マラソンは競わない。最後尾で完走する
僕は、マラソンを早くは走れません。
先日、琵琶湖マラソンを走りました。
11月に神戸マラソンを走って以来、4か月振りです。
前回の神戸マラソンのときにも動画を出させていただきました。
この動画では、ぼくの過去のマラソンの実績なんかもお伝えしてるので、ぜひよければご覧ください。
もともと神戸マラソンは当たらないと思っていたので、抽選の前に今年のマラソンは琵琶湖マラソンとエントリーしていたのですが、思わず神戸マラソンの抽選にあたったので、4か月して再びのマラソンになりました。
実は、マラソン当日のちょうど1週間前、タップレッスンのあとに自分でエクセサイズをやっているときに、左足のふくらはぎを軽い肉離れを起こしました。
1週間、徹底的にケアをして臨んだ今回のマラソン。
結果的には、見事完走しました。
そして神戸マラソンに引き続きですが、今回も、ほぼ最後尾でのゴールです。
今日は、そんな最後尾でゴールするぼくが感じる、参加する価値をお伝えします。
今日は、マラソンの世界だけじゃなくて、だれに遠慮することもなく、生活の中でじぶんらしさに気づく、じぶんらしさを創ることにもつながるお話です。また、マラソンをこれから始めようとしているとかで、完走できるかな?って不安を抱えている方、こんな僕でも最後尾で完走できるコツを脳科学の観点からお伝えしたいと思います。ぜひ最後まで見てくださいね。
今日、お伝えしたいテーマは、
じぶんらしいマラソンのスタイルは、誰かと並んだらスピードを落とすこと。
このことを3つのポイントでお伝えします。
不安からスタートした感動のゴール
当日の1週間前、タップレッスンのあとにストレッチをしていた時、左足のふくらはぎにこれまで感じたことのない痛みを感じました。家まで足を引きずって帰って、次の日からファイテンショップやら医者やら入り浸って、ケアをし、前日にはバンテージを巻いてもらって当日臨みました。ランニングも1週間やめて、前日に走れるかなと思いながら、10キロほど走っただけでした。それで、まあまあいけるかなと思った前日。
そして当日、朝6時20分の電車。駅まで自転車で。自転車降りてから、電車も時刻が迫ってたので、駅のデッキを上がっていったときのことです。昨日ランニングでは感じなかった痛み。
走れるのか?
でもせっかくここまで準備したから、会場までは行こう。そして電車へ乗り込み。でも立っている間も電車の揺れにヤバそうな雰囲気。
走行しながら会場へ。検温が終わり、荷物を預けて、スタート地点へ。
僕のビブスはG。S、A、Bとタイムが早い順にブロックが分けられるのですが、スタートも最後尾です。
今回のスタート場所、陸上競技場でしたが、やはり走ると衝撃が走る。
うーん。集団の中止まると危ないから端っこを走ろうか。そんなことを考えてました。
この辺りから、最後尾で走るマラソンのコツなどをお伝えするのですが、スタート時点。セレモニーがあるのですが、最後尾には聞こえません。わーっと拍手が起きると、同じように拍手する。
スタートの時刻になっても最後尾はスタートしません。
そう、スタートの時刻になったらS、A、Bの順に走り始めるので、Gはスタートから10分遅れてスタートします。
スタートから、すぐにヤバい状況にならないよう、気にしながら自分を引っ張っていく。何とかスタートで止まることはありませんでした。
まずは、神戸で8キロあたりで足がつりそうになったので、そこまでは走れたら。恐々に抑えながら走ると、じゃ次は10キロまでは。
神戸マラソンよりも、琵琶湖マラソンは30分ほど制限が短いので、12キロくらいまで走れたら、何とかあとはなるか。そう思いながら、クリアすると、3分の1の14キロ。次は半分の21キロ。徐々に目標を伸ばしていきました。
コースは琵琶湖沿いで素晴らしい眺め。これまでで一番きれいな道と景色だったと思います。まっすぐで思わず走りたくなる。頭は元気ですが、足が走ると逝ってしまう。今じゃない。そんな戦いでした。
関門でヤバかったのは30キロと35キロ。
30キロは、あと1分という係員さんの声で、最後の力を振り絞り、走りました。
35キロは、沿道の方から余裕で大丈夫と聞いていたものの、折り返しの向こう側に関門があります。残り10分。
少し余裕かと思い、走れど折り返しが見えない。10分大丈夫か?
かなり焦ります。
最後尾から見る折り返し。
行きなら、先に走るグループを、いいなと眺めながら、あと何キロ先に折り返しがあるんだろう。向こう側を見ると36キロ。今自分たちが30キロだと3キロ先に折り返しか。となるべく自分を奮い立たせる数字のとらえ方をします。
帰りに入ると、最後尾の自転車が向こう側に見えます。これはヤバい。何がヤバいかというと、この付近に関門の時間が訪れるということです。
このころになると、給水所のボランティアのみなさんも片付け始められています。今回は、なかったのですが、給水所にドリンクがなくなっていることもあります。だから自分でドリンクは持参する方がいい。ぼくは、スポーツドリンクはぼちゃぼちゃと音が鳴るので、ゼリー飲料をバックに入れています。
35キロも何とか関門を突破すると、もうここからは、40キロの関門ただひとつ。
カウントダウンにもなってきて、ここからはゴールしか目に入りません。
最終関門まで、ほかの人は少し走ってるな。ヤバいか。そんなことを測りながら、40キロのラップタイムの地点。でもまた関門が見えません。
実は関門は40.9キロ。あと900メートル。
最後尾グループの関門ギリギリはほんと死に物狂いです。
僕も最後の力を振り絞り、何とか関門クリア。関門のあたりでは数人が足を抱えて苦しんでおられました。
そして、ほぼ最後尾でゴール。6時間11分。最後のゴールの公園内はビクトリーロードです。
ちなみに、すべて終わって更衣室で着替えているときに、ふくらはぎを痛めていた左ではなく、右足が悲鳴を上げてつりました。走り終わってからでよかった。
マラソンを脳科学する
今回のマラソンは不安で始まりました。
脳でいえば、左脳で感じる不安。でもまあ、死ぬわけじゃなくて、何とかなるかと右脳が考える。
思ったのは、「少しでも長い時間琵琶湖マラソンを楽しめるようにしよう。」その結果が、結果的にマラソンを完走することができました。
ボランティアのみなさんの声援も力になります。
左脳では人は自分と他人と区別するけど、右脳では自分も他人もひとつ。スピリチュアルでいうワンネスというやつです。
人ってだから利他的な性質を持っているといわれてて、脳科学的には経済的格差が広がる社会は問題ですが、ほかの人に何かをしてあげたいという利他性が育まれると茂木健一郎さんの著書 金持ち脳と貧乏脳には書かれています。
日本人って知らない人と話しちゃいけないと小さいころから教育されている中、声をかけてくれるボランティアの皆さん、また沿道のみなさんとのやりとりって、力になるだけじゃなくて自分の中で感謝とかいう気持ちも生まれます。
たぶんボランティアの皆さん、沿道の皆さんにとっても、ランナーの必死な姿は、何か伝えているんだと思います。
こうしたコミュニケーションって大事ですよね。
ボランティアにも沿道の皆さんにも、学生からご高齢の方までさまざまな方がいらっしゃいますが、話しかけていただけるのは、互いにエネルギーが交流できて、新しい力を互いに生んでいると思います。
今回の琵琶湖マラソンは、景色も素晴らしかった。湖西の大津京からスタートして、近江大橋から湖岸を湖東まで行く42.195キロ。ほんとどこも素晴らしい景色で、水のにおい、風の音、そしてまっすぐな道路。最高でした。
目の前の景色は脳が作り出した幻想という説があります。景色も気分次第で違った風に見える。湖岸に走るまっすぐな道路。思わず走り出したくなるのは、コースが気持ちを乗せてくれる。そんなところがありました。
走り出したくなるけど、つりそうなので、早足で進みましたけど。
そして関門。マラソンは自分で好んで申し込んで選んだこと。関門は自分に対するハードル、挑戦です。脳が何かに熱中しているフロー状態になるには、挑戦する要素が必要で、今回の場合はそれが関門。走ることに必死になって、走れる状態じゃないのに走れる。自分の中に制限を設けるのは左脳であって、でも右脳では大丈夫といい、そして何とかなる。
最後尾だからこそ見つけた宝物
今回も最後尾で完走できました。ぼくなりに人生においても通じる話をお伝えしたいと思います。
まず、不安ではじまったマラソンですが、やってみると、小さな出来ることから積み上げていくと何とかなりました。思ったのはスタート地点に立つことがすべてのはじまりです。
それで、たくさんの人たちが応援してくれて、それがプレッシャーになるときもあるけど、その時は耳をふさげばいい。
かけていただける声援には、ランナーも声を返すのがいいと思います。
ぼくからは「ありがとうございます」いや、しんどかったので「アザッス」を伝えました。それで、皆さんにも何かをお返しできるのかもしれません。こんな機会に多くの人とのコミュニケーションができるチャンスです。普段会えない人たちとのエネルギーの交流は大事です。
そして、環境とのエネルギーの交流。今回でいえば琵琶湖ですが、いい気分にさせてくれる景色がまた力を与えてくれます。実生活でも、自分の好きなもの、好きな景色に囲まれていること、大事です。
最後、関門ですが、自分で決めた少し伸ばせば手に届きそうな関門は自分を覚醒させてくれます。
僕はマラソンを今回、こう考えるようにしました。
だれよりも少しでも長く楽しめる
これは、タイムパフォーマンスが大事といわれている時代に逆行しているようにも思うのですが、違って、楽しいことはじっくりと時間をかけてもいい。
だれかと競争するでもなく、抜かされても気にしない。いや、並ばれたらスピードを緩めて競わないようにする。
じぶんの目標だけ見てクリアしていく。結果、楽しければ、あとはなんとかなる。
まとめ
最初は、走れるかなと思っていた時から、小さな積み上げで、関門を気にするようになり、最後はゴールへとステップアップしていく。
マラソンは早く走ることだけが価値じゃない。
いろんな景色を見て、いろんな人と交流して、楽しんで走ることがじぶんらしいマラソン。
抜かされたら、抜き返すんじゃなく、競争を意識しないようにスピードを落とす。人と競わない、比べない。
でも関門になったら、必死に死に物狂いでクリアし、ゴールを目指す。
大人げないと思う人もいるかもしれませんが、それが大人の本気のパフォーマンスではないでしょうか
そして、誰かのエネルギーや自然の力を借りながら、覚醒したじぶんと向きあえる。
今回の琵琶湖マラソンも、大きな財産になりました。
ぜひマラソン、これから始めてみようという方、ぼくは最後尾でしか走れないのでこんな感じですが、一度体験してみてはいかがでしょうか。ぼくも始めたのは走ることが嫌いだったから、こんな僕が走れるかな?っておもったことがきっかけです。
ぜひチャレンジを