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【日記 vol.8】''チゲ''と''チゲ鍋''について激論した話。

 先日の事です。バイト先の後輩と鍋を食べていたのですが、後輩が「チゲ鍋っておいしいですよねぇ~。」と言い出したのです。

 「いや、チゲな!」心の中でそう叫んでしまったのですが、ぼくの口も心の叫びと呼応するように自然と発声していたのです。

 「あ、まずい。」

 そう思った時にはすでに手遅れ。後輩からの奇異な目が痛い!やめてくれ!そして後輩からなぜ''チゲ鍋''ではなく''チゲ''なのかと問われてしまいました。
 
 補足としてその後輩は割と理屈っぽく、こういった話題になると高確率で噛みついてきます。もちろん物理的に噛みつかれるわけではないです。しかし長時間議論に拘束されることが確定してしまうのです……。翌日に1限の講義を控えていたぼくはなんとしてでも避けたい。まさに地雷を踏んでしまったわけです。

 もう仕方ないと腹をくくりぼくは説明を始めました。ちなみになぜ''チゲ鍋''に対して僕が否定的であったのか皆さんはご存じですか?知っている方も多いと思いますが、''チゲ''という言葉は朝鮮語における''鍋''という意味を持っているのです。よって''チゲ鍋''というと''鍋鍋''になってしまいます。
 
 いや、言いたいことは分かりますよ。別に俗称として''チゲ鍋''と呼ぶんだし気にしなくてもいいやんとお思いでは?そうですよ。いいんですよ。でもなんか違和感というか、ちょっと気持ち悪くないですか?

 仮に「いやこないだ食べた鍋鍋がめちゃくちゃおいしかったんだけどさ、おれ鍋鍋好きなんだよねぇ。おまえも鍋鍋好き?」と聞かれたら「何言ってんだこいつ」ってなりませんか?
 さすがに極端な例だとは思いますがとりあえずぼくは違和感を覚えてしまったのです。無理ないですよね?ね?

 案の定後輩とぼくはこの話題について長時間議論することとなりました……。俗称としての''チゲ鍋''は何も悪くない。''チゲ鍋''が可哀想。と訳の分からないことを言われたときはさすがに困りましたね。一応ぼくとしてもなぜ違和感を覚えたのかという節は伝えてみました。そこから後輩からの反論が入り、それに対してぼくが反論、血で血を洗う議論です。

 とくにその議論は実りがあるものではないので詳細には触れませんが重言ってなかなかに面白いですよね。''チゲ鍋''が''鍋鍋''になってしまうようなことを重言(じゅうげん)と呼ぶのですが、調べてみると色々ありました。

 一番分かりやすいものでいうと「頭痛が痛い」ってやつですね。これよく聞きませんでしたか?頭が痛いことを頭痛と呼ぶのですが、さらにそれが痛いと。あら、とっても痛いんだねとは思いますが小学生の時に友人が言っているのを聞いて「ん、なんかおかしくね?」と思ったことを今でも覚えています。

 ぼくが知らなかった凡例でいうと「過半数を超える」という重言がありました。これニュースなどでよく聞く文章だと思っていたのですが(気のせいかもしれませんが)実は重言にあたるそうです。確かに「過半数」を分解してみると「半数を過ぎる」という風にとらえることができるので言われてみればって感じですよね。これはうんちくマウントを取れそうだなと密かにメモしましたねぇ。

 他にも「後で後悔するよ」とかもよく聞きませんか?これも立派な重言なんですよね。これを言われた後に「それ間違ってるよ。」というと気持ちよくなれると同時に嫌われることができます。皆さんも活用しましょうね。

 もちろん翌日の1限は遅刻しましたが、重言という面白い事柄に触れることができた良い機会となりました。意図的に重言を用いてそれにツッコむ高度かつ気持ち悪い遊びをしたいものです。

 さ、今日からも楽しく生きていきましょう。

 


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