【小6でもわかる長崎市財政】②歳入と歳出の推移
第2回目は「R11年までの歳入と歳出の推移」を見ていきます。
これはなんとなく結果が予想できそうな話かと思います。
歳入と歳出の推移
歳入・歳出とは
歳入・歳出とは、その年度内における国や地方公共団体の収入と支出を指します。
家計では使わない言葉ですが、国や地方公共団体では「一年間」と期間を区切った収入支出について審議するので、「一年間」の期間がわかるように「歳」の文字が使われていると覚えておけば良いです。
歳入…1年間の国や自治体の収入
歳出…1年間の国や自治体の支出
人口減少に伴って減少傾向
グラフの通り、歳入と歳出は令和7年度をピークに減少していく予想です。
これはほぼ人口減少の影響です。
どうして人口が減ると歳入・歳出も減るの?
なぜなら人口が減少すれば税収が減りますので歳入は減ります。
そして人口が減れば、行政サービスを行う対象も減ることになるので、歳出も減るとの見立てです。
R7年に歳入が増加する理由
R7年に歳入が増加するのは、デフレから脱却しインフレが進むことによって経済が活性化し、個人の収入も増加するからというのが大きな理由の一つです。
民間の収入が増加すれば、各種税収もアップすることになります。
働いて収入が増えてもその分税金取られるのだからやるせなくなりますね。
また、国から自治体への財政支援が大きくなることも考えられそうです。
人口の推移予測
人口減少の予測は国立社会保障・人口問題研究所の数値では上記のようになっています。
R7年からR12年までの5年間で約38万2千人から約36万2千人へと約2万人減少する見込みです。
R2からの5年間でも約2万人減少したので、長崎市は5年ごとに平戸市が丸ごと1つ消えるくらいの人口分の2万人が減少していることになります。
平戸市が1つ消えると考えると、相当な人口規模の人数が減っていることについてリアルに恐怖を感じるのではないかと思います。
今回は「人口減少対策」について話す回ではないので、単純に「人口減少がもたらす財政への影響は大きい」という事実を理解していてください。
人口減少がもたらす影響
人口減少が歳入歳出に影響を与えるということはつまり、「いつまでも同じ金額で自治体を経営していけるわけではない」ことを意味します。
収入(税収)は減ります。
けれども養う人も減っていきます。
必要とされるサービスの質を維持できるように(基準財政需要額)交付税措置が行われますが、そもそもの需要額を算定する基準も人口規模などに影響を受けるものなので、人口が減ればその分需要額も減少していきます。
自治体の規模とは
国からはそれぞれの自治体の規模にあったサービスを行なっていくための金額があてがわれていきます。
そしてその自治体の規模がどのように測られているかについては、次回の決算カードから読み解く回にて少し掘り下げたいと思いますが、人口や面積、道路の長さ、生活保護受給者の数、高齢者数など様々な要因によって算出されます。
物理的な自治体の規模、そして人的な意味での自治体の規模が計られるわけですが、人口が自治体規模に対して果たす役割はとても大きいので、人口は自治体経営の基本を考える上で非常に重要ということです。
人口が増えても税収が増えないケース
ただし、いくら人口が多くなったとしても、その多くが非課税世帯だった場合はどうでしょうか?
税収は増えないばかりかその方々をサポートするための扶助費が増大します。
つまり財政を圧迫しかねないわけです。
ただ人口が増えればいいわけではないということに注意が必要です。
税収にならない人口が増えることは逆に歳出増に繋がることを頭に入れておいてください。
まとめ
・人口減少の影響でR7年度をピークに歳入・歳出も減少していく見通しである
・5年で2万人の人口が減っていく予測である
次回は「歳入の内訳」と「決算カード」について説明します✨