勝ちに等しい「価値」を持つ引き分け -2021年J1第1節広島戦-
適当にダジャレしてみた。監督に倣いまして。
いやー凄い。
去年18チーム中17位、ホーム未勝利という去年かかった呪いそのままにキツイ試合。試合開始直後から広島の前線からのプレスがはまってなかなか良い形でボールが持てず、カットされてはカウンターを受ける、の連続で生きた心地せず。
それでも去年と明らかに違うのは、チームとして守れていること。ゴール前になると選手間のブロックの距離が狭くなるので、シュートのコースがそれなりに限定されており、待ち構えるのがSGGK:スーパーグレートゴールキーパーのクバで大抵のボールはなんとかなっている。
なので、めっちゃ攻められていたが、観戦していてそれほど悪いとは思わなかった。ちょいちょいパスが合わないが、まぁ開幕戦だしね。
しかしアピの軽率な守備からマテが一発退場。DOGSOの見本のようなファウルだったが、マテさん怪我でちょっとスピードが落ちたか。自分のスピードを見誤ったスライディングの感。社会人になって久しぶりにスポーツする人はみんな経験あるであろうあれだ。
その後、敵のシュートがベガルタの選手に跳ね返って失点。ここら辺はクバの力量を考慮して、無理にブロックに行かず、コース限定だけにする、という共通理解でも良いのかもしれない。
その後も攻められまくるベガルタだが、去年よりカウンターのキレは上がっており、連携不足もたまに目につくが、大いに期待できる攻撃をいくつか見せてくれた。特に氣田と秋山の左サイドは噛み合ったらかなり良さそう。2人ともガンガン仕掛けるし、なんか抜けそうな雰囲気なので良い。もうちょいお互いに理解が深まるといいのだが。
右の蜂須賀、マルティノスはもう一つ。どちらかというとマルティノスというキャラをベガルタがまだ消化できていない感じ。レモンでもかけとけ。
後半はもうクバファインセーブ集。合計4点ぐらい止めてたんじゃないか。特に85分のセーブはまさに守護神。変な声出たわ。凄いよ。
ナンデコレトメラレルノ…。
しっかしこんだけやっても欧州トップリーグからオファーなしとは…世界は広い。
試合残り10分ないところでようやく赤崎投入。人数不利で攻められていたので、攻守のバランスを考えるとマルティノスと赤崎は共存させられなかったのだろう。マルティノスは時折り良いプレーを見せてたので、交代のタイミングが難しかった。が、結果的にこの交代は大当たり。
ベテラン関口のドリブルシュートのこぼれ球を赤崎が詰めて同点。そのまま試合終了。広島の選手が本当に悔しそうだったのが印象的。そりゃそうだろな、一つ間違えば後半30分には5-0位のスコアでもおかしくなかったからな。広島にしたら追加点取れる手ごたえのまま試合終盤まで来てしまったので、やりにくかったろう。
しかしこんな酷い内容でも勝点を取れるチームは強い。正直言って降格の心配がかなりなくなった、と言っても過言でない試合だった。守備の要が前半で退場、一点ビハインドというウルトラハードモードを良い結果で終えることができた。
この試合はテグさんの勝負師として顔が見えた。勝ちに行くのではなく、引き分けを狙いに行く。流れが悪い時は欲張らないで、やれることをやる。なかなかわかっていても実行は難しい。指揮官が迷いを見せれば選手はその倍迷う。テグさんはブレずにやり切った。そして選手にもその意志が徹底されていた。いやいや、これがベガルタで久しぶりの采配ですか。素晴らしい。
クバ神と関口と赤崎のお陰で、去年の悪夢の9割は振り払った、とサポーターも確信できた最高の試合だった。あとは一つ、早くホーム未勝利の呪縛を解いてほしい。では。