9/15~ 最近見たもの聞いたもの
このnoteには以下のコンテンツのネタバレが含まれるかもしれません。
夜と霧 / ヴィクトール・E・フランクル
ナチスの収容所に収容されていた精神科医の本。
伯父に「ヴィクトール・フランクルの本とか読め!」と言われメモだけして数日経った頃にXでもオススメの本として流れてきて、短期間に二度も自分の人生に登場したのだから今読むべきなのかもしれないと思い、購入。
極限状況における心理的な反応が、当事者でありながら大部分は客観的につらつらと書かれている。
精神的には死んでいると言っていいほど疲弊しきった人間であっても「美しさ」を感じることはできたという話はとても嬉しかった。
死に向かってどんどん衰弱の一途をたどっていても、身体的に死ぬその瞬間まで美しいものを美しいと感じることはできるんだ。
映画[Focus]のラストシーンを思い出す。きっとあの瞬間「俺の人生ももう終わりだ」と思っているはずなのに、口から出るのは「これ綺麗だから撮っとこうよ」という言葉。
もうこの先終わるだけの人生でも、美しいと思えるんだ。
あと、「収容所から出たあとに収容所での出来事を講演会などで話している妄想をしていた」という話が興味深かった。というか、僕も経験がある。
つまり、現在の出来事を未来から見た過去だと思い込むことで現在の苦痛から逃れようとするのだ。
僕も徒歩で日本一周していたころ、「日本一周を終えたあとに日本一周がいかに大変だったかをラジオやインタビューで話している妄想」をしょっちゅうしていたものだ。
もちろん生死が隣り合わせの収容所での生活と自ら課した徒歩日本一周が同じ苦しさを持っていたとは思わない。思わないが、そこには確かに苦しみがあり、常にそこからどうにか逃れられないか考え続けていた。
しかし視野狭窄に陥った当時の僕には「歩き終える」以外の終わらせ方がわからず、苦しみながらただ歩いていた。
あの日々は今の僕の糧になっているのだろうか。
そういえば日本一周の途中のいつかに、伯父に旅が辛いことを話したら「若い頃に限界まで辛いことを経験しておけば、これから先の人生で『あの時よりはマシ』と思える」ということを言われた。
そうかなあ。苦しかったことは覚えているが、あの頃の苦しみ自体はとっくに身体から抜け出てしまった気がする。
今現在の苦しみの方がよっぽど心を刺してくる。
本とは直接関係ないが、最近伯父に対して「この人ってこんなに博識で感性的な人だったんだ」と感じることがちょくちょくある。というか最近は会うたびに思っている。
母の兄であるからか母や僕に対して語気がやや荒く、学生時代ボクシングをやったりしていた体格の良さなども相まって、なんだか子供の頃はこの人のことを粗野な人のようにぼんやり感じていた。
でもそういえばこの人も美大出身の彫刻家であり、作品を見ればそこには繊細な美しさがあったのだ。
近しい親戚でありわりとしょっちゅう会っていたのに、表面的な印象だけでずっと接してきていた気がする。
ここ数年は伯父と話したあとに出てきたことについて考えてみたり、伯父が勧めてきた本や映画を見てみたりしている。面白い。
僕も誰かの人生のこのポジションになりたい。
だが僕は一人っ子なので甥や姪ができることはないのであった。
いつか友人の子供とかをめちゃくちゃ可愛がろうと思う。
みくのしん生 / みくのしん
すごい。二冊目にしてめちゃめちゃ読みやすくなっている。
写真と文の間に余白が全然ないけど。
入院日記面白かった。入院ってしたことないな。
「いやまあ、今入院してるんでね。ほんとは色々やったりしたいんだけどね。入院してるから。」というふうに仕方ないんですよという顔をしながら暇を持て余したい。暇なんていつも持て余しているのだが、そのとき内側は焦っている。
「入院」という仕方のない状態を付与され、対外的に正当な言い訳のもとに暇を持て余してみたい。
それにしても病院食でこんなに喜んでる人って初めて見るな。
後半の沼津に行くパートもすごい。
なんか、絵本みたいなんだよな。「にこっ。」のところとか。
写真集的でもある。「みくのしん写真集化計画」とかいうのがあったが、気がつけばこんなにもしっかりと実現している。
これからもこれからも、これからも、死なないで、文字を紡いでほしい。
ンキッャヒ展
みなはむさんの絵が好きなので、見に行った。
毎月ネットプリントで登録してくれているカレンダーとかも印刷して部屋に貼っているが、やはり原画というものはそれそのものに強いエネルギーがこもっているので一層見ていて楽しい。
この絵が好きだった。買えたら買いたいなとか思ったが、見に行った日にはもう買い手がついていた。
こういう展示の仕方が好きだ。
僕の部屋の壁もこんな感じになっている。
ただ埋めればいいというものでもない。大小さまざまなその一つ一つに想いがこもっているからこそ密度が生まれている。
シルクスクリーンのTシャツを購入した。かわいい。
續さすらいエマノン、續々さすらいエマノン
いいな〜。いいけど、これって尻切れトンボってこと!?
もっと描いてよ〜。
鶴田謙二の絵とエマノンというキャラクターがめちゃめちゃマッチしていて気持ちいいのに。
原作読もうかな。
羅生門 / 枝田
ああ、自分には無い、他人に左右されない、確固たる自己を持っているんだ、なんて眩しいんだ、と思った人が「大学生の彼氏が」とか言い出したら本当に悲しくなってしまうかもしれない。
老婆→ババア→馬場なのだろうと思うとちょっと面白い。
口に関するアンケート / 背筋
ちっちゃ〜い。そしてシュリンクがぴっちりすぎて開けにくい。
書店で購入して電車内ですぐ読もうとしたら全然開かなくてしばらく格闘した。
構成が面白い。
ここ数年の夏って暑すぎて昼より夜にセミ鳴いてますよね。
アニメ アイドルマスターシャイニーカラーズ2nd season 第3章
最終話のライブシーンでノクチルが花道を走るとこめっちゃ良かったな〜〜〜。
ノクチルって走ってるときが一番いいんだから。
また5thを思い出していた。最近しょっちゅう思い出している気がする。
シャニPがバンガローでカレー食うときもスーツだったのちょっと面白かったな。まあ仕事っちゃ仕事なんだろうけど。
あすみちゃんってもうアイドルは目指してないのかな。なんか一回オーディションの直前で逃げたからって全然再挑戦していいと思うんだけど。
まあ本人の気持ち次第ではあるけど。最近出たPSSRでその辺も書いてたりするのかな。
欲を言えばシーズの匂わせもしてほしかったけど……。
シーズとコメティックのARライブを楽しみに待つか。
ザ・キンクス 2巻
ザ・キンクスってすごすぎる。
特に2巻の最後に収録されている15話。
全ての見開きがすごい。
特に映画館のスクリーンの向こう側からこちらを見ている絵。
読みなさい。