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探究学舎の「たろちゃん」と気仙沼を旅したこと

おさかな小学校・校長のすーさんです。
先日、探究学舎で生き物の授業を担当している森田太郎先生(通称:たろちゃん)と、2泊3日で宮城県の気仙沼を旅してきました。
探究学舎の子たちからは「ずるーい!!」という声が聞こえてきそうですね! とても楽しい旅でした。

そもそものきっかけは、10月のある日、「おさかな小学校と探究学舎がコラボしたらなにか面白いことができるんじゃないか!?」と思ったすーさんが、東京の三鷹にある探究学舎を訪れて、「なにか一緒にやりましょうー!!」と言いにいったことです。

たろちゃんともその時にはじめて会いました。

たろちゃんはとっても親切で、ほかの先生が授業の準備をしている部屋とか、戦国武将カードを作っている部屋とか、いろいろ案内してくれました。こちらはオンライン配信の部屋です。
(おさかな小学校もこんな設備で配信できるようになったらいいなーーー!!!)

オンライン配信の部屋。つい、はしゃいでしまいました!

たろちゃんは、1月からはじまる『探究学舎【広げるコース】海のいきもの
〜生物学入門〜
』の準備の真っ最中。静岡・沼津の深海魚漁船に乗船したり、神奈川・三崎のマグロの魚市場に通ったり。そんなたろちゃんとサメの話になったとき、すーさんは、「サメの水揚げ日本一の港、宮城県の気仙沼漁港だったらいつでも案内できますよ」と言いました。

えへん、すーさんは、去年の春まで、気仙沼の漁師さんと、漁師になりたい若者をつなぐお仕事をしていたので、気仙沼の漁師さんたちとはめちゃくちゃ仲がよいのです!!

しかも、マグロの漁師さん、サメの漁師さん、メカジキの漁師さん、ワカメの漁師さん、牡蠣の漁師さんなど、気仙沼にはいろいろな漁師さんがいます。

たろちゃんは目をかがやかせて「気仙沼いきたいです!!」と言いました。
「いつ行きますか?」と、すーさん。
「12月はじめだったら行けます!」と、たろちゃん。

そうして、魚市場があいている日を確認して、12月8日の夜に気仙沼に行くことになりました。

夕方、東京駅から新幹線に乗って仙台へ。真っ暗になった三陸自動車道を、2時間かけて運転し、夜遅くに気仙沼につきました。

次の日、12月9日の朝早く、魚市場に行きました。ちょうど、はえ縄漁船が港に帰ってきており、メカジキやサメがたくさん並んでいました。今年はタコが豊漁らしく、たくさんの生きているタコが水槽に入っているのも見ました。定置網漁の漁師さんたちが、とれたての魚を種類ごとに分けているのも見ました。

カジキマグロ(左)は、ダルマザメにかじられた穴が! クロマグロ(右)、きれいだった!

そのあとシャークミュージアムに行ってサメの展示を見たり、氷の水族館を見学したりしました。

巨大なウバザメの模型は大迫力!

2011年3月11日の東日本大震災で大きな被害を受けた高校の校舎も見学しました。校舎の4階まで津波が来ましたが、高校生たちは1.5キロ離れた中学校まで走って、全員無事でした。もともと隣にあった体育館は大破していました。

4階まで津波が来たそうです。

そのあと、近くにある「岩井崎」という磯に遊びに行きました。岩井崎は2億年前の石灰岩でできていて、フズリナやウミユリやサンゴの化石を探しました。大好きな釣りを楽しみにしていたたろちゃんでしたが、「ここは釣りには向かないですね」と教えてくれました。残念!

岩井崎は岩ごつごつで楽しいです!
二枚貝やアメフラシ、小さな魚など、海の生き物もいました。

お昼ご飯は、牡蠣漁師さんがやっている「ヤマヨ食堂」で食べました。漁師さんが育てた、とれたての牡蠣を使ったお料理。おいしかったー!!

すーさんは牡蠣鍋と牡蠣フライを注文しました(^^)

午後は、港を散策しながら、いろいろな船を見学しました。サンマをとる船、マグロをとる船、サメやカジキをとる船など、船によって形も大きさもずいぶんちがいます。マグロをとる船は大きくて、漁師さんたちは船のなかで何カ月も生活をしながら漁をするんですよ。

こちらは、遠洋まぐろはえ縄船。大きい~

そのあと、みしおね横丁に行きました。みしおね横丁は、気仙沼の魚市場に水揚げをする漁師さんたちがお風呂に入ったり、ご飯を食べたりできる場所です。インドネシア人の船員さんたちがお祈りをしたり、インドネシア料理を食べられるお店もあります。気仙沼の町の人たちは、漁師さんたちにとてもやさしいです。

みしおね横丁で晩ご飯を食べながら、今年5月にやった「極限生物」編についていろいろ教えてくれました。どうしてオーストラリアにはカンガルーやコアラなどの有袋類がいるのか。どうしてホッキョクグマはいるけどナンキョクグマはいないのか。ライオンのようなネコ科の動物が最強の地域と、オオカミのようなイヌ科の動物が最強の地域があるのはどうしてか。「なるほどーーーー!」って思うことばかりでした。

3日目の朝は早起きして、定置網の漁船に乗りました。

定置網は、沖に大きな袋のかたちの網をしかけておいて、なかに入ってくる魚をとる「待ちぶせ」の漁業です。

船で15分ほどかけて網がしかけてあるところまで行き、それから機械をつかって網をたぐりよせていきます。

今は魚が少ない時期。それでも、イナダ(ブリのこども)、ソウダガツオ、チダイ、イカなど、いろいろな魚がとれました。

網をたぐりよせると、魚たちがバシャバシャはねます
チダイ、イトヒキアジ、ホウボウ・・・ 何種類いるかわかるかな?
寒いのをがまんして笑顔でがんばるたろちゃん

漁が終わってから、ホテルに戻りあたたかい温泉に入り、ようやく生き返った二人。あっという間の気仙沼旅行から、帰る時間になりました。

旅の途中、新幹線のなかで、車のなかで、ご飯を食べながら、たろちゃんといろんな話をしました。料理人を目指してたけどやめて、紛争があったボスニアヘルツェゴビナでサッカーチームを作って、小笠原諸島の母島で小学校の先生をやって、いまは探究学舎で授業をしているたろちゃんは、人生経験が豊富で、いろんなことを知っていて、とても面白かったです。

歴史や科学などわくわくする学びを目指している探究学舎と、おさかなを通じて海について学んでいるおさかな小学校。これからなにか一緒にできることがあるかもしれません。楽しみです!

1~2月に開催する「海のいきもの」編。おもしろそうです!







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