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GPの測定が少し早くなる、私なりのコツをお伝えします。

皆さん、GPは得意ですか?

私は得意ですよって人には、続きは読まなくてもよいかもしれません。GPがちょっと苦手という人や、測定に時間がかかってしまう人。

今回はそういった方向けに、私なりのGPのコツをお伝えします。


まず最初に言っておきたいのは、私はGPが凄く上手いかと言われましたら、そこは全力で否定します。

だけど最初に就職した眼科でGPの強者達に鍛え上げられた結果、それなりのスピードで測定はできるようになりました。

その結果、後に就職した眼科やGPだけのバイトに数施設行かせてもらうことができて、あまりGPをしない視能訓練士よりは、数だけはこなしていると思います。

1年に200人以上はしているので、5000人くらいはやっているかな…

さて話は変わりますが、なぜ今GPなのか?

ハンフリーなどの静的視野検査の性能がどんどんアップしているなか、GPの上達は意味はあるのか?そんな疑問が浮かびそうですよね。

確かに静的視野をメインに行う先生方もいらっしゃるのですが、一方でGPをしてもらいたいという先生もいまだ健在です。
なぜなら私にGPをやってほしいという依頼、いまだに来ますからね。ありがたいことです。

ではなぜGPを好む先生がいるのか、GPのメリットはなんなのかを考えてみました。

《GPのメリット》
1.静的視野に比べると測定範囲が広い(全体の視野を調べることができる)
2.静的視野が苦手な患者さんの測定ができる
3.GPの結果の方が、患者さんに理解してもらいやすい(という先生もいる)

私が特に感じるのは、高齢者でハンフリーができない人にGPをする機会が多く、今後も増えるのではと思っています。

逆にGPのデメリットと言えば、熟練度が必要・検査に時間がかかる・検者によって結果に差がある、ですね。

そこで私が言いたいのは

GPの技術を鍛えておくことは、あなたに大きな付加価値をつけることができる

ということです。

ここだけの話なのですが、私はGPのバイトでは時給2000円から始まり、最終的には時給3500円まで上がっています。

九州の田舎ではかなりの好待遇かと思います。

残業が少なく、給料の上がりにくい視能訓練士にはありがたいと思いませんか?GPができることというのは、それだけ価値があるとも言えますよね。

ちょっと極端なことを書きますが、私は

GPは正確さも大切だが、それ以上にスピードが重要

と考えています。なぜなら、

・静的視野検査ができない高齢者にGPをする機会が増えていること
・静的視野のスピードが上がったため、GPに時間がかかりすぎると患者さんや先生からも嫌がられる

大切なのは、GPをオーダーする眼科医が何を求めているのか、それを理解して検査することです。

とはいっても、GPをする機会が少ない施設や、新人の視能訓練士さんにはGPは難易度が高いですよね?

残念ながらアームの動かし方や、測定方法は経験を積まないとすぐには上手くならないです。ですが、意識を変えるだけでちょっと早くなるコツがあるのです。

前置きが長くなりましたが、GPがちょっと早くなるコツについて解説したいと思います。


Ⅴ/4eを丁寧に測定する

私はGP測定時(特に何も情報がない初めての患者さん)には、Ⅴ/4eを丁寧に測定します。

なぜなら、Ⅴ/4eの測定が上手くできていなければ、その後の検査に狂いが生じて再度Ⅴ/4eを測定しなければならないケースもあります。逆にいうとⅤ/4eをきっちり測定できていれば、後はⅤ/4eの範囲内の測定ですのでイメージがしやすくなりますね。

慣れないうちは、Ⅴ/4eのイソプターだけ先に記入しておけば、後で迷わなくて済みますよ。

ただし、網膜色素変性症のような難易度の高いGPでは、Ⅴ/4eには変化がでずにⅠ/4eから急に大きく変化することがあります。

これは次に紹介する項目を参考にして下さい。

どの病気を疑ってGPをしているか事前に確認する

どの病気を疑ってGPをするのかを事前に知っておくこと。

当たり前と思われるかもしれませんが、新人の視能訓練士は意外と見落としがちです。緑内障を疑ってGPをしているのか、網膜色素変性症を疑ってGPをしているのかでは意識するポイントが全然違います。

カルテを見ればおおよそわかるとは思いますが、わからなければオーダーした先生に、先生に聞きにくければ先輩に聞いてみて下さい。

緑内障ならBjerrum(ブエルム)領域や鼻側を意識、網膜色素変性症なら輪状暗点や中心性視野狭窄など。

ここは学校で学ぶところなので、GPするときには頭に入れておきましょう。

間違ってはいけないのが、先入観にとらわれ過ぎてはいけないということです。

緑内障を疑ってGPをしていて、脳疾患がみつかる可能性も0ではないので。

それでも、どの病気を疑ってGPをするのかは事前に知っておいた方が、GPの時間短縮につながりますよ。


中間イソプターを上手く活用する

新人の視能訓練士さんや、GPをあまりとりなれていない視能訓練士さんはついつい基本通りにやってしまいがちですね。

✅Ⅴ/4e⇒Ⅰ/4e⇒Ⅰ/3e⇒Ⅰ/2e⇒Ⅰ/1e

もちろん基本は大切です。

大切なのですが、これだけは覚えておきましょう。

前のイソプターとの間に(特に不自然な)大きな間隔がある場合、間に1本とる

Ⅴ/4e⇒Ⅰ/4eの間にはⅡ/4eを選択しますが、ほぼⅠ/4eと同じ広さになりそうだったらⅢ/4eを選んでみましょう。

Ⅰ/4e⇒Ⅰ/3eの間ならⅠ/3c、Ⅰ/3e⇒Ⅰ/2eの間ならⅠ/2c。

中間イソプターを1本入れることにより、不自然な間隔をなくすことができます。また、後で見直して再検させてもらうよりも時間の短縮になりますよ。

※中間イソプターのⅠ/4cはⅠ/4eの(63%)、Ⅰ/4bは(50%)の輝度になることを教えていただきました。それぞれの施設で中間イソプターを統一した方がよいので、視能訓練士同士で話し合い共有しましょう。

視標輝度・背景輝度を合わせる

これ、実はむちゃくちゃ大事です。

私は背景輝度・視標輝度を疎かにしたせいで、大きなミスをしてしまったことがあります。

まずはおさらいですが

視標輝度・背景輝度合わせ方

視標輝度⇒アームの先を検査用紙の右側70°に固定する。次に、シャッターを開放しⅤ/4e視標を輝度計に当て、1000asbになるように合わせる。

背景輝度⇒白色版をセットして、Ⅴ/1e視標に変更する。ドームの左側の切り込みから見て、白色版とドームが同じ輝度になるようにドーム上部のカバーを上下して調整する。

以前、若めの患者さんを連続してGPをしたことがあったのですが、急にⅠ/2eから反応が鈍くなりⅠ/1eでは反応がなくなりました。

1人目のときは特に疑問を抱かなかったのですが、2人続いたことにより視標輝度・背景輝度を確認した結果、大きく背景輝度がずれていたのです。

それ以来、視標輝度・背景輝度の確認はこまめに行うようにしています。

視標輝度・背景輝度が合っていないと、スピードが遅くなるのはもちろんのこと、正確な視野も測定できなくなります。

視標輝度・背景輝度はとても重要ということは覚えておきましょう。


まとめ


今回はGPの測定がちょっと早くなるコツについて解説してきました。

《GPがちょっと早くなるコツ》
1.Ⅴ/4eを丁寧に測定する
2.どの病気を疑ってGPをしているか事前に確認する
3.中間イソプターを上手く活用する
4.視標輝度・背景輝度を合わせる

GPの技術的な上達には、どうしても時間がかかります。

ですが、意識を変えるだけでもGPのスピードは早くなるし、上達のスピードもそれに伴いあがっていきます。

私なりに意識していることが、少しでも誰かの役にたてば嬉しく思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


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