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セブは、ほぼ動物園と思った話
夜、カフェからの帰り道にジプニー(乗合バス)からボケーっと外を見ていると、突然2メートルくらいある白い牛が視界に現れた。
想像外には慣れてきたつもりだったけど、色んな意味でかなり驚いた。
普段は人のいない更地にいる牛が、大通り近くのガソスタまで出てきていたのである。
それを見て思ったけど、セブは街中で出会う動物の数がとても多い。
家に着くまでの間にポンポンと思いついたので、愉快なセブの仲間達を紹介
したいと思う。
(1)野犬
セブはフィリピンの中でも、他の東南アジアと比べても圧倒的に野犬が多い。比喩でもなんでもなく、道を1分歩けば必ず一匹は出会う。
ただセブの犬はとても穏やかだと思う。ただウロウロしているだけで、襲ってくることはもちろん付いてくることもほぼない。
フィリピン人にその話をすると、「セブの犬は教育されてるんだよ」と話していたらしい。多分、それはないだろうね。
ちなみにタイの野犬は、とても怖い。凶暴だ。
過去に2回、タイで野犬に追っかけ回されてからトラウマになっているのだ。それも夜に。
セブではたまに道端で、完全な脱力状態で横たわっている野犬を見る。
あれは死んでいるのか、寝ているのかどっちか本当にわからない。
セミ爆弾のように急に起き上がってくる可能性もあるので、なるべく近づかないようにしている。
(2)ヤギ
オフィスの周辺に、朝の時間帯によくヤギがいる。
本当に人間の膝丈くらいの小さいやつだ。
母親らしきヤギが先頭をトコトコ歩いて、その後ろを子供らしきヤギが2~3匹トコトコ追いかけている。とても可愛い。
家畜なのか、野生なのかは分からないけど、フィリピンの人はヤギ肉が好きだから気をつけて欲しいと思う。
(3) ニワトリ
よく家の玄関先に、足を紐で繋がれたニワトリがいる。
日本で想像する白と赤の鶏ではなく、9割くらいは黒い毛並みに金っぽいメッシュが入ったワイルドな奴だ。
彼らの多くは家畜ではなく、ギャンブルに使われる。
フィリピンの娯楽の定番、闘鶏である。
一部のフィリピン人の男性は、この闘鶏に魂をかけている。
中には自分の食事代より、鶏のエサ代にお金をかけている人もいるらしい。
目的はただ1つ、より良い鶏を育てて、闘鶏で勝つことだ。
その勝利の先に求めるのが懸賞金なのか、プライドなのかは分からないが、とにかく闘鶏を愛する人が多い。
ちなみに闘鶏は、政府が決めた公共の闘鶏場以外で実施することは違法だ。
でも実際はこっそり隠れて闘鶏をしている人が、大多数なんだとか。
闘鶏に負けた鶏は、無惨にもバトルステージのすぐ横でチキンスープ等に調理される。
チキンスープに姿を変えた我が子を、元飼い主が口にするのかどうかは知らない。
(4)豚
これは流石に、生きた状態でウロウロしているわけではない。
ただフィリピンではお祝い事の時に、「レチョン」という豚の丸焼きを食べる風習がある。
そしてクリスマスの時はこのレチョンがたくさん出回るので、街中で豚に出会う回数がグッと増える。
彼らの多くはすでに調理されて、白い布に包まれ、足を繋がれた棒を前後から担がれて運ばれていく。
初めは子供などが包まれているのかと思い、とてもびっくりした。
ちなみにレチョン状態の豚の顔面は、かなり迫力がある。
断末魔がそのまま残っている訳ではないが、本当に丸焼きなのでこんがり焼けた顔が、デンとテーブルに横たわっているのだ。
一匹まるまるは2万円弱する高級品だけど、ぜひ一度体験してみて欲しい。
以上がセブ動物園の主要メンバーたちだ。
他にもヤモリやアリンコ、野良猫やたまに馬もいるが割愛する。
並べてみると家畜的な動物が多く、ただサプライチェーンが生活のすぐ近くで行われているという話かもしれない。
ただデカい動物が、そのあたりをウロウロしていると言うのは結構面白いもんです。