「ハーバード流交渉術 」から学ぶ息子との交渉
8月は転職活動が佳境入りし、明けて9月、晴れて転職希望先から内定を頂くことができました。転職エージェントとの条件調整や、希望先企業との面接を通じ、「交渉」について考えるよい機会に。
「ハーバード流交渉術」を読んでみた。
まず、「交渉」に対するイメージが変わりました。
限られたパイを取り合うのではなく、お互いの利益になるWin-Winの達成を目指す、ということですね。
様々なたとえ話が引用され、分かりやすくまとめられていましたが、僕が最も印象に残った話はこれ。
2人の姉妹が1個のオレンジをめぐって喧嘩になった。取り分は半分ずつということで折り合いがつき、真っ二つにしたところ、姉は中身だけを食べて皮を捨てた。片や妹は皮をケーキ作りに使い、中身を捨てた。
お互いに相手の本当の目的が分かっていれば、姉がすべての中身を、妹がすべての皮を手にしてWin-Winになっていました。自分の目的を主張するだけで相手の目的を考えないことで、双方ともに損をするという例です。
また、偶然にも読了と同じタイミングでこちらの記事がアップされました。
まさに、相手(クライアント)の本当の目的を考え抜くことで生み出された、クリエイティブな交渉です。
そして、これも偶然ですが、私自身が「交渉」を痛感する体験をしました。
2才の息子と風呂に入っているとき、体を洗い終えた私は、ボディタオルの泡を流すため蛇口からお湯を出そうとしました。ところが息子は、蛇口のお湯が洗面器に注がれる様子を、楽しそうに眺めています。
無理やり蛇口の使用をやめさせると不機嫌になるので、私は蛇口の使用をあきらめました。そのかわり、いっぱいになった洗面器からあふれ出るお湯を使って、ボディタオルの泡を流したのです。
息子の反応はというと、引き続き、楽しそうにお湯を注いでいます。もちろん僕は、ボディタオルがきれいになって満足。
まさにお互いの目的がそれぞれかなった瞬間でした。息子には「蛇口→お湯→洗面器」のプロセスが必要だった。片や僕には、「泡を流せるだけのお湯」さえあればよかった。なんともクリエイティブなバスタイムでした。
ただ一点、今回の交渉から論点が外れますが、そもそも息子の遊び方がお湯の無駄づかいに繋がっているということが、課題として残りました。ここは「もったいない」の概念をゆっくり憶えさせていきたいですね。