武田薬品工業 企業分析
こんにちは!!21卒で製薬業界を中心に就職活動したくすり太郎です。
今回は武田工業製薬についてまとめさせていただきました。いつもならESを公開するところですが、武田薬品工業はエントリーしていない(TOEICの点数足りなかった笑)ので、企業分析だけさせていただきます。武田薬品工業の選考を受ける方、製薬企業の研究職を受ける方の参考になればと思います。ぜひご覧ください。
概要
武田薬品工業は売上高国内1位の製薬企業です。外国人CEOのクリストフ・ウェバーさんや約6兆円シャイアーの買収など話題になっています。近年、多くの会社を買収することによりパイプラインを拡張しており、08年に米ミレニアムを約9000億円で、17年に米アリアドを約6000億円で、19年にアイルランド・シャイアーを約6兆円で買収しました。今まさに世界で売上高トップ10に入り、グローバルファーマの仲間入りを果たしました。現在、負債の圧縮を進めるため、非中核事業の売却を進めています。武田コンシューマーヘルスケアが米投資会社ブラックストーンに売却されたことや本社ビルの売却をしたことは大きく報道されました。今後、14グローバルブランドの成長、重要開発品目であるWAVE 1 の早期上市、多額の有利子負債の圧縮を目指します。
開発品目 (2020年12月現在)
武田薬品工業は重要な開発品目として「WAVE 1」としています。簡単に各品目の発表されている情報をまとめます。発表されたとおりに売上高が拡大されれば、30年には売上高5兆円に到達すると推測されています。
・TAK-788 (mobocertinib)
適応:EGFRエクソン20挿入変異を有する非小細胞肺がん (NSCLC)
起源:アリアド
開発状況:21年度に承認(米)、23年度に適応拡大(米/欧)予定
ピーク時収益予想:3~6億米ドル
・TAK-924 (pevonedistat)
適応:高リスク骨髄異形成症候群 (HR-MDS)
起源:ミレニアム
開発状況:22年度にHR-MDS承認(米/欧/日)、24年度にAML承認予定
ピーク時収益予想:4~8億米ドル
・TAK-007
適応:複数の血液がん(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、慢性リンパ球性白血病など)
起源:米がんセンター
開発状況:24年度承認予定
ピーク時収益予想:7~15億米ドル
・TAK-620 (maribavir)
適応:サイトメガロウイルス(CMV)感染症 (特に移植後CMV患者)
起源:シャイアー
開発状況:21~23年度に承認、適応拡大(米/欧)予定
ピーク時収益予想:7~8億米ドル
・TAK-609
適応:ハンター症候群の認知機能障害
起源:シャイアー
開発状況:21~22年度に承認(米/欧)予定
ピーク時収益予想:<1億米ドル
TAK-611
適応:遅発性乳児型異染性白質ジストロフィー(MLD)
起源:シャイアー
開発状況:24年度に承認(米/欧)予定
ピーク時収益予想:3~4.5億ドル
TAK-755
適応:先天性血栓性血小板減少性紫斑病
起源:シャイアー
開発状況:23~25年度に承認(米/欧)予定
ピーク時収益予想:10~15億ドル
TAK-935 (soticlestat)
適応:てんかん性脳症
起源:自社
開発状況:第3相試験開始予定
ピーク時収益予想:非開示
・TAK-925/TAK-994 (オレキシン2受容体作動薬)
適応:ナルコレプシー
起源:自社
開発状況:第2相試験開始予定
ピーク時収益予想:40~60億米ドル
・TAK-721 (Eohilla®)
適応:好酸球性食道炎
起源:シャイアー
開発状況:21年度に上市(米)予定
ピーク時収益予想:3~5億米ドル
・TAK-003
適応:デング熱(ワクチン)
起源:米ベンチャー
開発状況:21年度~承認(米など各国)予定
ピーク時収益予想:7~16億米ドル
待遇・制度・勤務地
初任給 修士・学士(6年制) 264,000円
平均年収 1,091万円 (42.2歳)
住宅手当や各種休暇など福利厚生は充実しています。
研究職の勤務地は湘南、大阪、山口になります。
国内の雇用
武田薬品工業は日本を起源とした製薬企業ですが、社長はじめ多くのポストは外国人が占めており、実態は外資系となっています。2013年頃から17年頃にかけて合計2回行われたリストラで、武田薬品の研究所の社員3分の2程度が退職していきました。2020年にも30歳以上の社員に対して早期退職を行いました。内資系ではなく外資系としてとらえて、就職することが良いと思います。
以上になります。武田薬品工業は現在、グローバルファーマの仲間入りをはたしており、高額な給料から人気の企業です。ぜひ挑戦してみてください。皆さまの就活が納得して、笑顔で終えることをお祈りしております。