バリオニクスが食った魚はレピドテスではない
(メイン画像:WikimediaCommons,File: Lepidotes elvensis.JPG credit: Ghedoghedo)
しばしば、恐竜書籍にはこのようなことが書かれています。
「バリオニクスは、体内からレピドテスが見つかったため主に魚を食べていたとわかった」
この記述、当時としては正しい情報だったのですが、今となっては間違いです。
レピドテスとバリオニクスは共存していなかったのです。
レピドテスの仲間は、2012年に大規模な再分類が行われました。
ゴミ箱分類だったレピドテスを整理するため、模式種レピドテス・ギガスと大して近縁ではなかったものたちを別属へ移動させた結果、レピドテスはジュラ紀前期の魚となりました。
バリオニクスは白亜紀前期です。紀レベルで違います。
では、バリオニクスが食べた魚はなんだったのでしょうか?
それはスケエンスティア(Scheenstia)です。
レピドテスからの再分類によって、一属一種だったはずのスケエンスティアは一属八種に増えました。これはこれで分類見直しがあるかもしれませんが、とりあえず今はバリオニクスが食べた魚はスケエンスティアと覚えてください。