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最低3回チャレンジする【ダンスで見るビジネスや社会との向き合い方06】
ダンスでは無意識に動けるまでトライする
あなたは、勉強するとき、例えば暗記をする時にはどんなふうにしてましたか?
口ずさむ?
それとも
何度も書く?
ダンサーは、振り付けを覚える時は、何度も振り付けを鏡の前で何度も練習を繰り返します。
いい振り付けって、自然に見える動作の中に美しさがあることだと僕は思っているんですが、
振り付けを覚える時って、人が体の自然な流れの中で動き、潜在意識に入っていく。
歌詞から歌を覚えるのではなく、メロディから覚える感じで、無意識で入っていく。そんな形で覚えていきます。
でも、どうしても間違うところってあります。
タップダンスは時に顕著ですが、2本の足を交互にバランスを移してしまうところと、足を添えるだけでバランスを乗せずに次のステップに移っていく。これがどうしても無意識では動かないケースがあります。
その時には、その部分だけ意識的に気をつけて、次のステップに繋いでいく。
この時には、鏡の前で体に叩き込むまで動いてみる。
音楽も口ずさめるほどに聞き込む。
振り付けを身体に染み込ませ、自然に動けるようになるまで反復することで、無意識に動けるレベルを目指します。
この時に一番大切になるのは、イメージづくり。
自分ができたカタチを想像して頭に描く。
このイメージづくりは、ある時は、先生の踊る姿を自分に置き換えてみる。また、動画を見るときも同じです。
例えば、難しいテクニックができるように練習するとき。
バレエではトールアンレールというよく男性が行うテクニックがあって、これを2回連続で回るダブルトールアンレールというテクニックがあります。
とてもできそうになかったと感じていた僕が、ふと友達がやっているのを見ていて、「あっなんとなくできそう」ってイメージが降りてきた。
まさに降りてきたって感じの瞬間がありました。
そのとき、やってみると、実際にできるようになったんです。
人はイメージをするとリアルになる。
僕は、このことをダンスで体感しました。でもその前提には、数えきれないほどのトライ&エラー、そしてイメージングがあります。
企画提案では3回扉をノックしろ!
僕は、勉強が苦手でした。特に、冒頭あった暗記が苦手。
書くこともしなければ、口で読むこともしない。音楽やテレビ
ラジオを聴きながら、教科書をめくるだけ。
だから覚えられるわけがないんです。
後々になって分かったんですが、勉強はセリフの一言一句を間違えず覚えるようなやり方ではなく、仕組みを考えたり、カタチがどうなるのかをイメージする。
そうイメージが大事なんです。
リアルにイメージをするには感度が大事で、でも僕なんかは1回ではイメージできません。
でも一度イメージできると、もうできた気になります。
このできた気になるというのが大切で、ここまでくると、どこかの世界では実現していて、あとはそのチャンネルに合わせるだけです。
僕がやってきた今までの仕事の中では、企画立案することや、また計画を立ててそれに向けて新たな何かを創っていくことが多かったように思います。
世の中にはあまりない、今まで見ないイメージを、自分の中で沸々と湧き上がってくるものを、言語化して、誰かに伝える。
このプロセスの中で、
誰かに伝える段階では、おおよそ1回では共有されませんでした。
例えば、庁内のガバナンス全体のあり方やシステムを大胆に変えるであるとか、財政再建であるとか、地域にこだわった政策展開をするであるとか、はたまた学校での集金方法を変えるであるとか・・・・
最初は、全て理解されないことから始まります。
でも実は3回トライしてみると状況は変わる
これは事実です。
今では僕は企画を見る立場にもなることが多いのですが、面白い企画が上がってきた時でも、一度のトライでうまくいかず、トライをやめてしまう事例がたくさんあります。いや、むしろほとんどがそう。
全否定されたような受け止め方をされてしまう。
伝え方の問題もあるのかもしれませんが、トライするマインドを大切にしたいからこそ、気を配っているつもりでも、心が折れてしまう。そんな事例が少なくありません。
でも、実は
3回トライすると、自分も変わるし、相手も変わる。
では、この3回のトライの中で自分も相手もどう変わるのか。
それを検証してみます。
1回目は共有されないのが当たり前
まず、1回目。
提案者はおおよそ、自分で説明できるくらいは仕上げてくると思います。
この時に説明できないようであれば、それほどの企画ではないということ。提案者の情熱が問われます。
大抵は、この時点で目を見れば本気なのかどうかがわかります。
ダンサーでいえば、この時点で振り付けを覚えてないなんて、問題外。情熱とは言い換えると、自分の本能に従って、伝わる形で整理されているかどうか。それは最低条件です。
ただ、それでも相手には伝わらないのが普通です。初めてあなたの企画に触れる相手は当然のように初めて触れるわけで、咀嚼する時間が必要です。初めて触れるものには、人は避けがち。それは、左脳の働きでリスクを避ける傾向があるからです。
2回目は互いに半信半疑になる!?
一回目のチャレンジ、剣もほろろに跳ね返されたあなたは、ここで提案をやめますか?
いやいや、まず1回目でしょ、うまくいかないものでしょ。というかノルマみたいなもの。1回目の反応を見れば、何かを変える必要があるのかどうか考えてみるんです。
それでも、その企画で推したいのなら、知らない顔して同じ企画書で再チャレンジしてみましょう。
えーって思っている人は、そこで諦めてください
要するに、やるかやらないか、あなたが選択するんです。
2回目、同じ企画を持っていく時に伝えるのは、やっぱり情熱。確信めいたものでもいいんです。また、一人で心細かったら、味方を裏工作でつけていく。こうして企画が通るように整えていきます。
でもね、それでも通らないんです。2回目では。
なぜか。
1回目、否定したところから、相手も意見を変えるきっかけがいるんです。
いわゆる理由が。
それがない中では意見なんて変えられません。これは、プライドの高い上司などはさらに難しい。
この場合、2回目もおそらく撃沈します。
でもどうでしょう1回目の終わった時と比べて・・・・
少しは兆しが見えたはず。
あなたは、「本当は自分が提案したことってのは価値がないのかもしれない・・・」
そう思っているかもしれません。
でも実は、相手も同じことを思っています。
「あれだけ熱く提案しているというのは何かあるはず。・・・俺は何か見落としているのか・・・」
少し自分に疑問を感じます。
実は、この自分に疑問を持つという互いの接点が3回目の交渉に身を結びます。
3回目はワンネス
3回目の提案の前に、少しだけ振り返ります。相手の言っていることも含めて、全体を通してどんな課題があるのか、それも含めて言語化します。
先日の僕の仕事では、どうあっても利害の対立するA、Bそして私たちの3者の議論が平行線を辿り、課題解決に至らない事態がありました。
1回目、対立の構図を体感する
2回目、検討案で試してみる
そして3回目の前の打ち合わせ
今の課題をまとめるにあたり、部下から出てきた提案書には、自分の立場から見た問題点や課題が書かれていました。その上での提案。
これでは折り合いがつかないのは目に見えています。
Aから見た利害、Bから見た利害、そして私たちから見た利害、それぞれの立場に立った視点での課題解決に至る問題点を表した上で、提案をするように言語化し、相手に示しました。
この時に、大切なのは、いろんな立ち位置から見た視点を共通理解するということ。そしてそれを自分たちから提案すること。
このことにより、議論のイニシアティブを取れることになります。
この例にある議論では、3回目にようやく折り合い、三者が同じ方向を向いて課題解決に向けた一歩を進められるようになりました。
相手も、2回目のチャレンジで自分に疑問を持ち始めている中、自分のモヤモヤを言語化してもらうことで、それに報いようという原理が働きます。
この例に限らず、僕は多くの場合3回目で落とせることが多かったように思います。
人は社会的な動物であり、誰かと調和したくなる生き物です。
人の気持ちをわかってあげる。その上で、アイデアをぶつけにいく。その末に成功の種は落ちています。
ビジネスでも3回扉をノックしろ
失敗したらどうしよう、誰もが恐れるのが失敗。
先日こんなことがありました
夜中、トイレに行った時のこと
寝ぼけて、指をドアに挟んでしまいました。
めっちゃ痛かったんです。
手を冷やし、痛い手のまま布団に入りながら考えました
この痛み、いつまで続くんだろう
やけに冷静でした。
このときは、何か痛みを自分がどの程度感じるか、観察する感じ。
布団に入ってから、ジンジン痛んできた
痛みを僕は感じているんだなって、客観的に見ている。
普通、痛かったら、腹立つだろうし、自分はついてないって思うし、余裕はないのが普通。
でもこのときは、なんだか、痛みが他人事になってました。
失敗なんて客観的に見ればなんてことないし、痛みもひと時だけで、そのうち消えてくる。
そう、失敗なんて怖くないんです。
ビジネスでも、1回でうまくいくわけがない。
だって、試したこともないことが、いきなりうまくいくなんてありえない。
もしうまくいったなら、うまくいかなくなった時に、折れてしまう。
そう、3回以上のチャレンジでうまくいった方が、竹のように折れにくいマインドと、切り抜け方も知ることができます。