大阪府プレミアム食事券を買って、その社会コストを計算してみた

大阪市減税会 事務局 陰気なたまむし (@inkinatamamushi) です。関西で継続的に減税活動し活動報告をしますので、フォロー頂けたら幸いです。
 今回は大阪府で行われている大阪府プレミアム食事券について、その社会コストを分析してみました。その結果、6000円の補助金を配るのに15,000円くらいコストがかかっていました

規制による社会コスト

 行政が規制を行う場合、そのコストは大きく2種類あります。それは以下の2つです。
・行政費用
  ⇨行政の人件費や、委託費等
・遵守費用
  ⇨市民の書類作成や、申請者の受付や手続き時間等

 今回は規制ではなく、事務事業ですが、規制コストの考え方で大阪府プレミアム食事券の政策について、その社会コストを分解して計算をしてみようと思います。

大阪市プレミアム食事券について

 大阪市プレミアム食事券は、ゴールドステッカー認証を受けた飲食店が、プレミアム食事券の利用店として申請し、消費者はMAX2万円を支払うことで、大阪府のプレミアム食事券を2万6000円分もらえます。
 つまり、消費者はゴールドステッカー認証を受けた飲食店で使える、6000円分の補助金をもらえるというものです。
 ここで考える社会コストは以下のものです。

・行政費用
  1.委託費(食事券の配布業務、システム改修等)
  2.人件費(行政職員の人件費)

・遵守費用
  3.飲食店の登録、食事券の換金等の事務費
  4.消費者の申請時間

行政費用について

 行政費用については、泉南市で行われたプレミアム商品券の事務事業評価シートを参考に計算する。

泉南市 令和元年度 事務事業評価より

 泉南市のプレミアム商品券は、MAXで、2万円支払うことで2万5000円分の商品券をもらえる。そのため補助金は5000円と大阪市プレミアム食事券と似た金額である。よって、上記の事務事業評価シートを用いて想定の計算を行う。
 補助額と事業は以下の通り。

 プレミアム補助額 =  3130万円
     総事業費=10000万円

よって、補助額に対する行政費用の割合は
 (プレミアム補助額 
  ➗ (総事業費-プレミアム補助額)= 約40%

以上より、プレミアム補助額を40%で割り戻す(0.4で割る)と、補助額に対して行政費用が算出できるとする。

よって、大阪プレミアム食事券は補助額6000円とすると、一人に補助するのに
6000円 ➗ 0.4 = 15000円

より、6,000円配るのに15,000円使っている。

遵守費用について

 遵守費用については、私は飲食店事業者ではないため、3.飲食店の登録、食事券の換金等の事務費 はわかりません。
 そのため、過小評価だが、4.消費者の申請時間についてのみ計算する。

 遵守費用は、消費者が申請する時間に、大体2000円/時間を掛けることで計算可能である。(詳細は省略)
 申請にかかった時間は以下の通り

① 購入登録:1分
② ファミマプリンター手続:1.5分
③ 支払い,食事券印刷:2分
④ 印刷枚数確認:0.5分
⑤ 対象飲食店の検索:5分(仮)
合計:10分=0.2時間

以上より、大体400円分の遵守費用を払っていることとなる。

プレミアム食事券の社会コスト

以上より、社会コストは以下の通り

行政費用:15,000円
遵守費用:     400円

 よって、6000円もらうのに,15,400円の社会コストが使われたこととなりました。

終わりに

 今回は自分自身を事例に社会コストを計算してみました。おじいちゃん、おばあちゃんがコンビニで店員にいろいろ質問すると、その社会コストはさらに増えていきます。遵守コストはかなり小さく見積もっています。
 また、事業者の登録手続き、換金手続きの遵守コストを加算するとさらに積み上がってきます。
 泉南市と大阪府ではデジタル化の度合いが違うなど色々な要因があるため、大阪府の事務事業評価がされるのが楽しみです。
 できればこの計算結果が外れていてほしいくらいですが、行政が何かをするというのはかなりコストがかかるというのは間違い無いです……

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