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「エドワード・ゴーリーを巡る旅」へ行ってきた

元々は映画「シンパシー・フォー・ザ・デビル」を見に行く予定だったが、何故か「車未所有民お断りやで」みたいなアクセスの映画館でしか上映しておらず、諦めるしかなかった。私は自動車産業が盛んな都市に住む自動車未所有民である。

後々ちゃんと調べたら職場近くでやってたので横転。クソッ…。

いつも行く映画館は「ロングレッグス」の方を上映するようだ。
(流石にキチ顔ケイジの映画を同月中二本上映するのは微妙か。知らんけど。)

楽しみ。ゴア描写次第では配信に切り替えるつもりだけど。

私はニコラス・ケイジの変な映画が好きだ。どんな表情もフフ……となるから凄い。
まぁ「ウィリーズ・ワンダーランド」、「マッシブ・タレント」、「ドリーム・シナリオ」しか見たことないのだが。あとは「カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇」と「PIG」をウォッチリストに入れている。
入り口を間違えたためにニコラス・ケイジ遍歴が王道からちょっと外れている気がするので、おすすめとか代表作とかあったら教えてほしい。

閑話休題。見れないものは仕方がないので、この日はニコラス・ケイジじゃない別のユニークなおじさん、エドワード・ゴーリーにお世話になることにした。
映画館から展示会場までそう遠くもないし、PARCOでチラシを見た時に気になってはいたので、場当たり的でもヨシ。

「ギャシュリークラムのちびっこたち」と「うろんな客」くらいしか知らなかったが、そういうニワカ中のニワカの私でもちゃんと楽しむことができた。ギャシュリークラムのちびっこたちは通ってきた大体のジャンルの二次創作でパロられていたので、変に馴染み深い。オタクが変なところで教養深くなる一因はこういうところ。
今回は本家が見れて嬉しかった。

もちろん真剣に鑑賞してはいたのだが、途中ゴーリーの描く虚無顔の子供がどうしてもマーフィー君に見える呪いにかかってしまい、傍から見てかなり気味の悪い感じになっていた可能性がある。可哀想な目にあう子供の絵の前でニチャ…と小さく笑っている女、ヤバすぎる。

良ければギャグ漫画日和を一度読んでみてね。大納言あずき!

マーフィー君は松尾芭蕉のお友達(ぬいぐるみ)で、芭蕉の涙の匂いがするらしい。
弟子の曽良くんによって首を裂かれたり目と口を縫い合わされたりと惨すぎる扱いをされている。中身は調べるまでもなく綿である。余談なのでどうでも良いです。

絵本の1ページずつ展示されている「不幸な子供」を鑑賞中、前方の家族連れからあまりにも致命的なネタバレを食らった。
子供が「これってこういうことかな?」と解釈を述べる度に「違うでしょ!これはこう!」とお母さんがデカい声で逐一訂正する(訂正内容がネタバレ)という、そこ一帯の誰ひとりとして良い気分にならない状況だった。
一緒に来ていたお父さんは連れてこられた感満載というか、そもそも俺は乗り気ではないんですけどみたいな雰囲気で、やる気がないなら帰れと言われたら本当に帰りそうなオーラを放っていた。
日曜のイオンにいるような錯覚に陥った。土曜日の美術館にいるはずなのに。
疲れた父親全員が使える固有結界は、凄い。

展示の映像で見たケープコッドのゴーリー・ハウス、いつか行ってみたい。
メチャクチャ素敵な家だと思う(今は博物館になってるけど)し、この家に移り住んだ後のゴーリーの過ごし方がザ・穏やかで楽しい老後という感じで、老後家どうしよう問題がずっと心にある私に刺さった。ブッスリ。
私も自分の一軒家が欲しい。
(段々ゴーリー・ハウスそのものから終の棲家問題に思考がズレていった感は否めない。)

最近はSNSの影響で物が少なく洗練された空間こそがシャレオツなのだと思い込んでいたため、本やアート作品や拾い物(石とか枝とか)で溢れているのに素敵なゴーリーハウスが新鮮だった。コレクションは「物の蒐集」ではなく「物の蓄積」らしい。
積極的にパクりたい表現だ。

まぁ、そもそもコレクションしているものがカッコいいかとか、その家に住んでいる本人がカッコいいかとか、そういう要因もデカいんじゃ…と思わなくもない。
実際、私が集めがちなものはコミックやら円盤やら透明の板なわけで…。
素敵に見せるのって至難の技だよな…イカしたインテリアにはプラスチックはご法度らしいじゃん?好きな物は見せたいし日常的に視界に入れたいから変に隠すのも嫌だし。
ね?

オタク・インテリアの話に収束してしまったが、展示はどれも興味深くて楽しかった。
マーフィーくんで集中できない瞬間があったことは私の感性が終わっているせいであり、ネタバレを食らったのは入場タイミングの不運のせいでしかないので安心して鑑賞しに行って欲しい。まそっぷ



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