"わかってほしい、でも見透かされたくない"中高生のことばはおとなへのステップ
わかってほしい、でも見透かされたくない
は、個性を創る中学生以降、子どもから大人に成長するモラトリアム世代の共通言語。
こんにちはフクシンです。
モラトリアムって言葉、皆さん知ってますか
アメリカの発達心理学者のエリクソンが言った言葉ですけど、20歳位の時って将来を決めるために個性 いわゆるアイデンティティをどう作っていくかって言うのを試行錯誤しながら進めていきます
この試行錯誤の期間を猶予期間という意味の”モラトリアム”といいます
仕事=個性とは限らないのですが、仕事が人生の中で多くの時間を費やすのは確かなことです。悩むものですよね
将来なんになるかなんて、すぐに決まるような人はなかなかいないかもしれませんよね
大人になったら何になりたいかと聞かれたら、みなさんどう答えますか?
パイロット、医者、Jリーガー、YouTuber?以前の動画では公務員という声も多いようです。
でもなぜ、職業なんでしょうね。ぼくは、中高生のころ、とにかく有名になりたい!自分の存在感を示したい!そんな感じで、仕事や手段は2の次でした。有名になるには、タレント?ダンサー?どの職業に就くかは、有名になりたいがいつも先にありました。
でも、こんなことを中高生の頃口走ってしまうと、子どもっぽいって周りで思われる。親にも聞いてもらえない。そんなことを思っていて、なかなか言い出せませんでした。
そう、この年代は、他からどんなふうにみられるか、めちゃめちゃ気にする年代です。
心理学者 榎本 博明さんの著書 「さみしさ」の力 孤独と自立の心理学を読みました。
この本は、こどもが成長して自立するまでの微妙な年代の心理や、この世代が求めるもの、そして今の世代がどんな心理で過ごしているのか、わかりやすく書かれています。
今日は、この本に書かれていることのほか、ぼくが感じた実体験、ダンスなど表現活動をしていくうえで、モラトリアム真っ只中のみんなに大切なことを伝えます。
それは、
わかってほしい、でも見透かされたくない
今、みんなが抱いているやるせない気持ちは、大人になっても忘れないでほしい
そのことを3つのポイントでお話しします。
わかってほしい、でも見透かされたくない
中学生になると、小学校のときには親に依存していたところから、自分と向き合いアイデンティティを創りはじめる大事な時期。親に守られていた世界から一歩踏み出し、自分と向き合い、いろんな不安や孤独に向きあう。ひとからどう見られているかを非常に気にする。
不安だから、孤独が怖い。だから、誰かとつながっていたい。そんな年代で、コミュニティが命と感じている世代です。
自分開示できる人間は、親から親友に変わり、でも書かれていたこのキーワードはすごく当時も僕が感じていたことでした。
わかってほしい。でも見透かされたくない。
だから、誰かとつながっていても、友達がたくさんいても、いなくても、いつも自分しか知らない孤独をどこかに抱えながら自分に向き合っています。
仲間とつながっていたり、SNSでつながっていたりすることは、こうした自分に向き合うことを紛らわしてくれますが、これを失うと、たちまち孤独にさらされ、自分に向き合うことから逃げられなくなる。だからつながりがすべてと感じています。でもつながっていても、
わかってほしい。でも見透かされたくない。
という気持ちは抱き続ける
満たされることはありません
さみしさが足りない
以前、動画で、テスラのイーロンマスクがいう「ぼくたちは仮想現実の中に生きている」というシミュレーション仮説をご紹介しました。ぼくは、これを、自分そっくりのアバターを自分の無意識が操作しているイメージでお伝えしています。
皆さんは、こんなこと感じてませんか?やりたいこと、あるんだけど、なんかうまく伝えられない。
僕は、この年齢になって今でも時々思うことがあります。やりたいこと、うまく人に伝えられない。言葉にすると、なんかイメージとは違って、安っぽく伝わってしまうのがいやだ。
僕は、もう大人になっているから、一人でやっていくこともできます。やる方法もある程度知っているつもりですし、また方法を知らなかった場合も人に伝えて協力してもらう術を知っています。
この本では、中高生からモラトリアムの世代までがこう感じていることを紹介してます。
他人が知っている自分は肉体だけで、人は心と心で他人と関係を結べない。言葉や身振りなど、人から人への伝達は、すべて肉体を通さなくては行うことができない。
みなさんも、何も言葉にしなくても、気持ちをわかってほしい、察してほしい、う思う経験ありますよね?
今は恋愛経験のない若者が昔よりも多いと言われています。恋愛は究極には二人の人間が一つになる、孤独を究極に解消できる一体化の幻想だとこの本には記されています。
でも、今は「恋愛する必要性を感じない」という声も。さみしいからこそ、人と深くつながりたいと動くはずですが、さみしさが足りないのでは、とこの本で書かれています。
親離れ・子離れができず自立できていない、親は自立に向けて突き放すことも必要。親子はもとは一体でしたが、いまでは別々の個体です。一体感の幻想というのが、ことばで伝えなくてもわかるはず。わかってほしいという甘えを親も子も互いに持ってしまう最近です。
また、SNSという逃げ場もあり、ゆるーく浅くつながっていることで、自意識を麻痺させていることも言われています。
つまり、自立するためにはある程度の寂しさ、やるせなさは必要で、それが足りてないんじゃないか。そう書かれています。
だから、この
わかってほしい。でも見透かされたくない。というやるせない気持ちは、自立する上では、自分自身と向きあう上では大事です。いや、こう思っている君は、自分と向き合っているということです。
一人でいられる力を育む
自己主張を軸に対人関係を結ぶ欧米人とは違い、ぼくたち日本人は相手の期待に応えたい、期待を裏切りたくないという思いを軸に対人関係を結びます。同時に相手もこちらの期待を裏切らないはずといった期待をする。こうした甘えの心理が人と人を結びます。
この期待が裏切られると、落胆し、攻撃的な気持ちがわいてきて すねる ひがむ ひねくれる 恨むといった心理が生じ被害者意識が含まれてきます
でも、結局他の人の心の中を相手が期待するほどくみ取るのは不可能です。カウンセリング、いわゆる相談では傾聴に徹して、どんなに悩んでる相談者もどこかに答えを持ってるはず、カウンセラーが相談者が言ってることを伝え返しするのは、こうした自己に向き合わせ、持っている答えに向き合わせることをしています。
自分の心の声は、一人にならないと聞こえてこない。さっきのシミュレーション仮説を前提にすると、アバターを操作する本当の自分の声をアバターが理解すること。これは一人になることではじめて聞こえてきます。
仲間と一緒にいても、気は紛れるけど、本当の気持ちには触れられない。
わかってほしい。でも見透かされたくない。
この世代の誰もが語ると思うこの言葉は、一生持っていける宝物なんだと思います。
満たされない気持ち、なにかもやもやする気持ちを抱えて暮らすのはハッピーではないという考え方もありますが、そのやるせなさを、解決する。逃げる。ごまかす。すべてOKです。あとあとになると、そのとき、持っていた気持ちのひとつひとつがあなたの宝物になります。
今の気持ち、経験、めっちゃ大事にしてください。
さみしい気持ちも、やるせない気持ちも、いまはつらいかもしれない。でも、大人になるための大事なステップ。
親は、子どもに干渉せず我慢です。でも、どこかで見守ることも大切です。その距離感って大事。よく、親は口を出さずに金を出せと言われていますが、それかなと思います。でも今教育費って大変ですよね。
だから、行政はそんな、こどもへのケア、親も難しくなっているので、サポートできるような支援とかが、求められるんだと思います。
こどもが生まれてから大学生を卒業するとしたら、公立学校で1人2千万円私立学校なら4千万円かかるといわれています。
僕の場合も、大人になるまでに、モラトリアムでどれぐらいのお金がかかってるかと言うのを試算してみたいと思います
まとめ
今回、この本を読んで、子どもたちがダンスとか表現活動を始めるわけ、それは、
わかってほしい。でも見透かされたくない。
っていう叫びみたいなものだと改めて思いました。
かつて、僕もそうだったように、何かを伝えたい。深い僕の想いを伝えたい。全世界に。だから、有名になりたいし、ぼくという存在があることをアピールしたい。だから人からの見られ方がめっちゃ気になる。
その方法としてぼくの場合は、ダンスを始めたし、音楽を創ったし、映像を創った。あれから、長い時間が経っても同じ思いって抱えていて、今では、それをYouTubeとかSNSで伝えたり、タップレッスンで伝えたりしている。
だからこそ、僕のタップはエモーショナルなものに
したい
当時と違うのは、自分一人じゃ何もできなくて、でも自分一人から始めないとなにも始まらない。そのことをいろんな経験で知りました。
だから、思いを伝えられる方法を身につける。
そんなことを今でも思っています。
もしかしたら、
わかってほしい。でも見透かされたくない。
はぼくにとっても、永遠のテーマかもしれません。