私と、般若の面と、
「般若の面」と聞いて、ぱっと頭に浮かぶのは、あの怖い顔
私が初めて「般若の面」に出会ったのは、小学生の頃で、周りの子達は皆「怖いね」と口を揃えて言っていたが、私は何故か「怖い」とは思わなかったのを今でもはっきりと覚えている
最近になって、ふとあの時の「般若の面」を思い出して、「般若の面」ってそもそもなんなのか調べてみるうちに、分かったことがある
「般若の面」は、嫉妬や恨みの篭もる鬼女の顔を表している物らしい
そして「般若の面」にも種類があり、鬼女への進化の途中で、般若になりきれていない顔つきの物を「生成」、般若が進化して蛇のようになった顔つきの物を「真蛇」と呼ぶらしい
私が初めて「般若の面」を見た時、「なにに苦しんでるんだろう」と不思議に思ったけれど、そう考えた事は間違っていなかったんだと思った
恨みや嫉妬の気持ちの表現は色々あるけど、人を恨んでいる時も、人に嫉妬している時も私はとても苦しい気持ちになる、そして気づくと泣いてるような怒っているような顔になる
それはまさに「般若の面」のようで、 見かけは恐ろしいけれど、きっとあの顔に行き着くまでに沢山の悔しさ、辛さ、そして葛藤を抱えていたんだなと思うと、「般若の面」をひと言に「怖い」と言えなくなってしまった
「般若の面」の裏側には泣いている女の顔があるような気がして、悲しい気持ちにさえなる