中間型アウトリーチとは?中間型アウトリーチを行ってわかった3つのメリット
中間型アウトリーチという言葉を聞いたことはありますか?
私はロービジョンケアに関わり始めて、つい最近になって知った言葉です。
中間型アウトリーチとは
当院でも、数年前より中間型アウトリーチによる患者支援を行っています。
あくまで私の意見になるのですが
患者さんが通いなれた眼科でケア・サポートを受けることができる
視覚障害は、情報障害・移動障害と視覚障害者団体の方に教えていただきました。
当院でも当初は、視覚障害者手帳の申請までは結びついても、日常生活用具や歩行訓練などの支援には結びつかなかったケースが多々あります。
その理由は、
といったことがあげられてました。
当時の私は
「行ってもらえさえすれば、よりよい支援を受けられるのに」
悔しい思いを何度もしたことを今でも覚えています。
運のよいことに当院では数年前から、ロービジョン機器を専門に扱う知人(もう20年来の)に来てもらえるようになりました。
結論からいうと
体験してもらって、自分には合わない・必要ないってケースも多々あります。それはそれでいいんです。
大切なのは、拡大読書器といったような日常生活用具に触れる機会をつくれたことなんです。
中間型アウトリーチを始めてからは、拡大読書器や音声体温計といった日常生活用具を申請する患者さんの数が伸びていきました。
もう一度いいます、視覚障害は移動障害です。
中間型アウトリーチは、患者さんにとっての移動に関する障害を軽減することのできるありがたいシステムなのです。
必要に応じてすぐに眼鏡などを合わせることができる
仲の良い歩行訓練士さんに、こんなことを言われたことがあります。
これ、本当なのでぜひ眼科から紹介するときは、せめて近用眼鏡は合わせておきましょう。
で、本題。
中間型アウトリーチならば、その悩みが一気に解決できちゃうんです。
当院であった事例なんですが、拡大読書器を選んだ患者さんが近用眼鏡を持っていないことがあって(申し訳ない)
で終了です。
後は視距離に合わせた近用眼鏡を合わせるだけ。
つまり、眼科で(中間型アウトリーチを)行うことで、必要と思われる医療的な支援をすぐに行うことができるのです。
これって、大きなメリットだと思いませんか?
スタッフが支援について学ぶことができる
皆さん、補装具や日常生活用具についてじっくり説明しているところをみたことはありますか?
私は機器展で少し見たことがあったのですが、来場者も多く詳しい説明を近くで聴くことはできていませんでした。
(機器展にはスタッフとして参加しているのもあって)
当院で中間型アウトリーチをとりいれてからは、患者さん一人一人に機器について説明しているところをじっくり聴くことができます。
また、患者さんが都合悪くなりキャンセルになった時間などを利用して、今まで疑問に思っていたことを質問して教えていただいたこともあります。
説明を聴いてるだけで、多くの学びがあるということです。
MW10の体験も、させてもらいました。おかげで補装具・日常生活用具の知識が身について、患者さんに情報提供をしやすくなったのです。
中間型アウトリーチのデメリットは?
結論からいうと、ないです。
我々眼科スタッフや患者さん側には。強いて挙げるなら、
うちに来てくれるヨ〇〇ワの〇田さんは、一人で九州全土を周っています。
業種上、ロービジョンの部門に大きな人員は割けないそうです。
拡大読書器のような価格の高いものが売れた(申請した)としても、利益率は眼鏡に比べて微々たるものとおっしゃっていました。
それでも、こうやって患者さんのために九州各地を周って下さることに感謝です。
私のもくろみでは
幸いなことに、本〇さんは今年度からロービジョンでの活躍が評価され、役職がついたそうです。
今のところ活動地域は九州内ということなので、中間型アウトリーチにご興味がある方、一度相談してみてはいかがでしょうか?
最後までご覧いただき、ありがとうございました。