審判の自動化

 日本球界は大体MLBの後追いでいろんなルールを追加する。ビデオ判定なんかもそのうちの一つで、判定周りの不備を解消するのが目的なのだろうが、今でも誤審は度々目にする。そりゃ審判も人間なので、ミスもするというのは確かにその通りだが、ミスが許されない状況というのはある。医者がミスしたら患者は死ぬ。医者も人間だからミスはするだろうが、だからと言ってミスが許される訳では無い。

 ここでよく言われるのが、審判の自動化だ。これが実現出来れば、確かに誤審は無くなるだろう。誤審をしないような自動化がなされればであるが。
 仮に、技術的に誤審をしない審判AIなる物が現われたとしても、また別の問題が現われるだろう。審判が失業するというのも確かに問題に挙げて良いだろうが、見ている人間がどうなのか、というのも問題の一つだ。

 しかし、タイムを競うような競技では、タイムの測定を人間が1、2、3・・・と数えている訳では無い。その事に不満を持つ人はいないだろう。審判はもう既に自動化されており、人間が審判をしていない事について文句は出ていない。仮に、球界から生身の審判が居なくなったとしてもこれと同様に、恐らく、みんなそのうち慣れる。ただ、技術の発展の後にも生身の審判が必要であると仮定して、審判をどのような立場で扱えばいいのだろうか。
 審判にも競争を導入すれば良い。

 今まで通り審判を設置し、何らかのビデオ判定や、リクエスト制度なども設置し、今まで通りに審判をやってもらう。そうした審判の判定を、外部が評価し、公表し、あまりに誤審が多いようなら何かしらの処分をするようにすれば良い。処分というのは何でも良いが、罰金とか、そういうのだろうか。もちろん、罰金が良いと言っている訳では無く、そうした一種のペナルティが必要だろうという事だ。これも個々の判定にではなく、全体として一定以上の誤審で処されるような物でも良いだろう。
 少なくとも選手は、プレーが不甲斐なければ、ペナルティではないが、間接的にそのような評価をされる。ならば、同じ場にいる審判に対して同様であっても良いだろう。この時の外部の評価に、審判AI機能などを活用すれば良い。

 しかし、そもそもの前提として、そのような審判AIのような物は現れていないし、現れるかもわからない。ただ、審判も何かしらの評価をされるべき存在であるはずだろう。

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長田修悟
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