BGA由来のカメラワーク(備忘録)兼 BXP midnight city warfareの編集後記
前書き
この記事は自分がいつか見返せるよう今の感覚をメモする目的で、良ければ自分の動画が好きでいてくれる人に書いたものです。
普段こんなに考えているわけでもないですが、頑張って書きました。
自分は界隈的に見てもかなりコアな動画群を見て育った背景もあり異常な趣味嗜好をしています。
世間一般で見られているような動画、自分からすると整然な作品群を見て育った人には共感しにくいと思います。
また、自分は映像に関して何かのプロでもなんでもなく趣味でやっているだけなので鵜呑みは厳禁です。
BXP midnight city warfareの反省・感想
↑合作本編です 見てね
自パートです(2パートあるうちの1パート)
※限定公開で単品載せてます
現時点で自分の中で速さと気持ちよさに振り切ったカメラワークで一番自信があるので備忘録として書きます。
ほぼほぼ自分の中で理想の映像です。
midnight city warfare(※以下mcw)では自分の思い描いていたことができたと思っています。
一方で何故、mcwが理想として自分が現状満足できているのか整理したくなりました。
一旦、自分のルーツ・源流から整理することにします。
自分のルーツ
ただの弐寺(Beatmania iidx)とBMSを一生やってた音ゲーキッズでした。
最後の段位はA2皆伝発狂十段。正直やりすぎてます。
こんなにゲームをプレイしたら絶対隣にあるBGA(Back Ground Animationの略)、好きになるに決まっていますね。
つまりそういうことです。
いまだにこれ横で流れてたら最高だなーみたいなのを考えることがあります。もう正面でしか見ることないのになあ。
01:30~ 特に好き
01:41辺りの縦に伸びるカメラワークが凄く気持ちがいい
01:30以降の曲のラスサビで場面がバリバリ変わるのが凄くいい
サビ周辺 部品と音の使い方にすごくテンションが上がる
01:28のエンジン音とタコメーターが連動するのが最高過ぎ
全部好き 楽曲の雰囲気をバッキバキに表現しててマジで最高
絶大な熱量を感じる
フラットな色使いもHi-techにはこれだぜ!って感じ
全部好き 3Dとかカメラというカメラはないけど、ラスサビの疾走感と解放感が最高
曲を通して聴いたときの02:50からのウオー感が好き
なんとなく全部好き
なんとなく全部好き
走っててなんか気持ちいいから好き
なんか全体的に動いてて好き
サビとラスサビ 最高過ぎ
カメラじゃないけどチカチカ変わるのが好き
00:26辺りのビロビロ音がする辺りがすき
01:05辺りのパーティクルが広がる辺りがすき
BGAじゃないけど頭文字DはやってることがBGAになり得るので入れました
BGAの何が好きか
・気持ちいいなーってなるとこ
・横目でこれが動くと気持ちいいなーってなるとこ
・別に見なくてもいい事
・最後に雰囲気、フレーバーとして残ること
・ジャケットがない世界なので映像が曲としての記憶になること
※一方でBGI(Back Ground Imageの略)もありますがこれも好きです。
自分の好きな映像見てたらカメラワークというより音声同期による映像のアタックの強さが好きなんじゃないかに至った
実は映像の展開について場面転換のアタックが強けりゃ気持ちいいんだなという話が見えてきた気がする。
アタックの強い音声同期という概念・見方が生まれました。
これはこれで、とりあえずアタックの強い場面転換という形で割り切って新しいアプローチ手段が増えた気がします。
対して自分が多く主観を置く猛烈な速度のカメラワークは場面転換が強力なのでカメラワークが好きみたいな話がありそう。
それぞれ共通しているのがとりあえず音声同期で色味とか何かが大きく変化する事なので、カメラを動かしたら手っ取り早くそうなるから好きというオチが見えてきました。
前提:音声同期で生まれる価値を考える
ここでは単に言われる「音声同期」の意味について自分の考え・捉え方を踏まえ、掘り下げて考えます。超重要です。
自分が思う音声同期に対する思考・姿勢
「その音自体のポテンシャルが最大になる映像との同期を前提に構成するもの」と考えます。
その場合、構図は上記を満たす上での結果論みたいなものと考えます。
音声で表現されたそのもの、音声そのものを描画したいと思っています。
言ってしまえば音声至上主義になります。
音声が一番かっこいいんだから音声を投影することこそ正義とします。
その音声じゃないと成立しないものを目指します。
音声を投影した結果をかっこよく盛るという行為が自分の映像制作の工程になります。
具体的な例だと、mcwの音声でGPサーキットライダーのバイクの音がするからバイクを登場させてバイクのカッコいいシーンを音声と歩幅を合わせて作る…という流れです。
上記の流れを自分は音声同期としています。
本当に有難いことに、自分は合作とかで超かっこいい音声を頂くことが多いので惜しみなくポテンシャルを発揮させたいし、表現したいと思うので常にこう思っています。
バッキバキな音を自分で言えちゃう程敬愛しているからこういった思考だし、そんなサウンドメイクができる人間を自分の視点では誇張抜きで神と同じポジションとなります。創造神です。
有り余るバキバキ賛美の精神だけで自分は動いていると思う。
自分はこの「音声同期」という部分をかなりモチベにしているし、最も時間をかけたいところです。
この部分を怠るのが如何なる状況下でも許せません。
ここに必ず芸があってほしいと思っています。
ここに芸があると自分のセンサーがバリバリに動く感覚がありますし、
逆にモチベがなくなるとここが疎かになるし楽しくないし、時間がなければ注力することができなくなります。
そんなのするくらいなら合作なら辞退させてくれとか色々、ここのミソが見えなかったら動画を作らないまでになります。自分の動機にも関わるところです。
ここでの音声同期について、これは理解しようとし続けなきゃいけなくて、理解という達成がないものだと思っています。
分かった気に絶対なっちゃいけない、一生磨くもの。地力と捉えます。
そもそもBGAは名の通りBack Ground Animationなので、即ち背景としての映像、音声が主役である上での映像を制作したいです。
なので映像(見た目・ルック)が主役の作品群とは全く考え方が別の話になります。
1.ルック・色調・何を映すか
ルックも音声同期と考える
ルックを確定させるのも音声同期だと思っています。
音声・楽曲には必ず雰囲気があると思うので、実は一番最初の音声同期がルックの確定と考えます。
曲のジャンルやテーマに合わせて、ハイテックならパキっとしたスマートなかっこいい空間だったり、ハッピーハードコアなら色がはっきりした綺麗な色彩だったり、テクノならシブくて白とか黒とかはっきりしていて、エッジの効いた世界観だったり…などなど
音声同期という言葉だと一見時間軸で短い間のモノを指すものに感じますが、世界観の音声同期もあると考えています。それが自分の中でのルックの確定までの流れです。
カッコいい(様になる)絵造りって何
上記の音声同期(※自分が思う音声同期に対する思考・姿勢)を含めた絵造りの巧さがミソだと思いますが、自分もこれは磨かねばならんものだし動画を作るうえでは一生足りないものと思っています、地力的なものかな、と思います。
どういった絵造りになるか、という辺りは本人の美学・作風がモノを言うと思うし、作者のセンスが問われる部分だと思います。
GPサーキットライダーのエンジン音を聞いて、遠目からのカットを思い浮かべる人もいれば、ライダーの背面からとか、僕みたいにホイールから入ってグイっとライダーのバストアップをする人がいるかもしれない。
僕は車とかバイクはホイールがガリガリ動いてる躍動感・圧迫感・緊迫感が好きなので速度と連動する概念を持つホイールからのカットをよく作ってしまいがちですが、それがかっこいいと思っているのでいいと思っています。美学とか作風はそういうもんだと思います。
この辺は小手先の技量でコンポジットだとか奥行きだとかグローの炊き具合だとかエディットの巧さとか、一番テクで盛れるところだと思います。
トータルで一番表面的に見えるところだと思っていて、この辺をどこかで見たことがあるような構図そのものだったり、あるあるのこれやっときゃかっこいいよねみたいなテンプレの押し付けとか、ヌルく扱われると自分が大事にしているものが根本的にない映像になるので、焼き肉屋で肉が出ないレベルでおかしなことになります。
2.音のアタックと映像のアタックの対応
この章では、主に音声同期とカメラワークの考え方の話をします。
強い音声同期って何
・展開の速さ、多さ
・瞬間の情報量
・色の多さ、彩度の強さ
・強い明滅
・その音自体のポテンシャルが最大になる音同期(最も相応しい使い方)
↑これは絵造りにもかかわるので少し違うかも。
そもそも今自分が思い描いている音声同期にフォーカスを当てて整理する必要が出てきたかもしれません。
アタックの強い音声同期って何
音に対する
・劇的な切り替わりの速さ
・刺激的な色味の急変
一旦このようなもの
強い音声同期とカッコいい絵造りがあると自分が理想とする映像になるのでは?
強い音声同期+カッコいい絵造り=理想(※ここでの理想はmcwとします)
上記を答えにする前にまだ何かを乗せられる気がしています。
自分のルーツとか、好きな映像から何か抽出できないかという話で、どれも共通しているのがキャラクターや乗り物が走っていたりとか、疾走感とか解放感(経験則からくる気持ちよさ?)があるように思います。なので、
強い音声同期+カッコいい絵造り+経験的な気持ちよさ(疾走感等)=理想
現在自分はそう思っています、読み返した時はどう思うかわからないけど
つまり実際に手を動かすときには、アタックの強い音声同期を考えながらかっこいい絵造りをしてこんなことをしてたら気持ちいいだろうなあみたいな思考で作ればいいことがわかりました。が、これはいつも考えちゃっていることだったので一歩進んで一歩戻った感じがあります。困った。
じゃあ、この式を一旦正解とするとして、それぞれの言葉の火力を最大限に引き出すために掘り下げたいと思います。
式の中で強い音声同期・絵造りについて主に触れてきましたが、
ここからは疾走感の側面も含めた音声同期・絵造りについて、自分が好きでよく使う手段のカメラワークに基づいて考えます。
カメラワークって何
先ずは視聴者が体感できるそのもの全ての原点になっていると考えます。
ド基礎のド基礎で忘れがちなものではありますが、物凄く大事だと思います。
自分としてカメラワークの制作時の価値観は、歩き方や呼吸のようなもので、一々考えないものです。
ただ、カメラワークが良くないと諸々動画に秘められているポテンシャルが崩壊すると自分は思っています。
歩き方や呼吸も悪いと身体に結構なダメージが入るのと同じかなと思います。
カメラワークの種類について
自分はカメラワークを大きく二種に分類します。
「情緒性のカメラワーク」と「ノリとバイブスのカメラワーク」です。
(以降、前者を「情緒感」、後者を「ドライブ感」などと言います。表記揺れ多めです)
この時点で自分が作風として身を置くのは後者と明らかですが、
カメラワークに限らず情緒性とドライブ感の使い分けと配分率が非常に重要になっていると最近思っているのでちょっと掘り下げて書きます。
自分の今の考えでは、言うなれば情緒性とドライブ感は10までの振り分けが可能でそれぞれの割合で完成するものと考えています。
言ってしまえば必ずどちらかに振るので犠牲がつきものという考えでもあります。
(両立はものすごく難しいと思うし、自分には想像がつかないのでこの辺に関しては断言口調で行きます)
情緒性についてですが、どういった映像に仕上げるときに必要なものかというと、「キャラクター性・歌詞・作品性」などが味付けになる作品に程必要と考えます。
自分は主に、
ドライブ:情緒 = 8.5~10.0:1.5~0.0、みたいなもので構成しますが、
自分とは真逆に情緒性に振り切った割合が逆方向の作品も存在します。
(というかそれが一般的な映像と捉えています。)
百聞は一見に如かずだと思うので情緒性に振ったカメラの映像を貼ります。
ソワレは人に教えて貰いました、なんかすごい気がするんだよなーと思って自分に投げて頂いたそうなのですが、情緒性のあるカメラが凄いという話をしたらすごく腑に落ちたようでいらっしゃいました。
星天淘汰は初見時ビリビリ来るくらいにはやべえって思ってこれだけで章分けしようと思ったんですが、結構内容逸れたので割愛しました。凄いです。
ソワレの情緒性のあるカメラが凄い←分解すると
・キャラクターが綺麗に(魅せるよう)映っている
・常にセンターにキャラクターを捉えている上で、表情や振舞を映している
・煌びやかに、美しく映すようにカメラがずっと動いている
・曲調の展開に合わせた最大の音同期でいて綺麗
トータルで箇条書きしたものは全て「キャラクター性・歌詞・作品性」に帰結すると思います。
カメラが距離的には大振り(多少のドライブ感)だったりするけど、サビや盛り上がりに合わせた音同期をしているので、強い音声同期である、「その音が持つポテンシャルを引き出す」という部分をガッチリされている印象で、情緒性に富んだ構成もあり、見ていて心地の良いカメラの仕上がりが多いなと感じました。
カメラの配分率が
情緒:ドライブ = 8.5~10.0:1.5~0.0の比率の仕上がりの業であると捉えます。
情緒性が必要なもの、音MADが基本これだと考えます。
素材によりけりですがタレント・既存のキャラクター・アニメーション作品などの何らかの文脈を引用する以上、音MADが一番情緒性が必要で、そのキャラクターが何をしているか、何の楽曲のかけ合わせで実現されるか、台詞合わせにどういった味付けをするかが重要と考えます。
個人的な感覚で、
ドライブ感は、クラブに行ったときの気分
情緒感は、映画を見終わった時の気分
の仕上がりになるといいのかなと思います。
編集技法としてのカメラワーク2種
動画において編集するカメラワークと作成するカメラワークの二種が存在すると思っています。
端的に言うとエディット(編集・捏造)とクリエイト(制作)に当たると思います。(捏造は良い意味で取り上げています)
後に例としてウマ娘冠奏曲を上げさせて頂きます。
※基本的に合作についての言及でなく、パート単位の言及になります。
編集するカメラワークというのは、すでにある映像を切りつないだ結果生まれるものと考えます。
自分は後者側の選択をよくします。ルーツ的にも、扱うソフト的にも3Dソフトだったり、自分はそういった映像を見慣れている等々…
一方で前者側というのは非常に音MADに近い話で、第三者が既存の映像を編集する前提の話に近いものです。
直近で編集・捏造するカメラが凄すぎる映像で個人的に1パート目があります。
全部元々つながってない映像なのに繋がりが凄く綺麗で驚きました。セリフ合わせ(音声)の文脈と映像の動機、意味合いのある台詞における音声同期の巧みさが凄い。全体を通してカメラを練り上げているのが凄いなー。
ここでの音声同期(自分が前提とする意味)も素晴らしいと思います。
自分にはできない芸当です。
疾走感を捏造しているの、本当に凄い。
一方で、作成するカメラワークとして同じ合作2パート目で自分のパートがあります。自分のカメラなので、情緒性と対をなすドライブ感を引き上げたものになっていると思います。
個人的に今思うとよくできたなと思う部分がある反面、少し悔いが残る映像にもなっています。
単品はこちら。(あまりにも説明しやすすぎる構成ですごい)
同じ合作内で1パート目から2パート目で急にカメラワークの質・情緒とドライブ感の配合量が一気に変わります。
1パート目はウマ娘それぞれの信念などを感じさせる映像に対して、2パート目はいきなりのギャル4人衆でブチ上げるみたいな構成です。
ブチアゲる→つまりドライブ感の配分が重要になります。
とはいえ、ウマ娘の合作なのでキャラクターを魅せなくてはなりません。
キャラを魅せる→つまり情緒性が求められます。
ディレクションでも運営側から「ウマ娘4人でぶち上げる爆裂的なものをお願いします」といわれていたので、要は「キャラがかわいくてドライブ感がすごい」みたいな映像を目指さねばなりません。
でも、振り分けって10までしかできないぞ…という感覚です。
音声も4人のギャルのそれぞれの良さが非常に引きたてられている音声で、それぞれの良さを全面的に魅せるような構成になっています。
個人的には、音声の情緒性が8でドライブ感が2くらいに感じました。
しかし仕上がりとして増しのドライブ感もあり、流石だな…と思いました。
とはいえ映像を付けなければなりません。情緒性が大事なのは分かっていますが、今までドライブ感に8-9は振り切っていた映像を作ってきた自分は配分率に悩む上に、どうやったらより情緒か?に悩みます。
ただ単にウマ娘でドライブ感を引き上げるとどうなるか、例えばの話
mcwのようなブラーなんて使ったらヘリオスの顔がぐちゃぐちゃになってしまう、そんなことBXPでしかやっちゃいけませんね
どちらかを引き上げればどちらかが失われてしまうものと思っているので、うだうだわからねーといいながら苦しんで出してしまった映像が実はこちら
自分のエッジを出せてない感じがすごい。
後にこれはモニターの映像の一部として再利用されることになりました。
というかこの合作の参加者、
全員エッジ尖ってて凄すぎる。うわーってなりました。
何もできてないの僕だけじゃん!
うわ~~~~~~~~~~~~~~~~~
心機一転して投稿日残り5日で作り直すことを決心しました。
キャラクターと、キャラクターの個性を自分なりのカメラワークに落とし込むことができれば情緒的且つドライブ感のあるカメラになるのではないかと直感し、あのような映像になった経緯があります。
自分のカメラにしてはこれでもキャラクターにかなり焦点を当てているし、自分の中では情緒というパラメータを可能な限り引き上げた映像になっています。
映像の出来は一旦置いておいて、多々勉強になりました。
配合率で言ったらドライブ6:情緒4で、雰囲気で情緒とドライブ増してないかなあ~なんて思って足ります。そうだったら嬉しいな。いかがでしたでしょうか。
やれることはやったし、そこは満足しています。
まあ十分なところはあるんだけど、作った自分からするとうーん、やっぱりもっといろいろ直せるところがあったな…と思います。
超簡単に要約すると、
カメラワークには「情緒感」「ドライブ感」の二種があって、その上でカメラワークの作り方は「編集・捏造」と「制作」があると思っている。
という話でした。
3.単カットのカメラワークの良さ
普段カメラワークを作る際に意識していること
あまりこうして考えたことはないけど、普段はカメラワークによる音声同期をする中で
・音の始点(インの画角)
・中間(一番体感フレームが長い・魅せたい・キメ)の画角
・終点の画角(アウトの画角)
の3要素をこんなんだったらかっこいいな、こんな絵造りだったらかっこいいなと思って作っている気がします。
自分は作風的にかなり短いワンカットを作ることが多いです。
10F-20F(30fps)くらいが一番多いです。
基本的には長めにトータル30Fの感覚で、
10(イン)・15(中間)・10(アウト)(中間での重複あり)
みたいな感覚で区分けしています。ケースバイケースですが…
20F(短めの例)と80F(長め)の例のリストです(掲示は80Fのみ)
カット割りとしてカメラのインアウトの設定する思考は
「スピードの表現・流れ・勢い」を方向性としてまとめつつ画面への描画を目的として存在します。
俗にいうと「迫力の演出」と「中間の画角の装飾」を目的にします。
態々言語化すると「インアウトが長いから、距離的にぶっ飛ぶ感じのスピードで中間のGPサーキットライダーの演出ができる」とか、「アウトまでのスピードが高いからインカメラの角度は深い方がいいな」みたいなことを考えながらやっていると思います。
あくまで目的は中間の謂わばキメのフレームに「スピード・勢い」という装飾をすることで、最初と最後のフレームは何も描画されていないとかブラーがエグすぎて見えない、みたいなのがザラです。基本的には中間しかかっこいいところがないように作られています。
長々と書きましたが、正直こんなことは一々考えていません、もし考えていると疲れると思う。初めてここまで言語化しました。
かなり最初にカメラワークは呼吸みたいなものと比喩しましたが、その通りで考えると大変だと思います。呼吸を整えられるといいですね。
4.カットの組み合わせによる疾走感
疾走感って何(経験的な気持ちよさ)
自分は疾走感を意識します。後述しますがスピードとは微妙に違う話です。ここでの疾走感はスピードの演出手法みたいな話です。
疾走感はカット割りによってかなり左右されるものと考えています。
向きがあるからです。右向きならなるべき右右右、とか連打すると基本的に加速していく感覚が個人的にはあります。
mcwの最初は回転するようなカットが連続します。00:05-00:08のメリケンからGPサーキットライダーの流れは、右から左にスコーンと飛んでいくようなカメラを作成した流れで連続的に左流れのカットを並べています。
とはいえケースバイケースな話ではあります。
単に方向だけの話ではなくエネルギーの持続性というか、勢いを殺さないようなカットづくりが大事だと思います。
エネルギーの持続性についてですが、自分は動画内の慣性(のようなもの)を意識することがあります。
これについては意識づけが大事なのかなと思いました。方向連打による加速感で、Gがこれくらいはかかっている、という感覚があるのかもしれません。
慣性・慣性の解放による動きは概念として気持ちいいのが多く、車のドリフト(主に頭文字D)、勢いを付けたジャンプで一瞬グワっと止まるような瞬間、等々…
疾走感の中での慣性は特にテンションが上がる存在に感じています。常軌を逸した勢いでこそ為せる業そのものなので、ドリフトなどの行為自体が疾走感の裏付けなのかもしれません。
トータルして、ここでの疾走感というものはコンポジットして10秒くらいやっとまとめたときに、雰囲気に応じてブワっと味が出てくるものだと思います。
要は雰囲気として扱っています。
スピードって何
疾走感とは違う話ですべてにおいてスピードがあります。
始めに言うと、ノリを生み出す概念と捉えます。
人間単位で生きていたら完全な停止はないし、生きているだけで時間というスピードが流れています。
そういった粒度でスピードという概念があります。
その上で音声を扱わせていただいて映像を制作させてもらう以上、色々な概念でスピードが必要だと思っています。
自分の担当する映像の範囲はBGAというジャンルに近いし、そのものだったりします。
映像としてとにかく「ギアをあげろ!」みたいなスピード思考・脳汁思考が元来DJミュージックという側面もあり、基本的に必要とされると考えます。
また一方で、楽曲にもBPMという曲の速さがあります。
雑にハッピーハードコア、ハイテック、テクノ等、全部適切な速さが違います。
自分のカメラワークはスピードそのものを表現しているので、言ってしまえばスピードそのものと思っています。カメラをスピードとして変換している感覚に近く、謂わば変換されたスピード(元カメラ)を使って楽曲の速度、バイブスの表現をしたいと思っています。
単純な話、テンションを上げたいのに失速すると萎えてしまいます。
よほど変な曲でない限り楽曲単位でスピードは失速しないので、楽曲・音声に重きを置く構成な以上、映像で音声の勢いを殺したら終わりだと思っています。(テクを使う前提での変速は例外とします)
映像・音声共に時間(尺)というスピードと、音声にはBPMというスピードが存在していて、音声が映像を構成するという考えの自分にとって、音声が走り切る以上、大前提として映像で失速させず、なんなら加速をさせて走り切らねば話になりません。
映像が持つスピードの持ち味というのは、テンションを具体的な要素で上げることができる、スピードそのものの表現ができることだと考えます。
とりあえずカメラのインアウトが速い、何かのマシンがサビに向かってガリガリと動く、タコメーターが限界速度目指してグッと上がっていく、リミッターが崩壊・解除する様子など、緊迫・緊急的な描写をするなどです。
これらは、もし音がなくても視覚的に見たら緊急的です。
その上で、ヤバい時はヤバい音がしないと変です。
本能的な話で危険察知能力として耳があるはずです。
ヤバイ時にはヤバイ音がないと変です。
小5みたいな文章だけどこの感覚は凄く大事だと思います。
なので、逆に音がなかったら少し変な映像を作れるといいと思っています。
音を消したら「音が抜けているぞ」と分かる映像を自分は美学とします。
音があるから説得される、音があるから初めて形になって、尚且つ相乗効果が生まれることを大事にします。
音がなくても成立するような映像は、そもそも自分の目指す「BGA(Back Ground Animation)」という言葉からは逸れたものと捉えています。
背景的な映像って翻訳が大好きです。
これは音声を主役と考える僕の思想そのものだからです。
少し逸れましたが、音があるからこそ相乗効果でドライブ感が増し、その楽曲ならではの疾走感・味が出てくると考えます。
映像の音声同期の土台をガッチリ組み上げることで楽曲の体感BPMは20-40くらいまで上げられると思っているし、更に楽曲の持つポテンシャルが発揮できると感じています。
音声同期と絵造り(カメラワーク)とかについて色々書いたけど…
正直運ゲー要素が高いと思っています!噛み合いだと思っています。
散々講釈を垂れましたが、こう思っています。
ポケモンのじわれ、サイコロ転がして数字の6が何回出たかと同じ。
ただ、できる限り運ゲーにしない為に地力つけよう、とは思います。
運ゲーと運ゲーに抗う方法
さっき運ゲーって言ったけど、何が運ゲーだと思うの、という話です。
・音声担当、映像担当のお互いのイズムのかみ合い
・楽曲に対して超かっこいい落とし込みが自分から出るかのかみ合い
・編集ソフト弄った結果自分のエディットとかみ合い
・動画を見た側がどうレシーブしたかのかみ合い
他にもだいたい運ゲーと捉えます、麻雀と同じで噛み合いに噛み合ったらエグい点数が出ると思います。
作るの好きな人ならわかると思います、なんかうまくいった、いかなかった、とか。
ちなみに、自分の携わった動画だとAssault TAXIは国士無双になります。
運ゲーにある程度抗う方法が、
絵造り含めた音声同期の巧さ(=地力)だと思っています。
地力アップは命中率アップ
当たるときがあれば、当たらないときもある地割れは対面だと必中だしストーンエッジは絶対に当たらない技
結局BXPでやったことってなんだったんだろう?(まとめ)
これまでかなり長々と書いてしまいました。
簡潔に結論だけ書くと、mcwは今までの記事で大事と考えたもの全てを踏まえていたと思います。
BXPでは自パート2つとも、どちらも鳴ってる音を全てカメラワークの音同期で基本的に取るみたいなことをしています。
結果的に、自分の考える強い音声同期を以下の手法で実行できていると考えます。
・ルックとしての音声同期ができた
・カメラワークを利用したアタックの強い音声同期ができた
・カメラワークを利用した疾走感の演出ができた
・運ゲーに勝利した
最大限にこれらを引き出すような造りになっていると考えます。
このmidnight city warfareの場面転換の数は30秒の尺の中で50から60くらいあって、音に対して必ずアタックの強い音声同期があるので、強い音声同期があった上で音声同期の密度も目立ち、納得のいった映像に仕上げられているのかなと思います。
mcwでは特に雰囲気として、「バトル×疾走感×ギラつき」を意識しています。
テーマとしてもかっこいいにエッジが尖る方向性だったり楽曲だった為、より一層磨きがかかったように思います。
何より原曲が最高過ぎるんだよなー、その上音声が流石です。
僕の映像は音を修飾しているだけなので、そもそもの音がかっこいいとやっぱり映えるなーと思いました。
ありがとうございました。
mcwで自分が気に入っている音同期
単に、自分が気に入ってる音声同期を貼ります。
以下自画自賛の反省です。
この動画、暗い中で見ると部屋が虹色になるので面白いです。
これは狙ってなくて本当にハコみたいになってびっくりしています。
後スマホで全画面にして白い紙の上で再生しても以上に虹色になります。
ヒマだったらやってみるといいですよ。
以上如何でしたでしょうか。
長々書いたけど、自分の思考を言語化すると約13000文字くらいになるんだなー
大きくは自分のメモ用なんですが、ここまでしっかり読んでいただけた方はありがとうございます。
考え方が面白いなーくらいに思ってくれると嬉しいです。
いらっしゃらないとは思いますが、自分のカメラの作り方だけを真似しても記事に書いた思考がないとチグハグな仕上がりになってしまう気がするので変な映像になっちゃうかも?と思います。
手法として参考にしたい方はご注意ください、注意してくれると、嬉しいなー。
僕と契約して、バキバキ崇拝になってよ。
実はこの記事は色んな方に見てもらって推敲を進めました。
本当にご協力ありがとうございました。
読み返した時の自分は書いたときの自分のイズムを忘れないでほしいなー
前提の音声同期の魂だけはずっとあってほしい。
以上、今の鮭醤油くんの考えと編集後記でした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?