幸せを手に入れる最後の方法 ~2年間のカウンセリング実録~ 33.環境
『遺伝子は環境で変わる』
それは僕が大阪を去る日に、咲笑ちゃんから教えてもらった言葉。
彼女が旦那さんから聞かされたという言葉。
僕はこの事実をもっと詳しく知りたいと思った。
インターネットで検索する。
「遺伝子 環境 変化」 … あった。
後天的に獲得された形質は、次の世代へと遺伝する。
体内環境や育て方によって発現する遺伝子の性質が変わってくる。
環境により変化する遺伝子のスイッチは「エピジェネティクス」といって、いろんな実験がなされているらしい。
2001年に生み出された初のクローン猫の外見や性格はオリジナル猫とかけ離れていたし、米イリノイ大学のジーン・ロビンソン教授が2009年に発表した論文では、気性が穏やかなイタリアミツバチと獰猛なアフリカナイズドミツバチ(キラービー)の幼虫を入れ替えると育ての親の性格を受け継ぎ、「遺伝子のスイッチ」が大きく切り替わっていたと発表されている。

心理学ではない、でも心の変化を伴った気づき。
そうか。環境で人は変化するんだ。
心の変化が起こることもあれば、遺伝子まで変化していくことさえあるんだ。
僕は誰かの「環境」になりたいと思って進んできた。
ところがその「環境」は、僕が思っている以上に大きな意味を持つものだと咲笑ちゃんは教えてくれた。
でもだからこそ、僕は「環境としてのカウンセラー」になりたいと思う。
環境による変化の可能性を追い続けたいと思う。
それが咲笑ちゃんと出会い、咲笑ちゃんのおかげで目指そうと思ったカウンセラーの姿であり、今なお変わらない、日本メンタルヘルス協会の卒業レポートで誓った僕の目指す姿であると思うから。
「…『私を見つけてくれてありがとう。』
彼女が私に伝えてくれた言葉のなかで、私にとって最も印象的だったのはこの言葉です。
メンタルの講座を受講している最中や、食事会での気づきが多いのは、日本メンタルヘルス協会という場所が、自分の心に気づいても大丈夫な環境にあるからなのでしょう。
そこで私は、『カウンセラーは環境である』ということを学びました。
『環境としてのカウンセラー』になる。
そして今回のカウンセリングを通じて、私はあらためて自分が目指していたカウンセラー像を認識することができました。
まだスタート地点です。
でもここに立つまでに、衛藤先生、丸山先生、木下先生、野本先生と素晴らしい先生方から 愛情を持って、メンタルの『心』を教えていただきました。
スタッフの方々や サポーターの方々からは、学ぶべき姿勢を見せていただきました。
また同期の最高の仲間たちをはじめとして、共に学んだ人たちに支えられて得た気づきがなければ、ここに辿り着くことはできなかったでしょう。
今のスタート地点での思いを忘れることなく、踏み出したこの歩みを止めることなく、確実に進めていきます。
そしてカウンセラーとしての一歩目を刻ませてくれた彼女が、私のことすら忘れるほどの大きな幸せを手に入れてくれることを、心から願っています。」
幸せを手に入れる最後の方法
~2年間のカウンセリング実録~
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
そして長い時間おつきあいいただき、ありがとうございました。
明日、このカウンセリング実録は遂に最終回を迎えます。
ぜひおつきあいください。