シファクティヌスがニシンの仲間であるとする話について
(メイン画像:WikimediaCommons,File: Xiphactinus audax.png credit: Fishboy86164577)
インターネットを漁っていると、しばしばこんな記述が見られます。
「シファクティヌスはニシンの仲間」
シファクティヌスはイクチオデクテス目イクチオデクテス科に分類される魚で、イクチオデクテス目の置かれる位置は基盤真骨類だとか骨咽上目だとか言われていますが、どちらにせよさほどニシンには近くないはずです。
では、この話はどこから出てきたのでしょうか?ちゃんと研究者が言ったものなのでしょうか?
調べたところ、ニシン関連のことが言われた論文は一件のみ。
1988年にG.R.ケイスとD.R.シュウィマーという学者の書いた論文で、「オキイワシ科」であると言われただけです。
確かに細長く後半に鰭が寄った形態や厳つい顔は共通していて、シファクティヌス感はあります。しかし見た目はやや似ているとは言っても、論文一個、それも現在では全く有力とは思われていないものがなぜここまで有名になったのでしょうか。
ニシン目説が有名になるなら、1873年のシファクティヌス、ナマズ科説ももっと有名になってもいいと思うのですが…