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#44 年単位でみる農産物の価格推移 ~果物の価格は上がっているのか?~

物価がどんどん上昇していますね。
農業においては肥料が高騰する中、農産物の販売価格への転嫁が進まないという報道がありました。

超短期的には旬や端境期で、1年スパンでは豊作不作で価格が上下する農産物ですが、
そもそも、10年スパンなどの長期では価格はどう変わってきているのでしょうか?
農産物も価格が上がってきているのでしょうか。

今回は代表的な果物のここ20年間の単価の推移を見てみます。

※データ元は青果物卸売市場調査です。

1985年以降の果物価格の推移

いちご

いちごの単価および卸売量の推移

いちごは1992年から2014年頃まではほとんど単価が変わっていません。

ところが、2014年から2021年にかけては+23%(+244円/kg)です。
1パックがだいたい300g程ですので、パックに換算すると73円ほどの上昇になります。

みかん

みかんの単価および卸売量の推移

みかんは過去に不作の年に単価が大きく上がっていますが、こちらも2014年ごろまでは大きくは変わっていません。

2014年から2021年にかけては+31%(+62円/kg)です。

もも

ももの単価および卸売量の推移

桃も2014年以降、急激に単価が上がっています。
2014年から2021年にかけては+59%(+254円/kg)です。
1玉200~300gですので、約51円~76円ほど上がっていると思われます。

ぶどう

ぶどうの単価および卸売量の推移

ぶどうは急激に単価が上がっており、
2014年から2021年にかけては+98%(+703円/kg)です。
ほぼ2倍の値段で取引されています。

ぶどうを品種で分けて見ると次のとおりです。

デラウエアの単価および卸売量の推移(1997~1999年はデータなし)
その他ぶどうの単価および卸売量の推移(1997~1999年はデータなし)

デラウエアの単価も上がっていますが、それ以上に”その他ぶどう”の単価が上がっています。

その他ぶどうには、デラウエア、巨峰、ベーリーAなど一部のぶどう以外が含まれていて、シャインマスカットもここに含まれています。

つまりシャインマスカットの広がりが単価の上昇をもたらしていると考えられます。

ここまでをまとめるとこうなります。
・単価は近年になってどれも上がってきている。(特に2014年以降)
・ぶどうではほぼ2倍の値段になっている。
・ぶどうでは新品種(シャインマスカット等)が大きく関わっていると考えられる。

2014年に単価が大きく上がった理由はわかりませんが、2014年は消費税の増加により消費者物価指数が上がった年のようなので、それが大きく関わっているのかもしれません。(参考サイト

世の中の物価の上昇と比べてどうか?

では、これは他の食品などと比べるとどうなのでしょうか。
こちらのサイトがわかりやすかったので参考にします。

みんな大好きカレーのルーでは、2022年10月は251円と2015年10月の240円から+4.5%となっています。

冷蔵庫だと、2015年4月→2022年4月にかけて、+66%(+111,689円)と大幅に上昇しています。
ただ電子レンジではむしろ価格が下がってきています。

まとめ

物価高騰が進む中、農産物は価格転嫁しにくいという報道があります。

では果物の価格の推移はどうなっているのかとみたところ、今回注目した果物は長期的には単価は上がってきていました。

次回は、野菜についてみていき、農産物の価格上昇について考えてみたいと思います。

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