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IBM のブロックチェーンは誇大広告なのか?

参照元:https : //mp.weixin.qq.com/s/pb0Qzz_po7ByDLCluXAxSw
Original source: ChainNews China, written by Liu Feng:

ブロックチェーン技術を採用している大企業のニュースが全面的に報道されているときは、何か裏があるかもしれないと疑心暗鬼にならざるを得ません。

OSA DC のCEO の Alex Isaiev は、世界的な大企業がPR目的で取り組んでいるブロックチェーンのプロジェクトに疑問を呈しています。

「その理由は簡単です。プライベートブロックチェーンを利用してアプリケーションを作っておきながら、オープンで透明性があり非中央集権的なシステムであると謳っています。しかしこれらの特徴を持ったアプリケーションを実現できるのは、パブリックブロックチェーンを利用した場合のみです。これは明らかに見せかけだけの誇大広告と言えます」と同氏。

こう指摘するのは、小売業界や急速に変化する消費者業界で10年以上の経験を積んだ Alex Isaiev です。彼は OSA DC と呼ばれる非中央集権型 AI 駆動のブロックチェーンマーケットプレイスを世界で初めて開始した創設者兼CEOです。

彼は非常に端的かつ率直に指摘します。「プライベートブロックチェーン上のデータはオープンでも透明性もないため、消費者が利益を得ることは難しいでしょう。革新的なブロックチェーン技術を使うことによって、顧客と小売業界全体が恩恵を受けるということは、なぜ可能なのか、そしてどういうことなのかということを見つめ直す必要があります。同市場で声を大にしてブロックチェーン技術を語っている大企業は、語っていることと実際に行っていることが食い違ってしまっています。

Alex Isaiev は IBM が最近になって宣伝しているブロックチェーン・アプリケーション・プログラムについて直接言及しました。「IBM が何を行っているのかまず学び、アプリケーションがどのような仕組みなのか理解することが必要なステップですが、誰もこれをやらないのはどうしてでしょうか」

「そもそも、IBM は何を行っっているのでしょうか」

Alex Isaiev 氏が指摘しているのは、最近 IBM が立ち上げた新しい食品サプライチェーンブロックチェーンツール IBM Food Trust です。

IBM は、このソフトウェアは分散型元帳技術(DLT)を利用しているので食糧供給ルートを追跡することに最適であるとプレスリリースを発表しました。

それからすぐに、世界最大の小売業者ウォルマートは、新鮮な緑黄色野菜のサプライヤーに対して、2019年9月から IBM が開発したブロックチェーン DLT を使ってリアルタイムで商品を追跡するよう求めるプレスリリースを発表しました。

サプライヤーへの手紙の中で、ウォールマートは 2 つのフェーズでサプライチューン上すべてのトレーサビリティを実現するために、すべてのパートナーが IBM Food Trust ネットワークに参加することを要求しました。そして、この IBM のブロックチェーンプラットフォームを使うことによって、すべての食材の供給元を即座に知ることができると述べています。

しかしながら、ここに記載されているような商品を追跡することは「実現不可能なミッション」です。

「これらの発表は、ブロックチェーンが小売業界に革命をもたらすだろうという誇大宣伝であり、中身のない言葉に過ぎません」と OSA DC の CEO、Alex Isaiev は述べています。

「IBMのような企業は典型的なプライベートブロックチェーンを使用しています。データは非公開で透明性はありません。消費者は使う価値がないことに気づくでしょう。小売業がブロックチェーン技術の恩恵を受けるためには、より革新的なアプローチを選択する必要があります」と彼はさらに説明しました。
これはプライベートブロックチェーンで、つまり本来のブロックチェーンのあるべき姿とは程遠い、名前と雰囲気だけのものです。

IBM の公式ウェブサイトによると、「IBM Food Trust」は、「世界的大企業クラスのセキュリティ、信頼性、スケーラビリティを備えている」IBM Cloud 上で動作するサービスとのことです。

この技術の基盤は、優れた Hyperledger プロジェクト、Hyperledger Fabric — Linux ファンデーションが提供するオープンソースのブロックチェーンフレームワークに基づいており、IBM はこのプロジェクトの重要な貢献者です。

「IBM Food Trust」プログラムの参加者は、3つの SaaS(クラウドサービス)モジュールの中から、小額、中規模、およびグローバル企業向けの異なるプランを選択し、1か月に100ドルから利用することができます。サプライヤーは無料でネットワークにデータを提供することができます。

すべてのデータは一見、非常に魅力的です。IBMによれば、本プログラムは多くの機能を実現することができます。

「トレース モジュール」は、エコシステムのメンバーが、汚染、食品を介しての疾患および不要な廃棄処理を削減するために、製品をより安全に追跡できます。「サーティフィケーションモジュール」は、オーガニック認定やフェアトレード認定といった認定の、デジタル証明書の発行元を確認するのに役立ちます。同時に、エコシステム全体の参加者は食品認証をデジタル方式で導入、管理、共有することができ、証明書管理のスピードを30%向上させることができます。

「データ入力とアクセスモジュール」は、参加者がブロックチェーン上に情報をアップロードし、安全にアクセス、管理することができるようにします。

メディアの報道によると、ビジネスの規模によって、IBM Food Trust ブロックチェーンの使用料金が月額 110 ドルから 11,000 ドルまで変動するようです。

IBM は、この新しいプラットフォームが年間売上高 10 億ドル以上の企業をサポートすることもできると主張しています。毎月の料金を支払えば、企業はサプライチェーン上の食品の供給元、場所、ステータスを把握することができます。

IBM Food Trust は、IBM の市販されているブロックチェーンのソフトウェアである IBM ブロックチェーン・プロジェクト(イーサリアムのエンタープライズ版パッケージ)を土台にして作られています。

各ブロックチェーンに入力されるデータは信頼性の高いトレーサビリティを保証する必要があるので、農場、製造業者、運輸業者および小売店から得られたデータはブロックチェーン上に記録されますが、本物のブロックチェーンであれば、信頼性と高レベルのトレーサビリティを保証することができます。

しかし、「IBM Food Trust とその基礎技術 Hyperledger Fabric は典型的なプライベートブロックチェーンです。コンソーシアムの内部メンバーだけが所有しており、コンソーシアムのブロックチェーンのノード数が非常に少ないため、限られたノードだけで合意に達するのは簡単です」と Alex Isaiev氏は指摘しています。

コンソーシアムの内部メンバーが監督リンクとの合意に達すると、このチェーンは名目上のものになります。言い換えれば、目標の実現するにあたり、製品の各サプライチェーン環境の可視性を保証し、コンプライアンスを監視するために、中央集中化された組織である監督当局に依存することになります。

監督当局が仕事を適切に行っていない場合、また特定の関係者との特別な利害関係が発生した場合に、ブロックチェーンの存在の意味は失われ、それぞれのブロックに意味もなくランダムにデータを入力することになるだけです。

「小売業にブロックチェーンを導入する意義は、各チェーン上のコンテンツを可能な限り長くすることです。検証チェーンが長くなればなるほど、不正を複数集団で行う際のコストがどんどん高くなります。結果的に不正を行う経済的インセンティブが失われます」

Supply Chain Efficiencies for Produce Marketing Association(PMA)のエド・トレシー(Ed Treacy)副社長はサプライチェーン効率化について下記のように語りました。

「ブロックチェーンは、透明性の向上、食品業界の取り組みの変革、汚染された食品の調査のスピードアップ、食料の生産元の検証、食糧の流通状態と方法、に関する有益な情報を提供してくれるので、貯蔵寿命を最大化し、腐敗によって破棄処分になる商品を削減することができるでしょう。」

ライベートブロックチェーンをパブリックブロックチェーンを別物としてみてみると、検証者はブロックチェーンの命です。Alex Isaiev は、小売業界の問題を解決できるのはパブリックブロックチェーンだけであると考えています。

彼は、パブリックブロックチェーンとプライベートブロックチェーンとの比較には多くの誤解があり、コンソーシアムのブロックチェーンについては混乱している人もいるという。各ブロックチェーンのメリット、デメリット、生み出される価値、そして業界全体のニーズをどのように満たすことができるかを理解することが不可欠だと考えています。

ブロックチェーンの基本的な価値は検証者の存在であり、報酬設計が検証者にとって動機づけになります。したがって、これは非中央集権化された経済圏を作るための鍵となります
。プライベートブロックチェーン/コンソーシアムブロックチェーンの弱点は、検証者とインセンティブを発生させる報酬設計が存在しないことです」と Alex Isaiev 氏は述べています。

なぜ検証者が重要なのか。それは転送が証者に依存するからです。システムに存在する検証者が多いほど、システム全体がより安全になり、ハッキングされる可能性は低くなります。

パブリックブロックチェーンは、そのような検証プロセスやマイニングプロセスに最適なインセンティブ設計であり、ランダム検証プロセスを通じて仮想通貨で報酬を受け取ることができます。

プライベートブロックチェーンは、自社内でのみ利用するために設計されており、不特定多数の関係者との共同作業を必要としないため、インセンティブが不足しています。つえに検証者は少なくなり、集中化された組織はプロセス全体を監視します。

つまり、自律型の仕組みになることはなく柔軟性に欠けます。検証者へのインセンティブがなければ、システムは停滞し、長い間使用されるようなシステムに利点はありません。これはプライベートブロックチェーンの最大の欠点です。

それだけでなく、パブリックブロックチェーンは、社内のチームに限らず、世界中のすべての開発者が使用できます。

ハイパーレッジャーなどのプライベートブロックチェーンは、実際にはブロックチェーンソリューションではありません。非中央集権化されておらず、社内チームへの依存度が高く長期的な発展はできません。

セキュリティの問題は、ハイパーレッジャーで解決しなければならない問題で、ブロックチェーンが止めるべき最も重要な問題です。

私が食べる卵に、ブロックチェーン技術を本当に使うことができるのでしょうか。

Alex Isaiev は、プライベートブロックチェーンの限界に加えて、IBM と Wal-Mart を代表例として、アプリケーションに利用するためのサプライチェーンにおけるデータ収集には多くの欠点があると考えています。

「私が食べる卵にブロックチェーン技術を利用することはできますか?」Alex Isaiev はこの質問を提起しました。

この質問に答えるためには、Alex Isaiev は Walmart のような大規模小売業者の農作物のデータ収集プロセスをまず理解することから始めることを提案しています。

Walmart は、IoT(Internet of Things)を使って情報を収集し、プロセス全体を自動化および標準化しています。農場の現場では、この小売業者の情報収集の現状は下記のとおりです。

まず、鳥の足につけた RFID タグを使って、鶏が鶏舎を出入りする際に一匹ずつ識別し、重さと写真を撮影します。他の動物は耳に識別タグがつけられており、活動状況と位置情報が記録されます。


また、情報収集システムを通じて、飼養または栽培プロセス全体の重要な情報を収集します。例えば、温湿度センサにより鶏舎や野菜温室の温湿度を取得し、照明やCO2濃度センサを介して野菜温室の光強度とCO2濃度情報を収集し、土壌水分を検出して収集・記録します。サプライチェーン上のプロセスで鶏舎の記録ビデオ、野菜温室と寒い倉庫のライブビデオをカメラで見ることができます。

Alex Isaiev は、最大の問題は、収集された情報が単一であることだと述べています。鶏を例にとると、鶏が走って餌を食べるのを見ることができますが、各製品に追加されたバイオメトリック技術はデジタル化できていないため、農場のいたるところで鶏をリアルタイムで監視する方法がありません。

明らかに、ステークホルダーと現在の IoT のアプローチは、小売業の課題を本当の意味で解決していくことはできません。Alex Isaiev は、これが OSA DC を設立した理由であると述べています。

小売業界の直面するこれらの問題提起を行うことは、非中央集権型のパブリックブロックチェーンと革新的なアプローチ方法を追求することに他ならないことです。

言い換えれば、サプライチェーン全体に分散しているデータを収集し、機械学習を使用してこのデータを処理、分析、加工することが、小売業のオペレーション上の課題と市場参加者を
の関係性をデータの観点から平等にしていくための OSA DC の主な戦略です。

OSA DC は、既存のビッグデータ市場を非中央集権型のソリューションへと変えて、分裂している関係者達を統一しようとしています。理想的には、世界中の小売業と何十億という消費者の力を統合し、スマートな購買行動のできる消費者が存在する世界を実現したいと考えています。

Alex Isaiev は、OSA DC は、データプロバイダの利益と消費者の利益をスマートコントラクトで保護し、製品のレビューと報酬がパブリックブロックチェーン上の主要業績評価指標(KPI)として設定されており、セキュリティの担保と不正を防止すると述べています。

透明性を確保するために、OSA DC は明確でシンプルなソリューションを提供します。消費者は OSA DC の最も重要なデータプロバイダの1つになり、プラットフォーム上の他のデータプロバイダと同じアクセス権を持ちます。

その結果、消費者は意思決定者になります。提供されたデータを使うことによって商品価格が安くなったり、小売店に対してより良い製品やサービスを提供するよう動機づけることが
できます。


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OSA DC ウェブサイト https://osadc.io/jp/
マンガでわかる OSA DC: https://osadc.io/jp/mangabook/

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