採用の極意:開業初期に陥りがちな罠と成功するためのポイント
私はこれまでに3回、整形外科の法人化を経験してきました。その中で特に感じたのが、「採用と教育」にどれだけ力を入れられるかが、クリニックの成功を左右するということです。今回は、これから開業を考えている先生や、開業して間もない先生方に向けて、採用に関する実体験をシェアしたいと思います。
開業初期に陥る「経験者が欲しい」の罠
開業初期に多くの先生方が陥る罠、それが「経験者が欲しい」という考えです。特に医療事務は、先生自身も未経験の分野であることが多く、診療中にいちいち指導したりトラブルを処理したりする余裕はありません。そのため、「経験者なら安心」と考えてしまいがちです。
ですが、ここで断言します。経験者は必要ありません。
なぜなら、経験者を採用することで新たな問題が生まれることがあるからです。例えば、オープニングスタッフを転々とする“お局”タイプの人がいます。彼女らはどの地域にも存在し、最初は頼りになるように見えても、最終的には職場の空気を乱す原因になることが多いのです。こうした人を採用してしまうと、労務トラブルに発展する可能性も高まります。
未経験でも問題なし!電子カルテで解決
「それでも未経験のスタッフは不安」という声が聞こえてきそうですが、安心してください。**電子カルテ(電カル)**を導入すれば、医療事務の業務はほぼ対応可能です。
電カルのインストラクターが導入時にしっかりサポートしてくれるので、スタッフがシステムに慣れるまでの期間は心配ありません。
また、自賠責保険や労災の処理なども、最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れてしまえばルーチン作業です。むしろ、柔軟に吸収できる未経験のスタッフの方が、マニュアル通りに動けるので適応が早いと感じています。
採用人数は「3名」が鉄則
開業初期の採用人数は必ず3名を目安にしてください。
その理由は以下の通りです:
1人だと責任が集中するため、負担が大きい
2人だと人間関係のトラブルが起きたときのリスクが高い
3人いれば、バランスよく役割分担が可能
募集要項にも「3名採用予定」と記載しておくことで、応募者にも安心感を与えることができます。
理想的なスタッフ構成
以下のようなバランスの取れたチームを目指すと、スムーズに運営が進みます:
若くてやる気があり、ミスしても許せるくらい愛嬌のあるスタッフ(ここ大事!)
社会経験が豊富で、落ち着いた大人の女性
感じの良い人柄で、柔軟に対応できるスタッフ
この3名が揃えば、自然と良いチームワークが生まれます。
採用のコツ
面接でのチェックポイント
笑顔や第一印象が良いか
素直さややる気を感じられるか
実際の業務に必要なスキル(パソコンの基本操作など)があるか
募集要項の明確化
勤務時間や給与などの条件を具体的に記載
「未経験歓迎」をしっかりアピール
教育のサポート
入社後の研修プランを準備
デンカルの使い方や基本業務のマニュアルを用意
まとめ
採用はクリニックの未来を左右する重要なステップです。経験者を求める気持ちにとらわれず、自分に合う感じの良いスタッフを見極めて採用することが成功の鍵です。電子カルテを活用し、未経験のスタッフでも業務をこなせる環境を整えれば、開業初期の不安を大きく減らせます。
この記事が、これから開業を考えている先生や採用に悩む先生の参考になれば幸いです!質問や感想があれば、ぜひコメントでお知らせください。