ニュートンに学ぶ自然の法則からの政治・経済・自治
人間は自然から学ぶことが多くあります。それは、緑の中に入って風を感じ、植物の生命を尊び、大地の豊かさに共感することばかりではなく、物理学という自然の法則から人間の心理を知るなど多くを学ぶことができます。
ここでは運動の力学について書きましょう。アイザック・ニュートンは3つの運動法則を発見しました。
●第一法則 慣性の法則
●第二法則 運動方程式
●第三法則 作用・反作用の法則
【慣性の法則により人は滅ぶ】
まず第一法則ですが、これは止まっている物体はずっと止まっており、ある方向に動き続けている物体はその速度のままずっと動き続けるという、当たり前の内容です。
人間は知らず知らずのうちに安定を求めます。変化を好まないのです。なぜならばそれが楽だからです。
しかし、ゆでガエルの話がありますね。ぬるま湯にカエルが浸かっていると気持ちよく入っているが、その湯温を徐々に上げていくとカエルはそれには気づかず、いつのまにか沸騰したお湯になってしまい、死んでしまうということわざです。実際に、それを実験してみるとカエルもバカじゃないので熱くなり始めたら逃げ出すそうです。だからことわざ通りにはならないのですが、いずれにしてもこの実際のカエルのように、人間も賢くありたいです。
ところが、既存の利権構造に縛られて、なにもできずに腐敗し続けているのが今日の政治であり、また郡山市の地方自治ではないですか。
慣性の法則は自然界に絶対的に存在するものですが、そこから抜け出す勇気を自由意志として人間に与えられているのも事実です。このままではいけないと内心思っている人たちによって、一部の人々の欲得ではなくて、多くの人々の幸福を実現することができます。たいした勇気はいりません。投票用紙に書くことで変わります。ただしマジックペンでね。
【人の心の運動方程式】
ではそんな欲得の、政治家やその利権に群がる人々の慣性からどのように抜け出すかというと、それが第二法則です。運動方程式というのは、
ma=F
と現わされます。mは質量、aは加速度、Fは力です。
質量というのは不正確ですがおおざっぱに言うと重さです。物を動かすのにこの質量が大きいと抵抗度が高くなります。経験的にそうですね。加速度は、止まっている物体を動かすときの単位です。または時速10kmで走っている車を時速20kmにする際のその差である10km/h2というのが、加速度です。つまりどれだけ速度を変化させたかというものです。
この質量と加速度の積が力です。
寂れつつある地方経済は、みな若者が東京に行きたがります。
どうにかして自治体は仕事を作ろうとして、税金を公共事業に回します。これは並みの政治家がみな考えることです。
それで社会インフラが成り立つのは結構なことですが、地元の建設会社と政治家が癒着します。そして民の意に反しても、特定の政治家に媚びを売ることになります。
これだと特定の人しか儲からない。その輪の中に入っている人たちはおいしい蜜を吸うが、一部の人たちだけの利権です。
これを変えるには加速度を与える必要がありますが、その質量すなわち既存の抵抗勢力が大きければ大きいほど動かすことが困難です。そこでみんな諦めて、今の権力構造の言うがままになります。
その輪に入っていない人々は白けた目で見て、地方自治には参加しなくなります。そのような市民の分断が起きます。だから地方での選挙の投票率が四割を切るようなことになるわけです。
一部の人たちだけの地方自治になっている。だから、市民全員に恩恵が受けられない。
これを打破するためには、その利権構造を打ち破るためのヒーロー的な野党がたまに出てきますが、彼らが勝ち上がり権力を得るとまた同じことをするのです。数十年前に革新自治体というのがあって、自民党推薦を受けない左派系の政党推薦候補者が首長として当選し、一世を風靡したことがありますが、結局は自民党政権と同じ利権政治を始めた自治体ばかりでした。
これは単に権力の奪い合いをして、勝ったところが同じことをするので、何も変わりありません。
この解決方法は、既存のma=Fを相手にせず、新たな土台を作ることです。それはすなわち、既存の経済システムの外側に新たな経済システムを作ることです。
それが「腐るお金」「減価する通貨」を使ったデジタルマネーによる地域通貨です。
これは既得権益者のみならず全員に流通を促し、調和ある経済を作ります。自民党による利権政治から野党による利権政治へのバトンタッチという無意味なことはこれによりなくなります。
【政治は作用・反作用の法則だらけ】
最後に第三法則は、作用をさせると必ず反作用が伴うというものです。ある大学の物理学の教授がこの第三法則について学生に説明を求めたところ、「殴られたらいずれ殴り返される」との回答があったとのことです。これは全く違います。
強いて言うならば、殴った瞬間に自分の拳は相手のボディでも顔からでも殴り返されているということです。壁を押したらその瞬間に壁から押し返される。満員電車では押せば押されるというものです。
だから敵方に対していくら悪口雑言を吐いても、それは自分に対して言っているのと同じことということです。政治運動についてはこの第三法則が最も注意すべきことです。利権構造を破壊しても、新たな利権構造が生まれるだけです。それは他者に対して愛がないからです。今いる既存勢力を憎んで、新たに自分の言うことのきく配下で固めようとするのが、今の醜い政治ですが、そんなことをしても必ずその瞬間から反作用が起きているということです。