視能訓練士とは...?
こんにちは.
今日は以前の投稿にもあった「視能訓練士」という国家資格についてお話しします.
視能訓練士は, 眼科で患者さんの眼の検査や訓練などを担う「眼のスペシャリスト」です.
身近な話として, 近視や遠視, それから乱視ってありますよね.
眼球の角膜と水晶体を通るときに屈折し網膜上に焦点が結ばれますが,
この屈折の度合いと眼軸長のちょうどよいバランスが崩れることを, 「屈折異常」といいます.
つまり,
網膜の手前で焦点が合ってしまうものを「近視」,
逆に網膜の後ろで焦点が合ってしまうものを「遠視」,
角膜や水晶体に歪みがあり, 光の焦点が眼の中で1点に結ばれず,
見たものがダブって見えてしまう状態を「乱視」といいます.
簡単に言えば,
近視は遠くが見えずらい, 遠視は近くが見えずらいということです.
近視は2020 年時点で世界人口の3 人に1 人, 日本を含むアジア地域では2人に1人が近視で, 2050年には世界人口でも2人に1人, アジア地域では3人に2人が近視と, さらに増加すると予想されています.
前置きが長くなりましたが, 眼科に行くといくつか検査をします.
ほとんどの人が機械を覗くと気球や赤い家が見える検査をしたことがあると思いますが, あれが先程言った屈折異常, つまり眼にどのくらい近視があるか, 遠視があるかなどの度数を測ってくれます.
それから, 眼に風を当てられる検査を受けた人もいると思います.
驚きますよね...あれは眼圧検査といい, 眼の硬さを測るものです.
また少し話が脱線しますが,
緑内障という疾患を聞いたことがありますか?
緑内障は, 眼圧が上昇することにより眼の奥にある視神経に異常が生じ, 視力や視野に障害が起こる病気です. 緑内障を知る上で一番大切なのがこの眼圧です.
日本では, 40歳以上の人口の約5%(20人に1人) , 70歳代では約10%(10人に1人)の割合で緑内障患者がいると報告されています.
https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/resources/member/guideline/glaucoma5th.pdf
それ以外にも視力検査, 屈折検査, 眼圧検査はもちろんですが,
視野検査, 色覚検査, 斜視検査, 眼鏡・コンタクトレンズ検査,
眼位検査, 両眼視機能検査, 眼球運動検査, 眼瞼検査, 眼球突出検査,
電気生理検査, 調節検査, 眼底検査, 立体視検査, 光干渉断層計検査……など
眼科にはまだまだ多くの検査があります.
それに加えて, 弱視(amblyopia)や斜視(strabismus)という小児特有の疾患などの訓練をしたりもします.
非常にやりがいのある職だと私は感じます.
今回はざっくりとお話しさせていただきましたが,
眼のことや視能訓練士に少しでも興味を持っていただけたら幸いです.
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