
支援をおすすめして断られたら?私が意識している心構えについて解説します。
先日、こんなツイートをしました。

昨日の《補装具、光学的補助具》の体験会にて。すんなり決まる人がいる一方で、こんなのを使っても…と積極的になれない人もいた。
「残念だな」と思ったかと言われれば、全く残念とは思わない。
いつか困った場面で「あの時紹介してもらったモノあったよな」と思い返してもらえる機会になったから。
それが数ヶ月先でも数年先でもよい。
情報提供していくことで、見え方で困ったときの手助けの《選択肢》が増えること。
これが大切なんじゃないかなって思ってやっています。
多くの方に反応していただき
・補装具紹介して断られたとき、技量がまだまだと思ってへこんだりしてましたが、思い出してもらえたら何かの役に立つかもしれませんね。少し考え方変わりました。
・(前略)私たちから客観的に見える部分の障害と、本人内部の心の受容は必ずしも一致しないことを理解しておかないといけないと思っています。
前向きに受容して新たな一歩を踏み出す助けになればいいな、と思います。
私の考え方も広く受け入れられるようになったのだなぁ、感無量…といいたいところですが
この考え方、ある先生から教えていただいた言葉なのです。
私がロービジョンをする上で、とっても大切にしている考えなので、もう少し掘り下げていきますね。
打率イチローを目指す

患者さんのためを思って、遮光眼鏡を提案したり拡大鏡・拡大読書器を提案する。
だけど、紹介したコメントにもあるように
「だけどなぁ、まだ私には必要ないと思うんだよな」
「こんなの使ってもなぁ」
と、否定的なコメントをいただくこともよくあります。
先日紹介した方からは
「道具はいいから、目を治してくれんかなぁ」
「もう疲れたから帰りたい」
と、ありがたいお言葉をいただきました。(noteを書くきっかけ・笑)
せっかく時間を割いて紹介したのに…と思う方もいるかもしれません。が、Twitterで書いたように全く思いません。むしろ、情報提供ができてよかったと本気で思っています。
私が大変お世話になっているM先生から、こんな言葉を教えてもらったことがあります。
✅今すぐに受け入れられなくても、いつかその言葉を思い出すときがくるかもしれない。だから情報発信を続けるの。
✅打率イチローを目指すくらいで。
皆さん、イチロー選手の打率ご存知ですか?
凄い打率をマークしていて、好調なときは4割に届きそうな勢いでした。
ということは…ざっくり10人中3人、4人受け入れてくれたら御の字、ですね。
M先生は、ロービジョン外来を担当している先生で、私なんかよりはるかに多くの患者さんと向き合っています。
その先生が「打率イチローを目指す」を目指すと言っているのだから、そういうことなのです。
すぐに受け入れてくれる人の方が、少ない
これを頭に入れて支援をおすすめすると、受け入れられなくても凹まずに済みますよ。
障害を受け入れることは難しい
私がロービジョンに関わり始めた頃、前向きになれない患者さんのことで悩んでいた時期がありました。
そのとき、現視覚障害自立支援の会長(全盲です)に相談して、もらった言葉を今でも覚えています。
「ケンさん、障害を受容することって想像以上に難しいのだよ」
その言葉を聞いたとき、自分本意で支援してあげようと思っていたんだって気付かされました。
一方で、情報が行きわたらず
「もっと早く知りたかった」
「こんな支援が受けられるなんて知らなかった」
という声を多く耳にするのも事実です。だから
すぐに受け入れられなくて当然。だけど、情報発信は続けていく
今はこんなスタンスで患者さんと向き合えるようになりました。
で、やっぱり思うのは
私、周りの人にホント恵まれてるなぁってこと。
著名な先生方に教えてもらったこと、どんどん発信していきますね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。