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9/22~ 最近見たもの聞いたもの

石のファイト・クラブ。

このnoteには以下のコンテンツのネタバレが含まれるかもしれません。


侍タイムスリッパー

めっっっっちゃくちゃ面白かった!!!!!!!!!!!!!
なんか話題になってんなー、くらいの軽い気持ちで見に行ったら今年ベスト級に良かった。最高だ。
あなたもまだ見ていなかったらこのnoteを閉じて見に行くべきだ。
いつまでやってるのか知らないけど。








一方通行なタイムスリップものというとタイムスリップした人間がその先の時代に順応するパートを長々描きがち、というかそこがメインになることが多いと思うんだけど、この作品はそこがかなりサラッとしていてそのテンポ感も面白かったな。もちろんその後の展開を描きたいからこそなんだろうけど。

タイムスリップしたことを呑み込むのもかなり早かったしな。
気がつけば仕事を得て、気がつけば髷をおろし、気がつけばポロシャツを着ていた。ポロシャツで画面に現れたところすげー笑っちゃった。

そして二人目の侍タイムスリッパー、いや、時系列でいえば一人目の侍タイムスリッパーが現れてからのギアの上がり方よ。
なんか全然想像してなかったな。全然想像していなかったのに「貴殿でなければ」という言葉を耳にした瞬間「あっ!!!!!!!!!!」という気持ちよさが走った。

中打ち上げでの「江戸の時代も遠くなりました」という言葉、すごかったな。
周りの人間たちには「時代劇が衰退した」という意味に聞こえるが、侍タイムスリッパー二人にだけはきっと言葉通りの意味なのだ。
その遠い昔に仲間たちが儚く散ったことを唐突に渡された紙の上の文字だけで知ることの残酷さ。

映画館での静寂の美しさよ。
このnoteで一体何度書いてるんだかわからないが、僕は本当に映画館で味わう無音のシーンが大好きだ。
全身にビジョンが突き刺さるような感覚になる。

美しい決闘だった。
あーーーーいい映画だったなーーーーーーーー。

トチアキタイヨウは踊る

明日のアーによく出ているトチアキさんの踊り。

なんか、行けるじゃん、くらいの気持ちで見に行ったらすごく良かったな。

観客の棒。
今回の催しにおける観客たちは等身大の身体を持つ人間たちではなく、この棒の先にぶら下がっている"これ"というていだった。
"これ"になって踊りを見た。

なんだか不思議な感覚だった。映画と舞台の中間のような。
舞台演劇や踊りなどは人間の存在から発せられるエネルギーを直に浴びるようなものなので、特にそれの質が良かったりするとエネルギーの濁流に溺れそうになったりするのだが、"これ"を通すことによって飲み込みやすくなっていたような気がする。

でもこれはトチアキさんの踊り自体の特性もあるのかもしれないな。
サラッと飲み込めるのに頭や内臓がグングン動くような踊りだった。

踊り終わったトチアキさん自身も言及していたが、"これ"がほぼ絶えずゆらゆら揺れていたことが双方に大きく影響していた気がする。
細い棒の先にぶら下がっているのだから、むしろ止める方が難しい。
なにかを鑑賞する際はじーっと止まってお行儀良くするのがマナーとしてなんとなく正しいということにされているが、そもそもなにかを受け入れる・自分の中で処理するということをするには身体を止めないほうがいいはずだ。
小さな観客が自分の前でゆらゆら揺れているだけで、どこか自分の中の回路の流れが良くなっていたんじゃないだろうか。

洗練された身体の、洗練された動きを見るのはとても心地良い。
また行きたいな。

アフター・スクール・タイム / シャニマス

これ読んで聴く拝啓タイムカプセルヤバすぎる!!!!!
オープニングでもう泣きそうだった。
なんて美しい関係なんだ……。

「大切な相手が思っているアナタを───
アナタ自身も、大切にしてほしいわ」
↑ありがとう……。

このディティール面白い。

真夜中の虹

友人に勧められて見た映画。
すげー映画映画してて面白い。

不要になったものとかをスコン!と捨てるのが気持ちいい。
道路に投げ捨てた帽子が直後に轢かれるのとか面白い。
車に乗って発信した直後に車庫が崩れるのとかもはやギャグだ。

会話も良かったな〜。セリフがいい。
説明的なセリフなんて全然ない。言葉だけ抜き出すと全然会話が噛み合っていない。なのに人物の口から発されることでちゃんとキャッチボールになっている。すげー。

全財産を奪われたのに「犯人を探し出して絶対に取り返してやるぜ!」とならず「じゃあ……働くか……」となるのもすごい。見続けたら犯人への憎しみもしっかり抱えたままだったし。
なんかその割り切り方がすごかったな。
自分の置かれている状況が急に変わったときって「一気に変わっちゃった!どうしよどうしよ!」でしばらくワタワタしちゃいませんか。僕はそうです。
なのにこの主人公は急に状況が変わってもそれ自体はすぐに受け入れて、「じゃあ、どうする」を即座に始められる。
すげー。
そうなれたらいいけどね。
すげー。

if(!Straylight) / シャニマス

自分を納得させるためだけのしょうもない自己否定の嘘を、冬優子が否定してくれて嬉しかった。
結果がどうあれ一歩踏み出したことまでもいっしょくたに否定することを、冬優子が否定してくれて嬉しかった。
冬優子がなげた「もしも」の問いに、一番言ってほしいことをシャニPが言ってくれて嬉しかった。

そば屋の店長が出てきて嬉しかった。
愛依の弟がいじらしくて嬉しかった。
あさひが「"なる"じゃなくて"する"」って言ってくれて嬉しかった。

アイドルマスター シャイニーカラーズ 事務的光空記録

ありがとう、アイドルマスターシャイニーカラーズ事務的光空記録。

なみちゃんの靴を脱いで、にちか自身の力で笑顔にするんだ。
新しい靴を買い直して。

マルホランド・ドライブ 4Kレストア版

好きな映画が映画館で見られる機会が来たら見たほうがいいということを僕は知っている。
映画は映画館で見るために作られているからだ。

マルホランド・ドライブって睫毛が綺麗な映画だな。
睫毛好きだ。

当たり前の話かもしれないけど、マルホランド・ドライブってなにも知らない状態で見るのとなんとなくカラクリを知ってる状態で見るのとでは味わいが全然違うな。
初見の時の「なんかわけわかんないけど面白い!」という感覚が二度と味わえないと思うと少し寂しい。
でも今の味わいも嬉しい。

劇場のシーン、いいよなあ。クラブ・シレンシオ。

あの青い箱ってグッズとして売ってたりしないのかな。欲しいな、あの青い箱。三角の青い鍵と一緒に。

どうやら売ってないらしい。