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個人主義のキャリア観に、共生の視点を

こんばんは
キャリアカウンセラーの小坂(おさか)です!

最近、仕事以外の時間で福祉関係の方々と
お話させていただくことが多くなりました。

これはなぜかというと、現在妻とともに、
11月18日に尼崎で開催される「ミーツ・ザ・福祉」に、
広報メンバーとしてかかわるようになったからです。

ミーツ・ザ・福祉では、
障害当事者の方やヘルパーの方、学生さん、
コミュニティデザイン関連の方など
多様な方々と一緒にひとつのフェスを作り上げています。

私は普段は、
メーカーの研究職/キャリアカウンセラーとして
活動していますが、ここで関わった人たちは、
日常ではなかなか関わる機会のない人たちでした。

そして、普段お話することがない方々と話をする中で、
最近キャリアカウンセラーとしての自分のあり方に
疑問をもつようにもなりました。

私は、クライアントの方とお話をするとき、
どんな人でも、自分自身を正確に把握し、工夫をすれば
自分の力だけで進みたい方向へ進んでいくことができると
思っていました。

これは、弱かった私自身が今、
キャリアカウンセラーとして活動できている
という成功体験があったからです。

私自身のことをふりかえると、
会社や周りの人の言うことにふりまわされて、
そんな自分のことを情けなく感じたり
辛く苦しい思いをしたことがありました。

「今までの流されてきた生き方をやめて、
自分で意思決定をして生きていく。」

あの時、そう決めて行動し
自分の思いと行動力でグイっと人生を動かしたことは
私にとっては大きな自信になっています。

ところが最近は、福祉関係の方々と関わる中で、
本当に幸せな人生を生きるためには、
個人のキャリア形成だけではなく福祉的な考え方、
特に共生の視点が必要なのではないかと
思うようになりました。

福祉の考え方として、
自分ひとりが幸せになるのではなく
すべての人が幸せに生きられるようにする
というものがあります。

そのためには、個人でできることだけではなく、
みんなが暮らしやすいように地域や社会を変えていく
という視点が重要です。

また福祉においては、その人のおかれている境遇は
個人の努力不足、責任能力の欠如ではなく、
社会的環境の影響が大きいととらえます。

例えばホームレスの人については、
本人に生活力が無いからホームレスになっているのではなく、
その人がホームレスにならざるを得なかった
社会環境に問題があるということですね。

私を含め、
個人のキャリア支援に関わる方の多くは、
今の社会の中で、個人がよりよく生きるためにはどうすればいいか、
という視点で支援をされているように思います。

よく、キャリア支援の界隈では
「自分の人生の責任をとれるのは、自分だけ。」
という言葉を耳にすることもあります。

確かにそれはその通りなのですが、
自分の人生をどう生きるかという
個人のキャリアにフォーカスしすぎるのは
危険だと私は考えています。

なぜなら、
自分の人生を生きることに必死になりすぎると、
自分以外の人に目を向ける余裕がなくなるからです。

この世界では、
自分の力だけで何でもできるわけではありません。

今の社会には、
富める者はますます富み、貧しき者はますます貧しくなる
構造があると私は感じています。

そのような構造の中では、
個人主義・能力主義が強くなっていくと同時に
個人の努力などでは到底挽回できない、
社会格差も発生します。

誰しもが、自分のありたい姿で生きたいのに
そう生きられない状況が発生する。

人生を豊かに生きるために、
個人にもできることもありますが、限界もあります。

私もいろんな方のお話を伺う中で、
私やクライアントの努力ではどうにもならない
状況に直面し、モヤモヤしたことが何度もあります。

今の社会の仕組みをどううまく利用するか、
そもそも今の社会の構造に疑問を持ち、
ひとりひとりが幸せを感じられるように
社会を変えていきたい。

福祉の視点を得て、
私のキャリアカウンセラーとしてのあり方も
少しづつ変わってきているように思います。


今日は、
個人主義のキャリア形成に、共生の視点を。
という内容でお話させていただきました。

近年、「自分がよりよく生きたい」
という個人の欲求が強くなり世界はどんどん個人主義に
傾いてきている印象があります。

しかし、個人主義に偏りすぎると、
人への思いやり・やさしさの価値が
見えにくくなってしまうように私は思います。

私はこれからも、キャリアカウンセラーとして、
自分の人生と向き合い、
自分の人生を自分で決めて生きていきたい
方を対象にキャリア形成の支援を行っています。

その上で、
自分の周りにいる人が悲しい思いをしないように、
自分を変える行動だけではなく、
社会を変える取組みも行っていきたい。

最近はそう感じています。

今日はここまでです!
読んでいただき、ありがとうございました。

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