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補助具を提供できるのは当たり前?教えてもらった販売店における現状と課題
9月25日(土)、やまぐちロービジョン勉強会に参加させてもらいました。
最新の支援機器のお話(オーカムマイアイ2、エンジェルアイスマートリーダーetc)や、現在高校生のロービジョンの方が、どのように育ってきたのかを実体験を交えて話していただき、大変勉強になりました。
ですが、今回取り上げたいのはそこではなく、支援機器のお話しをしてくれたHさんが最後に提議した言葉です。
「補助具販売を事業として継続していくことの難しさ」
補助具を提供できる環境は当たり前ではない
ロービジョン学会誌の中に、今後の課題の1つとして次のようなことが挙げられていました。
業者側もロービジョン機器を扱う業者は輸入品の場合、為替相場に利益が左右されたり、商品説明にも時間がかかったりするために、利益率が低いことが予想される。
何よりもロービジョン機器を扱う業者が倒産してしまったら、視覚障害者が一番の被害者になってしまう。
私は見え方でお困りの人に、どうやって支援を結びつけるかばかり考えていて、支援する側の問題については全然考えていませんでした。
ロービジョン学会誌や、Hさんの話を聞いて
「補助具を提供できる環境は当たり前ではない」
と気づき
「補助具を普通に提供できる環境はありがたい」
ことを始めて理解したのです。
最近では、某大手メガネ店の福祉機器販売事業からの撤退もあり、ますます大きな問題に直面してるといえるでしょう。
Hさんのお話しによれば
《販売店における現状の課題》
1.補助具販売を事業として継続していくの難しさ
→補助具販売の売り上げが全体的に低め
2.補助具の利益率の低さと人件費のバランス
→良質なサービスを提供しようとすればするほど、経費がかかり利益率が低下する
3.人員不足による効率化とサービス充実のバランス
4.企業としての方針
→企業の社会貢献として位置づけられる福祉機器の取扱であるが、現場担当者の意欲があっても経営者判断で業務転換の可能性がある
1~3の問題により、経営者が福祉機器撤退を決定したら、今まで福祉機器を販売していた販売店が販売できなくなるということ。
私事で申し訳ないのですが、Hさんが福祉機器を扱えなくなったらめっちゃ困ります。
Hさんも辞めるつもりはないでしょうが、経営者が決定したら…どうしようもありませんよね。
課題を解決する方法とは?
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ロービジョン学会誌の問題として取り上げられているくらいなので、簡単に解決できる問題ではないでしょう。
だけど、Hさんの課題を見直すと我々にもできることがあるなって感じるのは
・補助具の売り上げが全体的に低め
つまり、補助具の売り上げが上がれば、企業として福祉機器販売を継続してくれる確率が高くなるんじゃないか。
もちろん頑張っても、数字が無茶苦茶上がることはないでしょうが、何かできることがあるならそこかなと。
皆さん、患者さんに補助具について、説明していますか?
支援制度について、理解して患者さんに伝えていますか?
私はつい最近まで、制度について知識があいまいで患者さんに情報提供できていませんでした。
もっと早くやればよかったと、正直思っていますね。
もし情報提供できていないのであれば、チャンスですよ。だって、患者さんのためにもなるし、販売店のためにもなるし、自分のためにもなる。
私はロービジョンについては、多少の知識と強い人脈があります。
自分だけでわからないことがあれば、聞いて下さいね。
きっと、私が…私を取り巻く誰かが助言できると思います。(笑)
自分一人でできることなんて、たかが知れてますからね。(開き直り)
人脈が宝。
最後まで読んでいただきありがとうございました。