アスリートのデュアル・セカンドキャリアについて考える。
アスリートの引退後。
アスリートがその競技の現役として活動できる期間は、決して長くはありません。プロ野球( NPB )の世界でいえば現役平均期間は10年弱、平均年齢でも30歳弱となります。
引退後、その競技関連に携わることや所属チームの関連企業に勤務できる者は一部の層に限られ、多くのアスリート達は別の世界で第二の人生を歩む事となります。
その競技を極める為に多くの時間と労力を費やしてきたアスリート達が突如、別の世界に飛び込み、第二の人生を歩み始めるのは容易なことではなく、また多くの課題があるのが実情です。
現役中のアスリートが第二の人生やその課題( ビジネススキル、学力、保有資格、マインド etc. )に対しては漠然としており、決して十分な環境下とは言い切れません。
企業への就職、起業、専門学校・大学進学と選択肢は多種多様とありますが、こう言った選択肢や可能性を広げる為にも、引退後もとより現役中のサポートおよびマネジメントは必要不可欠と考えます。
また、より多くの企業や団体が「 デュアル・セカンド キャリア 」について考え、取組みをすることでスポーツ業界全体の更なる発展へ繋がっていくことが期待されます。
今、サッカーワールドカップで日本に多くの感動や勇気を与えてくれている代表選手も、オリンピックで活躍した選手もプロリーグで華やかな活躍をしている選手もいつか必ず引退の時が訪れます。
引退後にその知名度を活かしてセカンドキャリアを成功させる人はほんの一握りです。皆、引退後のことは頭の中にはあれどその競技で成功することに多くの時間と労力をかけて「 今 」を大切に過ごしています。
その競技において技術的にプロフェッショナルと称えられてもプロ契約でないアマチュア選手は数多く存在しています。またプロで知名度があったとしても引退後に全く関係のない仕事をせざるを得ない人もいます。
いつ、どこで、誰が、どのようになるのかは分かりません。これについてはアスリートに限らず一般人誰しもが言えることでしょう。未だ見ぬ未来に不安や恐怖を感じて一歩踏み出せなくなるより、その不安や恐怖を払拭するために「 今 」出来る事に集中して「 今 」を生きることはとても重要だと思います。
ですが、人は一人ではどうにもならないことだってあります。そんな時は誰かにサポートしてもらわなければなりません。引退後のアスリートのサポートをもっと幅広く行うことでスポーツ界の底上げにつながるのではないかと考えます。
多くの人がアスリートの活躍で夢や感動を貰っているかと思います。そういったアスリートを一人でも多く輩出するにはアスリートにとって挑戦できる場や環境をもっともっと創造していかなけばなりません。
それは単に練習する場所や競技団体の環境だけではなく、人生をかけて挑戦できる「 ストーリー 」を創造していくことではないでしょうか。そしてそれらを挑戦できるためのサポートが必要です。
そのサポートの一環としてアスリートのデュアル・セカンドキャリアの支援をもっと体系的に創造していくことがスポーツ界の底上げにつながるのではないでしょうか。
競技の道を究めるために「 今 」を過ごし、未だ見ぬ将来の不安や恐怖に怯えず「 今 」を過ごすためにも、アスリートのデュアル・セカンドキャリアの支援を考えていきたい。
今できることからやって行こうと思う。