幸せを手に入れる最後の方法 ~2年間のカウンセリング実録~ 20.効果①
「母が、とてもよく手伝ってくれます。
ほんとに、嫌がらせではなく私に接していたんだと思えます。
犬はバロンと名付けました。
母はバロンに会いに3回も来てくれました。
私のケアもしてくれます。」
「咲笑ちゃん、いい変化があったんですね。
そしていい気付きがあったんですね。
来てくれたバロンと頑張って動いた咲笑ちゃん自身に感謝だね。
新しい素敵な時間を味わってください。」
「うん。でも、私がついていけず、病気のようになっています。
今までずっと死ぬ方向で生きてきたから、食べてなかったし寝てなかった。
バロンが来て、本当に久しぶりにゆっくり寝ました。そして食べました。
しばらく食べたり寝たりしてなかったので、身体がびっくりしているようです。
バロンはとても元気です。」
「咲笑ちゃんの身体、頑張って耐えてくれてたね。
いい方向への変化でも恒常性は狂うからね…。
ゆっくりと、少しずつ、身体を正常な状態に戻していきましょう。
バロンと一緒に幸せになってね。」
「うん。ありがとう。」
「まーくん、気持ち悪い夢を見たので診断お願いします。
・私は大きい病院の入院病棟にいて、母がちょうど私の弟か妹を出産しているところでした。
私は子供ではなく今の年齢です。
『新しく子供が生まれるから私はもう要らないんでしょ!死ぬからね!死んじゃうからね!!!』と病棟(たぶん精神病患者として入院している)で私は騒いでいましたが、心配してくれる人は一人しかおらず、とても寂しい気持ちで、心配して欲しくて脱走を試みました。
心配してくれた人というのは芸能人で、特にファンという訳ではありませんが、最近事故を起こしていたので『不憫な人』というイメージを持っています。
よろしくお願いします。」
「<夢の示す内容>
まずお母さんについては、夢分析では『グレートマザー』と言って、母性そのもの、絶対的な優しさ、安心感、全てを飲み尽くす怖さなどを指すことがあります。
もちろん、実際のお母さんを指すこともあります。
お母さんの妊娠は、お母さん自身の大きな悩みを指すかもしれません。
そして病院から脱走するということは、権力者から自由になる、独立すること。
心配してくれる人の存在は、咲笑ちゃんを大切に思ってくれている人が実際にいること指しているかもしれません。
<分析>
・でも今回の夢の印象は、『お母さんの愛情をとられる存在が生まれる=愛情を失うことの不安』を示している、つまりそれだけ今の愛情を大事にしたい気持ちの表れかな、と思いました。
あくまで可能性ではあるけれど。
お母さんとは、うまくいってますか?」
「駄目です。もう駄目です。
つい先程、駄目になりました。
バロンがいなければ、確実に自殺しています。
バロンを貰うんじゃなかった、死ねない。
バロンはかわいいけど、もうほんとに、笑えるくらいきついです。疲れました。死にたい。
他の誰にも、死にたいと言ってないことを誉めてください。
死にたい気持ちと必死で戦ってることを誉めてください。
バロンを抱きしめて耐えています。心はもう、ずたずたです。」
「咲笑ちゃん、駄目になったの?
僕としてはバロンに感謝です。
そして、周囲に死にたいと言ってないんだね。
自分の気持ちと戦ってるんだね。偉いね。
つらくても、それだけは続けていこうね。」
「もう母は駄目です。
回避型なのかな、全く自分の否を認めない。
私を可哀想な子として見て、母はそれを助ける優しい母を演じています。
もう意味がわかりません。矛盾だらけ、なぜ死んではいけないの?
バロンだけが頼りです。」
幸せを手に入れる最後の方法
~2年間のカウンセリング実録~
母親って、すごい存在だと思います。
子供って、どんな母親でも100%、全身全力で好きなんですよね。
残念ながら、そこに父親の入る隙はありません。
母なる海。
母なる地球。
命を生み出す強さと包容力と優しさがそこにあるんでしょう。
だから、嫌いだと思っても、求めないと思っても、その人を求めずにはいられない。
だから母親には、いつも優しさと温もりを忘れずにいて欲しいと思います。
でも、母親だって人間だし、誰かの子供なんですよね。
求める側がそれに気付ければ、お互いが居心地のいい距離を取りやすくなるのかもしれない。そう思います。
続きは明日更新します。
よろしければ是非おつきあいください。