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【陳情】2024年9月、大阪市議会に2件提出&局長見解

2024年9月12日開会の大阪市議会(135日間)に、陳情を2件出しました(9月9日締め切り分)。
※9月20日開催の建設港湾委員会における陳情への建設局長の見解を追記しました。

①街路樹・公園樹の伐採判定において、樹木が熱中症対策になることなどプラス面を取り入れ、伐採樹木を厳選し、伐採本数を最小化することを求める陳情書(陳情162号)


▼建設局長見解(9月20日開催の建設港湾委員会)
陳情第162号第1項目は、大阪松原線における、歩行者による“車道の利用”の実態について調査し、対策を講じることを求めるもの。
・大阪松原線において、今回の陳情を踏まえ現地調査を行ったところ、一部の路線で、日陰になっている車道を市民が歩いている状況は確認はできました。
・大阪松原線は、歩道の車道側に植樹帯が設けられているが、植樹帯には今回の安全対策事業で撤去した高木部分に低木を植え替えることで、車道と歩道の構造的な分離をするだけでなく、見通しの確保に努めております。
・今後も引き続き、道路の安全性確保のため、利用状況の把握に努めてまいります。

陳情第162号第2項目は、街路樹・公園樹の伐採判定にあたり、樹木のもつプラス面の効果を考慮し、伐採対象樹木を厳選し、伐採本数を最小化することを求めるもの。公園樹や街路樹については、市民生活を支える都市インフラであり、大阪市では、街路樹においては、通行障害や見通しの阻害、公園樹では民有地への越境や公園施設の損傷を引き起こすなど、市民の安全・安心に影響を与える樹木を対象に撤去・更新を行っている。
・今後は、安全性を確保しつつ、景観や快適性、環境保全(注1)にも寄与するなど、樹木の持つ機能や効用を最大限に発揮させるよう、中長期的な視点で樹木の生育環境に応じた計画的な保全育成を行うことを目指していく。

第3項目。
緑の基本計画につきましては、現在、令和7年度の緑の基本計画改訂に向けた検討を進めており、令和7年1月に予定している次回の「みどりのまちづくり審議会」において、高木の樹冠による緑陰の形成の観点を含めたみどりのまちづくりに関する指標(注2)についても議論する予定としております。

注1(2024年10月31日追記)
「環境保全」とは何か、具体的な説明を尋ねたところ、大阪市建設局公園緑化部緑化課から次のような回答が返ってきました。

”「環境保全機能には、交通騒音低減、大気浄化等の沿道住民の生活環境の保全だけでなく、二酸化炭素の固定・削減などの地球温暖化緩和やヒートアイランド現象の抑制などの機能が期待されます」。”

この認識があるのなら、もっともっと高木を大事にし、増やしてほしい。

注2(2024年11月1日追記)
これは「樹冠被覆率」のことを言っているのか、市に質したところ、大阪市建設局公園緑化部調整課から次のような回答が返ってきました。

 ”「新・大阪市緑の基本計画」におけるみどりのまちづくり指標は、都市公園や道路空間、民有地などを対象に、緑の量や実感といった様々な観点を踏まえて設定しております。陳情162号の項目3に関連する答弁では、これらの様々な観点のうちの一つとして、「高木の樹冠による緑陰の形成」の観点も含めた指標について言及しております。
 次期・緑の基本計画における指標設定につきましては、高木の樹冠による緑陰の形成の観点も踏まえ、樹冠被覆率も含めた様々な指標が考えられる中で、本計画を推進していく上でどのような指標が適当か、みどりのまちづくり審議会で委員の皆様にご議論いただく予定です。”

 非常にわかりにくい回答。樹冠被覆率は議題にのぼる可能性があるが、審議会に先だって行われる作業部会(審議会の会長、会長代行ら3人の委員と、調整課のあいだで行われる。ここでの議論で、審議会に諮られるたたき台は決まる。審議会でこれが大幅に変わることは実際にはほぼない)における議論によっては、審議会で議論さえされない可能性もあるように思う。

②扇町公園の残置されたサクラ・闇討ちされたケヤキをめぐる市の措置について、市民全体へ公平な対応を求める陳情書(陳情161号)

▼建設局長見解(9月20日開催の建設港湾委員会)
陳情第161号 第1項目、第2項目の陳情趣旨は、本市の「公園樹の安全対策事業対象樹木への地元からの要望への対応方針」が地域団体を対象としている理由の説明と、市民の意見に対して公平な職務執行を求めるもの。
・本市では、公園樹の安全対策事業として、市民の安全・安心に影響を与える公園樹の撤去・更新を実施してきた。
・本事業は、公園利用者の安全・安心の確保を目的としているため、樹木を残してほしいとの要望があった場合でも、速やかに安全性の確保が必要と判断した際は、市民の方に十分に説明を行ったうえで、撤去・更新を実施してきている。
・一方で、残してほしいと要望がある樹木のうち、当面の間、経過観察が可能と判断した樹木については、撤去・更新の方針を維持しつつ、リスクが高まった場合には撤去・更新することや、日常的な樹木の見守りなどについて、日常的に公園を利用しながら樹木を見守ることができる地域団体との合意が得られる場合に限り、経過観察を行うこととしており、市の対応方針として整理をしている。
・扇町公園での安全対策事業の実施にあたっては、56本を対象としていたが、地元連合町会から残してほしいとの要望があったサクラ1本については、公園管理者として経過観察が可能と判断した上で、対応方針を踏まえ経過観察とし、その他の55本については撤去・更新を行った。
・市民から要望が挙げられていたケヤキについては、樹木の状態から経過観察とすることができないと判断したため、撤去の必要性を現地及び団体協議の場等で説明をさせていただき撤去・更新することとしたものである。

陳情項目の3点目は、扇町公園での公園樹安全対策事業について市民との対話の場を作ること、また、経過観察としたサクラの取り扱いについて説明責任を果たすことを求めるものでございます。
・扇町公園における公園樹安全対策事業につきましては、これまで本年1月5日の現地説明、2月26日の屋内説明、さらに5月24日には改めての現地説明及び「団体との協議等のもち方に関する指針」に基づく協議の場を設けるなど、理解が得られるよう努めてまいりました。
・また、サクラの取り扱いにつきましては、5月24日の団体協議以降に、あくまで撤去方針は維持しつつ、地域の見守りを前提に経過観察とする意思決定を行ったところです。
経過観察する樹木の考え方につきましては、ホームページへの追加掲載いたしますとともに、今後も公共施設管理者として樹木の維持管理内容等について、丁寧に説明してまいります。


①の陳情にある「大阪松原線における”車道の歩行”」については下記の記事をご覧ください。

②の陳情にある扇町公園のサクラの存置の経緯、および、ケヤキの闇討ちについては下記の2つの記事をご覧ください。


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