意外と知られていない検影法のメリットについて私なりに解説します。
検影法(以下スキア)、苦手な人多いのではないですか?
苦手とかいう以前に、やっている視能訓練士の方が少ないかもしれませんね。
というか、ほとんどやってないですよね?
もしかしたら、学校で習って以来レチノスコープに触っていない…そんな視能訓練士さんも多いのでは。じゃあ、スキアのメリットを伝えて明日からどんどん検影法をしましょう~!
なんて言うつもりは全くありません。
私自身、スキアをいつもしているかといわれると、そんなにやってないです。じゃあ、スキアのメリットなんてないんじゃないの?と思われるかもしれませんが、それは違います。
スキアができることは、あなたにとっての大きな武器になります。
スキアのメリットとは何なのか?私なりの考えをお伝えしますね。
※私はスキアの達人ではありませんので、深いお話まではできません。
あくまで私が考えるメリットについてお話します。
検影法(スキア)のメリット
私は最初に就職した眼科が、スキアをバリバリやっている眼科でした。
びっくりするような光景について、お話ししますね。
まあ、こんな環境にいればスキアは上達しますよね。
そうなんです、スキアは正しい方法でやれば誰でも上達するんです。
私が考えるスキアのメリットは
自分の目で確認できる
前の職場の上司に言われた今でも覚えている、印象的な言葉です。
多くの視能訓練士はオートレフを参考に視力屈折検査、眼鏡合わせなどをしていると思います。今は性能もよくなり、昔に比べると屈折値もズレが少なくなってきましたね。
だけど、どうしてもレフの値が信用できない、何かおかしい…。
そんなとき、皆さんはどうしますか?きっと皆さんなりの工夫を凝らして、なんとか使える屈折値を導くことでしょう。
だけど、スキアができたらレフと照らし合わせることができますよね。
スキアができると、あなたに屈折値を確認できる方法が1つ増えるのです。
しかも、スキアは自分の目で見ることができるので、レフがばらつく原因がわかることがあります。
熟練してくると、
自分の目で確認できる検査法を1つでも習得しておくと、それはあなたの大きな武器となりますよ。
レフがエラーでも測定できる場合がある
レフ値がエラーになる場合、中間透光体になんらかの異常があることが考えられますね。
レフエラーの場合、スキアははっきり言って難しい場合が多いです。
ですが、スキアで周辺の光の動きを確認することで屈折値を測定できることがあります。
(中央のみに白内障や角膜混濁がある場合など)
「手術は絶対せん!でも見やすくなる眼鏡が欲しい」
といった無茶ぶりに思えるような患者さんも、中にはいますよね。
レンズ交換法で導くことも大切ですが、スキアでおおよその屈折値の目安がつけばいいと思いませんか?
眼鏡の上からスキア可能
眼鏡の上からのスキア、またの名を「オーバースキアスコピー」といいます。
これ、意外と知られていませんが便利ですよ。
私は調節麻痺薬を使用して眼鏡をつくってきたら、眼鏡の上からオーバースキアします。
(自分の目で確かめながら、子どもとコミュニケーションをとりながら、情報を入れていくのも興味深いですよ。)
顎台に顎を載せられなくても検査できる
レフの顎台に載せられない人、いますよね。
例えば、赤ちゃんや車いすに乗っていて顎台に顎が届かない人。
スポットビジョンスクリーナ・手持ちレフを使えば測定できることもありますが、スキアでないと測定できない人もいます。
(スキアは0歳児でも検査できるんですよ)
停電時でも屈折検査できる
地震や台風などの天災で、停電になったときでもレチノスコープは使用できます(電池式)。
停電が復旧すれば機器が使用できますが、もし停電が長引いているときに屈折検査が必要になったら…。そんなときにスキアをマスターしておけば、停電が長引いたときでも屈折検査ができます。
え、視力検査ができないから結局意味ないんじゃないかって?
字一つでもなんでも使って下さい。
起こってほしくはないですが、想像してもいないことが起こるのが今の世の中です。
停電のときどの眼鏡を使えばよいかわからず困っている人に、スキアをさっとして教えてあげたらよいと思いませんか?
スキアのデメリット
はい、熟練が必要なことです。
これがスキアの大きなデメリットです。
簡単にできる検査であればもっと普及していただろうし、難しいと敬遠しがちになりますよね。
わかります。だけど私だけかもしれませんがスキアができるとなんか
カッコよくないですか(笑)
職人技みたいで。
そんな私が、スキアを上達させるちょっとしたコツを紹介しますね。
あくまで私なりにと思っていただければ幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。