるように、役割を移行していきます。
ユーザーコミュニティだと、運営企業さんからすればお客様にあたる人たちにも、メンバーとして協力してもらうことが大事になります。コミュニティ運営に取り組んだことがないと、いざメンバーさんに相対したときにどうしても「いつもお世話になっております」とかしこまってしまう。
そんなときに、私たちがミーティングに入らせてもらい、場をリードして、メンバーさんからのコミットメントを引き出したり巻き込んだり。その場でやって見せることによって、コミュニティマネージャーの方も、関わり方、接し方のイメージがしやすくなります。
社内では「コミュニティ感覚」と言われていますが、適度な距離感のつくり方、場のつくり方を得意とするのがKEENという集団です。どんな場でも、周りを巻き込んだり、モチベーションを上げたり、元気づけたりする言葉やふるまいが自然と出てくる。これは多くのコミュニティサポートをしてきたからこそ蓄積されたスキルなのかもしれないですね。
Narumi:
バランス感覚が大事な立場にいますよね。コミュニティマネージャーは、会社からのミッションを背負って運営されているので、そのような自分の立場もある中で、お客さんの目線にも立って考えないといけません。
その中で私たちはKEENとしてコミュニティ運営のノウハウも持っているし、自分たち自身が何かのコミュニティメンバーだったことが多い人たちなので、ユーザーの立場だとここがちょっと気になったとか、こういう風に言われてやる気が出たとか、そういう部分も経験として持っています。だからこそコミュニティ運営にKEENが入ることによって両者の視点を持ってバランスの調整ができると思うんです。
――コミュニティサポーターとしてのお互いの強み
Narumi:
私の強みは、どんな作業でも一定のクオリティで打ち返せるところかなと思っています。幅広い作業をすることが多い職だからこそ、当たり前ですが、わからないことは調べるし、できないことは、情報を集めてできるようにするといった姿勢は、コミュニティサポーターにとって大事だなと思います。
Shiho:
Narumiさんの愛され力はすごく強みだと思います。仕事のお付き合いとか真面目な場で、親しみを持って「なるちゃんこれできる?」と気軽にメンバーさんに声をかけてもらえる人ってなかなかいないですよね。
コミュニティの発足当初はみんな緊張している中で、その場の雰囲気をつくり、メンバーさんと関係を築くことは非常に大事なことなので、そのときに愛され力や懐に飛び込んでいける力があると、メンバーさんが心を許してくれるまでの時間がすごく短くなります。
Narumi:
Shihoさんの強みは、たとえばミーティングのとき、運営の方々に寄り添って一緒に悩んでいるShihoさんと、今会議がどのくらい進んでいて、コミュニティの状況がどうで、ここを紐解いたらもっと議論が進むのではないかなど、一歩引いて論理的に考えているShihoさんの2人が共存していることだと思っています。
「ここを整理してみませんか」という一言で、煮詰まっていたことがほどけて、議論が進むことが多いです。ShihoさんがいることによってKEENのコミュニティサポートのクオリティが上がっていると思いますし、やっぱりコンサル経験があることは強いなと思います。
Shiho:
コミュニティマネージャーは忙しいですし、メンバー1人1人のモチベーションや状況など、解像度高く理解する必要があります。でも、だからこそ何か企画を進めなきゃ、戦略を進めなきゃ、というときに個別具体を考えすぎてしまいがちです。そのときに、一歩引いた視点を入れられるのは確かに価値かもしれないですね。
コンサルだと、より抽象度高く、構造的に考えて、フレームにあてて、「こういう風になるべきだよね」という画を描くのが仕事ですが、「現実にはそうはいかないんだな」ということを、数年前最初にサポートに入ったときに強烈に学んだんです。
両方の経験をしているので、今コミュニティサポートに入らせてもらうと、現場に共感しつつ、コンサルのバックグラウンドをうまく活かすバランスが取れてきたのかもしれません。
――コミュニティサポーターの仕事で大変なこと
Shiho:
コミュニティにまつわる仕事を始めて最初に大変だと感じることが、ステークホルダーがとても多いことです。コミュニティメンバーをはじめ、コミュニティ運営の事務局の方など、連絡先が非常に多いです。
また、業界によってもその特性は異なっていて、たとえばIT企業と製造業では会社やコミュニティの雰囲気はもちろん、市場環境、競合、ビジネスのサイクルなども全然違います。そこをきちんと押さえることがまず大事なことですね。
Narumi:
私は前職が保育教諭で、IT業界どころかビジネスというもの自体が未経験だったので、支援企業さんやステークホルダーの、前提条件のインプットや把握は苦労しました。組織のこと、製品のこと、業界のことなど、コミュニティの前段情報を知らないと、本当の意味でのサポートは難しいので、勉強あるのみだったなと思います。
また、1つのコミュニティの状況も、刻一刻と変わっていきますよね。予算がどれぐらいかけられているのか、どの部署にコミュニティが紐づけられているのかなど、変化に対応して、業務に活かしていくところまでする必要があります。
冒頭にお話ししたようなイベントの画像をつくるとか、イベントのお手伝いをするとだけ聞いていると、業界や会社の内部事情まで詳しく知らなくてもコミュニティサポーターはできると思ってしまうかもしれませんが、その会社の理解から始まるのがKEENクオリティの大前提です。
Shiho:
まさにそうなんですよね。コミュニティのことだけをやっていればいいわけではない。むしろコミュニティ以外に取り巻く状況、情報収集を通して変化に柔軟に対応して、コミュニティの先にあるビジネスのスケールなどを実現していくことにこだわるのがKEENクオリティと言えます。
――コミュニティサポーターのやりがい
Narumi:
スター顧客がどんどん増えていくのを見ることができるのは嬉しいですね。たとえば、たまに投稿を見るだけだった人が、いつの間にか登壇する人になって、コミュニティメンバーから認知されて、もっと言うとコミュニティ外や、他の製品を使っている方にも認知されていくことがあります。そんな風に「このコミュニティと言えばこの人」「この人がこのコミュニティのスター」といえる人がどんどん増えていくことが一番のやりがいです。
目立たなくても、その人なりの形でコミュニティを活用して、製品への理解・活用がガラッと変わる人もいます。それぞれの形で、スターになるさまを見ていくことの感動は本当に大きいです。
Shiho:
いろいろなコミュニティを横断して見ているから、本当にいろいろなパターンでスターになっていく過程を見られますよね。そしてそれを、運営チームの一員として、コミュニティメンバーとして一緒に喜べること、同じ景色が見られることも嬉しいです。
――コミュニティサポーターに向いている人
Shiho:
人が集まる場や集団を構成している1人1人に興味を向けられ、メンバーさんのことや業界のことを、学び続けることを苦だと思わない人は向いていると思います。
また、KEENのコミュニティサポーターとしては、コミュニティをうまく運営するだけではなく、コミュニティを手段として、会社やコミュニティメンバーの皆さんが、コミュニティが発展したその先に成し遂げたいこと、実現したい未来まで考えるところまで求めたいですね。決して、「仲良くすればOK」ではないです。
Narumi:
単に作業を1つひとつこなしていければ○ではなくて、その作業が発生した背景を理解したり、コミュニティメンバー1人ひとりがどんな人か理解する気持ちがある人、理解できるスキルがある人が向いていると思います。プリズムテック時代に10個の行動指針があったのですが、私はそれを今でもずっと大事にして、迷ったらそこに立ち戻るようにしています。
――コミュニティサポーターに興味がある方、検討中の方に一言
Narumi:
日々、目まぐるしい仕事ですが、コミュニティの良さも味わえるし、スター顧客が生まれる過程を見ることができ、やりがいも大きいので、ぜひ挑戦してほしいなと思います。Shihoさんがコンサルの経験を活かしていたり、私も前職とはそもそもまったく違うと思っていましたが、保育教諭で培ったコミュニケーション力など、周りからは経験が活きていると言われたりすることが多くて、それぞれのバックグラウンドなどから培った強みが活かせる、というところがコミュニティサポーターの特徴かなと思っています。
自分が持ってないものはどんどんインプットしながらも、自分の資質や経験を活かして、自分のコミュニティサポーター像をつくり、楽しみながら取り組んでもらいたいなと思います。
Shiho:
可能性は無限大ですが、簡単な仕事ではないので、「常に学び続ける」「素直でいる」など、基本姿勢を大事にして挑戦していただければと思います。
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