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今更ながら山口一郎ゲリラサイン会をレポートします。

去る2023 年4月23日、サカナクションの山口一郎氏が下北沢 土管広場で告知なしのゲリラでサイン会を行いました。本稿はそのレポートです。

本題に入る前に、なぜ今更一ヶ月も前のイベントの報告をするのかということについて説明させてください。ネタバレになりますが、本稿では「サイン会に駆けつけるも参加できなかった悔しさ」が述べられています。しかし、悔しがるよりも、長い療養を経て、ようやっと一郎さんが人前に出られるようになったことを喜ぼうと、このレポートを一旦お蔵入りにしたのです。

それから月日も経ち、一郎さんも徐々に仕事に復帰し、サカナクション復活も見え始めているので、今回公開に踏み切りました。あえて推敲はしていません。


その日は丁度おさかなディレクションのリハを都内で行っており、ゲリラサイン会の情報を目にしたのはリハが終わり、機材を積みこんだ車内でTwitterを開いた時でした。その時点でサイン会が始まりすでに30分ほどが経過しており、今から現場に向かっても間に合う保証はありません。

「行こう」

決断に時間はかかりませんでした。実は数年前にポール・マッカートニーが来日したときに羽田空港までお迎えにいった経験をしており、優柔不断が一番泣きを見ることを知っていたからです。

ついさっきまでリハをしていたので車の中にはKORG KAOSS PADがある。吉祥寺に車を止め、黒の筐体のKAOSS PADにサインをしてもらために駅ビルで銀色のペンを仕入れ、下北沢へ向かう電車に飛び乗りました。

その時、サカナクション公式のTwitterアカウントが「現在整列されている方で販売を打ち止めとさせていただきます。」とアナウンスしているのが目に飛び込みました。

一気に下がるテンション。でもダメもとで行ってみよう…

今振り返ればここで思考を放棄した、チャンスをものにする努力を怠ったことが敗因でした。実は会場での販売を終了しただけで、手元に本さえあれば最後まで列に加わることができたのです!

「ダメもとで行ってみよう」なんて受け身な考えに流されず、この段階で思考を巡らせるべきでした。そうすれば吉祥寺の書店で『ことば: 僕自身の訓練のためのノート』を購入すればサイン会に参加できたのです。

もちろん、この時点で気づくことは難しかったかもしれません。しかし、会場で一郎さんをぼけーと眺めている間少しでもスタッフに聴いていれば、本を購入しに戻ることは十分できました。

自分がそのことに気づいたのは、受付が締め切られたあとに、書籍を手にしたファンがスタッフに声をかけ列に加えてもらっているのを目にした時でした。この方が、今回のサイン会のシステムを知っていたのかどうかは定かではありませんが、知っていたとしたら、その情報を掴みにいく努力をした結果であり、知らなかったとしても、本を手にし会場に向かいスタッフに聞くその行動の結果でしょう。

下北沢の書店に問い合わせましたが、すでに売り切れ、吉祥寺に戻れば買うことはできますが、列の状況をみるとかなり危険な賭けであることは明白でした。(もしかしたらここで「賭けにでる」という行動にでればチャンスを掴めたのかもしれませんが、今回はここで試合終了することを決断しました)

今回は大きな反省がもう一つあります。実は前日に一郎さんが配信で「明日は東京で何かがある」ということを言っていたそうなのです。自分はその配信を見ていながら、その言葉を聴き漏らしていたのです。

いや、たとえ聴き漏らしていたとしても、翌日のTwitterの状況をみれば、今日都内で何かがあるということは明白で、「念のために本を持っていておく」という判断もできたかもしれませんし、その発想が一瞬頭をよぎっていたような気もします。しかし「そんな幸運ありえない」という無意識が可能性を閉ざしてしまったのでしょう。

ファン活動に最も大事なのは「情報を取りにいく努力」そして判断力と決断力の3つです。決断力はありながら、残り二つをどこかに忘れてしまっていたことが今回の最大の反省です。

しかしながら、こんなスリリングな体験はポールの来日以来で、自分が「ファン活動」をしているという実感も得られ、悔しさはのこりつつも充実した1日でした。そして何より参加者一人一人と丁寧にコミュニケーションをとる一郎さん、周囲でそれを見守るファンの人たちの幸せムードに包まれた空間は素晴らしく、それを体験できただけでも会場にいった価値はあったと思います。

その日の夜も疲れているにもかかわらず一郎さんは配信をしており、今日は本当によかった、みんなありがとうねと何度も繰り返し、静かながら感極まっている様子でした。



おさかなディレクション公式YouTubeチャンネル:


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