Z世代が望む地方公務員のリアル
自分らしくいられるのは公務員の特権かも・・・
僕は学生の頃、ダンスを始めて、プロになろうと思ってました。
でも、はじめるのが遅くて、大学を卒業するまでにそれほどレベルが上がりませんでした。だから、仕事をしながら、ダンスのレベルを上げていき、早々に仕事を辞めてプロになること。
これを本気で考えてました。
結果、今、ダンスはプロではありませんが、自分のフィールドを持つことができました。そうダンス以外はどうでもよかった。そんな時期もあり、仕事はお金をいただくためにしていること。そう割り切っていました。
地方自治体には、色んな部署があります。
窓口、ケースワーカー、福祉関係の部署、環境、ごみ行政、消防、警察、学校教育、保育所、ほんと様々な部署があります。
先日、第一生命の『大人になったらなりたいもの』アンケートの結果が発表され、なんと中学生・高校生の男女の2位が公務員という結果という動画をだしました。年末の池上彰さんの番組でも取り上げられてましたね。
今日は、大人になったらなりたいものの公務員のリアルを現役公務員のフクシンがお伝えしたいと思います。
ぜひ、これから公務員を目指そうという皆さんの参考になれば、また、今公務員のみなさんは、あるあるという感じで見ていただけたらと思います。
今日お伝えしたいのは、
せっかく公務員なら、風の時代、自分らしくいられるのは魅力。
このことを4つのポイントでお伝えしたいと思います。
公務員のリアル
皆さん、公務員ってどんなイメージでしょうか。
硬い
古い
残業がない
身分保障されててうらやましい
給料安い
さぼってる
愛想悪い
今はイメージが変わっているかもしれませんね。ぼくらが学生のときはそうでした。
マイナビの公務員イメージ調査でも、社会貢献とか地域密着とかいうキーワードでコロナ禍では人気が上がっているようです。
金間大介の著書 「先生、どうか皆の前でほめないで下さい―いい子症候群の若者たち」には
Z世代は、人からの視線を過剰に意識しすぎで、目立つことを嫌がる。
競争を嫌がり、指示通りに動く。徹底的に平均点を狙って、人前で褒められるとどう反応していいかわからない。
特に浮きたくないというのも言われていて、実は、公務員が人気というのもそういうことだそうです。
では、リアルな公務員の姿ってどうでしょうか。
公務員って何に則って仕事しているかご存じですか?
それは法令です。
公務員の存在自体も、地方なら地方公務員法という法律に基づいていて、役所と呼ばれるところのお仕事のほとんどは、何とか法というもの、また地方独自のルール、条例などで決められています。
公務員が硬いとかいうのは、このルールに基づいて仕事しているからであって、ルールから外れると、会社でいう株主、議会からいろんな指摘がされます。また監査とか、会計検査といって国の検査とか、いろんなところから見張られています。
間違ったらすぐにチェックが入る。チェックが入ると評価が下がる。だから公務員の基本には守りがあります。
じゃ、インスタントにルールに則って仕事してるだけでいい?裁量はない?自分で決めなくていい?
よく、規則規則とか聞きますよね。でも、実際にはそんなことだけでは務まらなくて、例えば目の前にいる住民さんは自分が対応する必要があって、ルールのはざまにあることが沢山あります。線引きで微妙なもの、制度的には救うことが正しいもの。判断に苦しむことはたくさんあります。時にはそれが命に関わることも。
だから、責任は重い。
でもそれは一人で背負うわけではなく、チームで判断するので怖がらなくても大丈夫です。
平均点を取って偉くなる必要なんてない。
それもひとつの考え方ですが、それなりのポストに就くと、自分で仕事をコントロールすることができて、責任も増すけど、自分の持つ正しさに正直な仕事をすることができます。
僕の周りでは、そんなにがつがつ上昇志向が高い職員はいませんが、競争はないわけではなく、足の引っ張り合いもまったくないことない。これは多分普通の会社も同じかと思います。
営業ノルマのようなものはありません。安定はしていますけど、例えば無茶な仕事の振り方はあったりする職場もあります。セクションによって全然仕事がほんとに違うので、この辺りは配属先によっていろいろと思います。それと、調整することが仕事の中では主なので、コミュニケーション力がほんと問われます。これがない職員さんと仕事をするときには、ほんと苦労します。
Z世代の持つイメージ、社会貢献と地域密着ですが、社会貢献ですが仕事自体が社会貢献なので、当たり前すぎてこれは実感が薄れてくることがあります。また社会貢献の傍ら、自治体経営も大切で、制度の狭間で苦しむことも中にはケースとしてあると思います。
地域密着もそう。住民の近くでというのはありますが、公平性とかいう観点から一定の距離感というのも大事です。
無難になりがちだけど・・・・
お金は、比較検討して一番安いところに発注する。仕事上ではこれが求められます。発注には、個人的な趣向や興味を入れず、市場から見ても公平な競争を担保したうえで発注をします。
この感覚が、日常生活でも沁みついてて、どうしても価格の安い方へ安い方へと流れていくのは、公務員あるある。いわゆる説明のできる商品選定。
だから、行政の建物一つにしても、チラシ一つにしても、最近は少し変わってきましたが、無難なものが多いと思います。
多様化の時代に、人に伝わるアイテムというのは、いろんなペルソナがいる中で、共通のものは難しくなっています。だから、世代別、ペルソナを想定したより細かい施策を展開することが求められています。
そのため、最近では民間企業とコラボして仕事をすることが結構多いです。
ただ、それを感じている公務員はまだ少数派で、多くは「無難でいい」「これ以上しなくていい」って思う人がまだ大多数だと思います。
でも日常は、自分の好みのもので周りを集めたいですよね。無難なだけでは、人の感情は動かすことができない。するとお金も集まってこないような気がします。
お金のため?
奥平亜美衣さんの著書 その思い込みを捨てた瞬間何かが起こる!「お金引き寄せ」の授業では、お金のためにしている仕事から自分を解放する と書かれています。
そう、ぼくは公務員の仕事はお金のために始めました。やりたいことがあるから、生活するために仕事をした。それだけです。でも、始めると結構自分の立ち位置とか、居場所ができると、だれかの期待に応えたい、誰かのためになれば。公務員という仕事は自分の正義を貫ける。そんな仕事です。持っている職責の中でいかに正しく、うまく立ち回るか。そんな仕事に最初は斜めに見ていたところもありましたが、やりだすと、魅力を感じたりもします。
何より、何が一番のメリットかというと、モラルが育てられる。
多様化の時代に、その目線は貴重です。仕事自体も目線が必要ですし、別途人権研修は、けっこうやってますね。
たまにモラルを疑うニュースも目にしますが、ほとんどは良識ある大人であるはずです。
だからなのかわかりませんが、公務員というだけで信頼感があります。うそをつかないみたいな。
人は信じてもらえると裏切られない。
日本人は、相手の期待に応えたいをベースに人間関係を創ります。だから、信じられると裏切られない。だから、やりがいがでる。そんな感じです。
自分に正直になってみない?
さて、そんな僕が公務員になって、学生さんたちが思っている「役に立ちたい」と思っているかどうかというと、少し違うように思います。
僕のマインドは、いつも、自分のためといっても間違いではないかもしれません。
僕の小さいころからのコンプレックスは、ぼくという存在が学校などでアピールできなかったこと、存在感。だから、いかに世間に僕の名前をアピールできるかってことにずっと着目しています。。
公務員になる前は、公務員って仕事してなくって、だからちょっとがんばったら目立つやん。また、時間通りに追われるから、ダンスの活動も自由にできる。それで食べていけるようになったらやめたらいい。そんなことを思っていました。
仕事始めてからは、最初はほんと事務的な仕事。面白いかといわれると地味で面白くない。でもこの仕事をできるだけ早く終わらせようと思って、効率化やろうとしてましたね。
僕もその部署では10年ぶりの新人で、ほんとみんなに優しくされたんですけど、ぼくは尖ってて、残業しません宣言したり、飲み会はおつきあいしません宣言したり、今考えると扱いにくい新人でした。でも、ほんとみなさんそんな僕を、温かく見守ってくれました。
でも、ぼくに転機が訪れたのは、市民の中に入って市民が自らまちづくりの計画を創る支援をする仕事になったときです。
エンドユーザーの顔が見えると、やはり人って感覚が変わります。
その時は、その仕事を進めることが、市民の幸福度につながるという軸と、自分がそこに何が提供できるか、ほかの人と違った切り口で考えようと思ってました。
そこでも、目立つという目標に、アプローチしていましたね。たぶん今でも同じです。
そこから、庁内全体を動かす仕事やいろんな現場に移ってますが、基本マインドは変わらないかと思います。
よく、元公務員のYouTuberさんがお話されていますが、ぼくは公務員って本当の価値が感じられるのは自分で仕事を動かせるようになってからだと思います。
最初の方に、無難に怒られないようにと言ってましたが、本当に欲しいのは怒られても自分の主張がある人
育てられたモラルをもって、あるべき姿を判断する
その、あるべき姿を制約条件の中でいかに調整できるか。それが価値だと思います。
時には、人と違うこともあり、ぶつかることもあるけど、いろんな意見があって折り合いをつけるのが民主主義、そう、民主主義の仕事なんです
最初は思ったほど暇じゃないし、思ったほど楽じゃないし、人間関係などもいろいろあります。
でも、民主主義を支える仕事をする上では、色んな人と折り合って仕事をするトレーニングが必要で、どんな場面も乗り切ることが自分の財産になります。
この職場思ったよりブラックだ、とか、思ったら、自分に向いてないと思うのもいいし、これはトレーニングでこれくらい乗り切れるはずと思うのも、ひとそれぞれです。
ただ、公務員の職域は法律で守られるはずで、相談窓口もあるはずなので、相談もしながら、自分のキャリアを考えてはいかがでしょうか。
でも、これはまちがいない。公務員の一番のメリットは、自分に正直に生きられること、純粋なこころで仕事できること。この2点だと思います。
よく右脳では感覚や感性を、左脳では論理的思考を考えているといいます。
右脳では、人は他者と自分を区別しておらず、自分と他者、モノを区別しているのは、左脳だということです。
つまり感性では、他者に対する言動や扱いもある意味、自分のことととらえている可能性があります。
人に、自分に優しくなれる
こういうマインドを持った人にとって、公務員は本能に沿って、自分の思う正義を貫ける可能性のある仕事だと思います。
いろんな人の話、考え方を聞き、何がみんなにとっていいのかを自分の頭で考えて、時にはそうとは違う考えで仕事がきたりもしますが、進めていける、そんなことが魅力ではと思います
風の時代は、らしさとか、自分の在り方とかを求める時代。公務員は、ノルマもなければ、ただやるべきことは満載。仕事を面白そうにやることもできれば、さぼることもできる。
でもせっかくなったのなら、やはり自分らしくいられる仕事を目指したい。
そう思いませんか?