エッセンシャルワーカーの給与が低いのはなぜか

この動画、なぜエッセンシャルワーカーの収入が低いのか?という問題提起から、市場の仕組み、資本主義経済の穴を分かりやすく解説しておりおもしろい。

①市場は、「金を稼げる人の」需要を満たすもの、である
例:電車の中の広告、スキルアップ、転職、投資、美容…
→お金を稼ぐ手助けをするビジネスは収益性が高くなる
市場はプレーヤー(労働者)を必要とするが、労働者は生まれつき労働者ではなく、子育てなど市場外での過程を経る必要がある。しかし市場は市場内のことしか評価できない。それどころか、人のリソースは有限であり、子育てと市場競争のための労働はトレードオフとなる。
同様に、市場の前提となるインフラや治安も市場では評価できないし、これらが労働のトレードオフとなるため、市場からはマイナスの評価をされる。

②市場は社会のアクセルではなくブレーキであるという考え方の提示
伝統的な価値観、社会の規範や常識など社会に必要な仕事を重視するものを「アクセル」、市場のルールという個人の自由と権利を重視するものを「ブレーキ」として考える一案を提示。
食事のおいしさなど「サービスの質が高い」のは「サービスの質が市場で評価されるから」ではなく「市場で評価されないことをしっかりやるという規範を備えている人が多いから」だそう。(本当か?)

人は「個人」になるまで「集団」での作用を必要とする(最低でも出生のための男女のつがい)。既存の集団を維持するための欲望を個人の欲望によって解体していくことが市場の作用である。
市場は出生など市場外のことを評価しないので市場が社会に浸透すると社会は衰退していく。市場が浸透した社会では個人でのアクセル(欲望)が社会にとってのブレーキとなる。

③GDPは生産の指標として妥当か?
GDPは市場の評価値であり、これを生産の評価値として見立てているが、市場が社会に必要なものを評価しないならこれを生産の評価値として妥当なのだろうか?という問いかけ。
→交易がたくさん行われたなら、その土台になる生産もそれなりに行われたとみなしてもいいように思われる

そして、この個人と社会にとってのアクセルとブレーキのずれを解消するには…ベーシックインカムではないか、と。
かなり面白い。

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