幼なじみと同じ学園生活を送りたい!-2話-
ピポッ
LIZEの通知を確認すると菜央からだった
『今度の日曜日バイト休みだから一緒に勉強しない?』
『いいよーどこでやる?』
『じゃあ10時に翔ちゃんの部屋で!』
『おけまる水産』
翔平はふと周りを見渡し呟く
「さすがに部屋掃除するかぁ」
-日曜日-
ピンポーン
「菜央でーす」
「はいはーい、そのまま入ってー」
「お邪魔しまーす」
2人は慣れた足踏みで翔平の部屋へと向かう
「菜央ちゃん元気してた?最近ボクたち全然会わなかったから」
「バイトとか友達付き合いとかで予定合わなくてゴメンねー」
「大丈夫だよ、でも隣の家同士なのにLIZEで話すってフシギな感覚だったよ」
「そうだねー。LIZE交換しといて正解だったでしょ☆」
「じゃあ…しよっか…?」
ドキドキ
「勉強。」
ですよねー
「勉強始める時は得意教科から進めた方がいいよ」
「なんで?」
「苦手教科からだと問題進むの遅くなってダルくなってやめちゃうでしょ?」
「うーん」
「だから得意教科から始めて体と脳を勉強モードにするのよ」
「なるほど…ってそれ去年も耳にタコができるくらい聞いたね」
「大事なことは何回でも言わないと!」
そして菜央は理科から、翔平は国語から手をつけていった
「うーん!疲れたぁ!お腹すいたね」
菜央は伸びをしてから時計を指差す
「もう1時前かぁ、お昼母さんが用意してくれてるから食べようか」
「ほんと?今度お礼言っとくね」
2人はキッチンへと向かった
冷蔵庫を開けるとポテトサラダと肉じゃがが2人分用意されていた
「じゃあボク肉じゃが温めておくからテーブルに着いといて」
「はーい、ありがとう」
チンッ
温め直された肉じゃがを持ってテーブルへと向かう
「じゃあ食べよっか」
「いただきまーす」
「うーんおいしいね!ママン料理上手だよねえ」
「毎日レパートリー増やすために料理動画とかよく見てるし」
「すごっ!料理への熱量やばいね!」
「あっそういえばあたしカフェでバイトしてるんだけど来てよ!制服かわいいから選んだんだけどねぇ」
「そうなんだ、今度行ってみるよ」
普段とはまた違う一面の菜央が見えると思うと不思議と口角が上がる
「何ニヤついてんの」
「いやドジ踏んでないかなって思って」
「しないよ!翔ちゃんじゃあるまいし!」
「あはは…」
「ごちそうさまでした」
「じゃあボク洗い物するから先に部屋戻っといてよ」
「ごはんのお礼もあるしあたしがやるよ」
「そう?じゃあお願いします」
「任セロリ!」
「ふんふふんふふーん」
楽しそうな鼻歌をしながら食器洗いをする菜央を一目見て自分の部屋に戻ろうとしたとき
ガチャーン!
ガラス食器が金属にぶつかる重い音が聞こえてきた
「菜央ちゃん!?大丈夫!?」
「ちょっと手が滑って…ごめん」
頑丈な作りのガラス食器で割れてはいないが
先程の楽しげな表情とは真逆の顔をしている
「ケガとかしてない?」
「うぅ…大丈夫」
「よかった」
バイト先でドジを踏まないか心底心配になる翔平であった
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