幸せを手に入れる最後の方法 ～２年間のカウンセリング実録～ ９. 学びと気づき、そしてシンクロ①
咲笑（さえ）ちゃんの悩みの根幹は親との関係にある。
でも彼女自身が親との関係にどこまで踏み込んでいけるのか、踏み込むためのきっかけはないか、僕はずっと考えていた。
そして僕が咲笑ちゃんにかける言葉を見失った頃、僕は通っているプロコースの「論理療法の応用」という講座を経て、僕自身が自分の抱えている問題に取り組んでいた。
僕が取り組んだ内容は、父との関係だった。
自分が愛されなかったと思う原因、行動、捉え方、思い込み。
僕は父と自分自身とに真正面から向き合っていた。
これまでもメンタルの講座のなかで、僕は自分の思い込みに気づく機会、父の立場や目線に立って考える機会をもらっていた。
そこで少しずつ考え方が柔らかくなっていたとはいえ、そのための時間を取り、自ら意識して向き合ったのは、この時が初めてだった。
僕の踏み出した一歩は小さなものだった。
過去の記憶と幼少期からの自分の思いを、父に宛てた手紙にして送っただけ。
そしてその後3年ぶりに会った父とも、結局関係が良くなった訳ではなかった。
それでも、自分の中では何かが大きく変化した。そして僕自身が、意識せずにいようとしていた父のことを、どれほど意識していたのかを知ることができた。
僕は子供の頃から背負ってきた大きな荷物を初めて降ろすことができた。
ただ、これはあくまで僕の話。
誰もが取るべき方法でもなければ、同じような結果をもたらすものでもない。
だから、この話を咲笑ちゃんにすべきかどうか、僕は迷っていた。
この少し前から僕は、かとうさやかさんという、日本メンタルヘルス協会名古屋校を修了した人のメールマガジンを取っていた。
さやかさんは僕よりも はるかに年下だったが、メンタルでの学びに繋がる内容を読みやすく、分かり易く、心に響く文章で伝えてくれるメルマガは、いつも気づきに溢れていた。
僕が咲笑ちゃんに伝える言葉に悩み、父との関係について伝えるかどうかを悩んでいたちょうどその時、そのメルマガで、こんなタイトルの内容が送られてきた。
「どんな環境であってもどんな過去であっても今日から魅力的な生き方はできる」
なんと、ブログやメルマガではキラキラと輝いている人生を送ってきたかに思える、そんなさやかさんも親子関係に悩んだ過去を持ち、人間関係の改善に関する体験をメルマガで送ってきてくれていた。
当時の僕はただの読者。
面識など全くなかったのだが、あまりに共感するその内容に、どうしてもその気持ちを伝えたいと思い、感想を送ってしまった。
「…私もメンタルの受講生ですが、父親との関係からはずっと目を背けて生きてきました。
周囲が号泣する音楽療法の講座でも泣いたことがありませんでした。
幼少期から愛されて育った実感がなく、いつも怒られたり叩かれたり。
娘の進学のことで言い合いになってから3年間は音信不通の状態でした。
でも最近、育ててもらった感謝と愛されずに育ったという思いを手紙で伝えることに成功しました。
その後会いに行きましたが、そんなに関係は改善していません(笑)
でも、手紙を出してから、驚くほど心が軽くなったんです。
父のことなど意識していないつもりだった。
でも心のドアを自分から開いただけで、こんなにも楽になれるなんて思ってもみませんでした。
さやかさんは『目の前の景色が急に明るくなった』という言葉を使われていましたが、あまりにも強く共感してしまったのでお伝えしてしまいました。…」
この感想がきっかけで僕はさやかさんとＳＮＳで繋がり、さやかさんはこの感想をブログでシェアしたいと言ってくれた。
ブログの読者さんに響く内容だと思うからと。
そしてシェアしてくれたブログの最後には、さやかさんらしい言葉が添えられていた。
「仲良しにならなくてもいい。ハグして仲直りしなくてもいい。
ただ自分が心のおもりを抱えている手を開けばいい。」
さやかさんのこの言葉は、僕の背中を押してくれるものだった。
幸せを手に入れる最後の方法
～2年間のカウンセリング実録～
強み発見プロデューサー かとうさやか さんについてはこちらからどうぞ。↓
https://www.reservestock.jp/page/conclusion_menu/8555
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
身近な人との関係が改善できるならどんなにいいだろう。そう思います。
でも改善することを、仲良くなることを目的としなくても、自分から行動することはできるんです。
そしてそんな行動をして初めて手に入れられる生き方があります。
そしてそんな生き方には誰かの背中を押す力が宿っているんです。
続きは明日更新します。
是非おつきあいください。
よろしくお願いいたします。