幼なじみと同じ学園生活を送りたい!-1話-
「今日の午前中は身体測定、午後からはロングホームルームだ、じゃあ2クラスで男女分かれて着替えろよー」
担任の先生から告げられた本日の時間割
「運動苦手だし、早く帰りたいなぁ」
なんてボヤいていると爆速で着替えてきた宏斗が声をかけてきた
「おう!翔平!今日の身体測定勝負しないか?勝った方がジュースおごりで!」
「サッカー部の宏斗と何もしてないボクで勝負?もう結果わかるじゃん。」
「ぶふっあはは!ごめんごめん冗談だよ。ちょっとはやる気になってくれるかなって思って。俺は先に体育館向かうわ!」
「どこにやる気を見出すと思ったんだ…宏斗のやつ…」
結果ボクはE判定、宏斗はB判定だった。
1学期恒例の身体測定なども終わり、普段通りの授業が始まった。
3年生にもなるとさらに授業の内容も難しくなり頭の中の?も多くなっていった。
「はぁ…大丈夫かな…ボクの将来…」
ある日の帰り道
「翔ーちゃーん」
「菜央ちゃん」
「へへーん、実は見せたいものがあってね」
「なになに?」
「じゃーん!あたしもスマホデビュー!」
「おー!すごいじゃん!どうしたの?」
「バイト始めることママに言ったら、夜遅くになると心配だからってのでお下がりもらったんだ!」
「さすがぁ」
「翔ちゃんLIZE交換しよ!」
「おけい」
ピポーン
「これで夜遅くまで話せるね!」
「お互い学校に影響出ないくらいしないと」
「そうだね!じゃああたしバイトあるからまたあとで!じゃあね!」
「はーい」
「菜央ちゃんすごいテンション高かったなぁ…スマホ相当嬉しかったんだろうなぁ」
新しく追加された菜央のLIZEを見つめ呟くのであった
ある日の放課後、ふと思ったことを呟く
「今年は菜央ちゃんと本格的に遊べなくなるから、塾に行きたいって親に交渉してみようかな?」
ウチの親はいわゆる放任主義で、勉強しろとも言わないし、やりたいことを自由にさせてくれるから許してくれるだろうと思ったからだ。
-夕食時-
「ねぇボク塾に行きたいんだけど…」
「ぐふっ、塾!?翔平の口から出ると思わなかったわね」
「そうだなぁ」
「ほら、小学低学年の時に菜央ちゃんが言ってたスイミングスクール以来のお願いよ」
「そういえばそんなこともあったなぁ、よし学習塾だな、家の近くの真剣ゼミナールでいいか?」
「う、うん。ありがとう。」
なんだか両親に茶化されたような気がしたが、お願いがすんなり通ったので安堵する翔平であった
「今日から塾かぁ、ボクみたいな新参者が上手く馴染めるかなぁ」
『真剣ゼミナール』は翔平の家から徒歩5分の県道沿いで、通学路でも時折見ていた学習塾である
「まぁでもやらないで後悔するよりやって後悔する方がいいか、よし行くぞー」
ガチャン
「こんにちはー」
講義室の扉を開けると、チラホラ見知った顔の人もいる
しかしかなりアウェーである
その挨拶の返事はほぼなく翔平の声は虚空に消え去っていった
「どこに座ればいいんだろう…」
翔平はキョロキョロとしていると、こちらにおいでと言わんばかりの手招きをしている男の子が目に入る
翔平は小走り気味にその子の元へと向かう
「平井くん?だっけ?」
「あっそうです、え?なぜボクの名前を?」
「え?って言われても俺隣のクラスの瀬山だけど、体育の時間とかで見てると思うんだけど」
「ご、ごめん、ボク人の名前覚えるの苦手で顔と名前が一致しなくて」
「あははは、まぁ直接関わることなかったから無理もないか、これからよろしくな」
「うん」
ガチャン
「じゃあ今日の授業やるぞー」
塾の講師の先生が入ってきた
「今日は数学のテキスト25頁からやってくぞー」
「よーし今日の分おわったー!初授業どうだった?」
「結構難しかったけどまだ学校より分かりやすかったかな」
「それはよかった、じゃあ俺親が迎えに来るからまた学校であったらよろしくな!おつかれぇい!」
「お疲れ様ー」
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