幼なじみと同じ学園生活を送りたい!-プロローグ-


---桜舞う4月---
平井翔平 中学3年生
春休みを終えて新しい学年へ人生のコマを進め、クラスのみんなが少しづつ将来について考え始める時期
そんな自分も新学期の始業式が終わった教室で将来について考えていた1人であった
ボクはひじょーにピンチである
「菜央ちゃんと同じ学校に行きたいんだけどなぁ…はぁ…」
嘉賀菜央:今年から高校1年生の隣に住む幼なじみだ
「菜央ちゃんの通う桜陽高校は偏差値高いしボクにはムリかなぁ…」
なんてボヤいていると宏斗が声を掛けてきた
一門路宏斗:中1の時から同じクラスでなんだかんだ仲良くしてくれてる友達だ
「どうしたんだ?そんな変な顔して。」
「あぁ…将来についてちょっとばかり不安でね…」
「そうかぁあんまり成績良くないから行ける高校の選択肢少ないもんなー」
「うるせぇ!事実だけど!」
「あははっ、ごめんごめん。俺はスポーツ推薦で行くつもりだから暇なとき一緒に勉強しような。」
「そうしてくれるとありがたいよ」
宏斗は少しからかい癖があるけどボクのことをよく見てくれている。
「菜央さんすごいよな、桜陽に通ってるなんて…前から成績良かったもんなぁ」
ギクッ!
突然の図星に全身が震えたボクに対して宏斗は続ける
「まさか桜陽に行きたいのか?あのレベルだと俺は勉強付き合えないぜ?」
「一応菜央ちゃんがいるから目標にはしてるけど、全教科あと30点ずつ上げないと受からない高校だから辛いなぁって…」
「まだ1年あるから分からないぜ?まぁ頑張ろうな!じゃあ俺は新入生勧誘のビラ配ってくるから!アデュー!」
「ほーい」
「ボクも帰るか…」
帰り支度は既に済ませてあるので翔平も教室を出る

家までは歩いて15分 もう2年も同じ道を行き来していて見慣れた景色が続く
帰ってからどうしようかと考えていると聞き慣れた声を耳にする
「翔ーちゃーん」
「あっ菜央ちゃん、偶然だね。学校どうだった?」
「とりあえずー友達は何人かできたよー、あと教室エアコンもあるし快適~」
「そっかぁ、ボクじゃ自分から話せないからスタートダッシュかけれないや」
「翔ちゃん昔からそうだよね~って…てかあたしの制服にはなにも感想ないの!?」
新品のママチャリを降り、翔平の横に並び歩き始める
黒を基調に水色のリボン、そして胸ポケットの下に桜をモチーフにした刺繍が入っているブレザー、黒と茶色のチェック柄のスカート
「まだ見慣れないけど…すごく大人っぽくなった気がする…」
内心かわいいとは思っていても口に出すのは憚られる
「ふふーん、取り方によっては褒めてないけどっ、まぁ褒め言葉として受け取っておくよ」
「う…うん…」
「あたし、少ししたらバイト探そうかなって思ってる。だから遊べない日が出てくるかもっ」
「あっバイトOKなんだ。大丈夫だよ。ボクも今年から受験生だし勉強しないと」
「原則禁止だけど申請したらOK!あと翔ちゃんがどこ行くかまだ予想が付かないから」
「菜央にもからかわれると思ってなかった」
なんて話していると家の近くまで来ていた
「今日は新しい友達と親睦を深めにカラオケだからまたあしたっじゃあね~」
「はーいまたねー」

翔平は自分の部屋に着くと少し窮屈になった制服を脱ぎ、部屋着に着替える。そして先程の幼なじみの姿を思い返す。
「菜央ちゃん…めちゃくちゃ似合っててかわいかったなぁ…」
口に出せなかった感情が漏れ出る
「なんか年々菜央ちゃんが遠い存在になっていく…バイトするって言ってたしもっと会える日が少なくなるのかぁ」
「少しでも会える日を増やすためにもボクも勉強頑張って桜陽に行くぞぉ~」
両頬をパチンと軽く叩き気合いを入れて勉強机に座る・・・・・・・

しばらくして頭を抱え当面の問題を口に出す
「授業始まってないし何から勉強したらいいんだ…?」
「まだ始まったばかり…大丈夫だよね…」
結局やることが見つからず、3PSのゲームを始めるのであった…

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