見出し画像

発する言葉が真意とは限らない

友人から「他人から言われた言葉に、深く傷ついた」という趣旨の話を聞いた。

詳しく聞くと、確かにその友人が最も傷つくであろう言葉を、あえて選んで放ったような内容だった。

同時に、果たしてそれが相手の真意なのか?とも疑問に思った。

もちろん表層的にはその言葉通りの考えがよぎったかもしれないけど、それが心の底から伝えたいメッセージだとは思えない。もっと根底、奥底に本当に言いたいことがあったんじゃないだろうか。

それでも、その友人には実際に言い放った鋭いナイフのような言葉が、文字通りの意味で届く。

そしてその文字の意味以上に、何倍ものパワーで友人の心をえぐった。

その話を聞いて、本当に言葉をうまく使いこなせる人なんて、ほとんどいないんじゃないかと思った。

そもそも言葉にする前に、自分の本当に伝えたいことを脳で掴まなければならない。その後にうまく表現できる言葉を探し、相手に届ける。

また届けた後に、うまく届いているかなんてわからない。
相手がその意味を正しく受け取るかもわからないし、理解(同意)を得られるかなんてまた別のフェーズもある。

話し合いをしよう、なんて簡単に言ってしまうけど、とんでもなく複雑な行為であることを胸に止めておきたい。

だから誰かが、「語彙力や言葉選びは、武器のようなものだ」と言ったのかもしれない。
自分の考えをうまく言葉にして届けるには、語彙力や文章力が必要だから。
想像以上に人の心をえぐるものだから。

そんなことを言っておきながら、私は身内に対して未熟な言葉選びをすることが未だにある。もうすぐアラサーと呼ばれる年代なのに。

感情のまま、相手にダメージを与えるのに最適な言葉を選んでしまったり。
本当に伝えたいことを表す言葉を見つけられず、頭に浮かんだ言葉を無責任に口に出してしまったり。

言った本人はすぐに忘れるけど、言われた方は比喩でなく、一生覚えていることだってある。

良くも悪くも、言葉の取り扱いには十分注意したいと思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?