浦田樹が加入したゾリャ・ルハーンシクについて
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昨シーズンはJ3のギラヴァンツ北九州でプレーしていたDF浦田樹選手が、ウクライナ・プレミアリーグのゾリャ・ルハーンシクへの加入が発表されました。
本拠地が紛争により疎開生活
ゾリャ・ルハーンシクとは、ウクライナ東部のドンバス地方、ルハーンシクをホームとするクラブです。ドンバス地方はロシア語話者が優勢の地域のため、現地では「ザリャ・ルガンスク」とも呼ばれています。
1923年に「メタリスト・ヴォロシーロフグラード」として創設され、幾度の改名を経て、1962年に現在の「ザリャ・ルガンスク(ゾリャ・ルハーンシク)」になりました。「ゾリャ(ロシア語でザリャ)」とはウクライナ語で「夜明け」を意味する言葉です。
1970年からソ連崩壊の1990年までは「ザリャ・ヴォロシーロフグラード」の名前で活動し、1972年にはソ連リーグを制覇しています。ウクライナのクラブでソ連リーグを優勝しているのは、ディナモ・キエフ(13回)、ドニプロ・ドニプロペトロウシク(2回)、ゾリャ・ルハーンシク(1回)の3クラブだけです。(シャフタール・ドネツクは準優勝、チェルノモーレツ・オデッサは3位が最高順位)
本拠地のルハーンシクは、現在はウクライナ分離派の「ルガンスク人民共和国」の支配下に置かれ、ウクライナ政府の統治が行き届いていないため、ゾリャ・ルハーンシクは、ウクライナ南部のザポリージャを本拠地とする、メタルルフ・ザポリージャのホームスタジアムで12000人収容の「スラブチフ・アリーナ」へ一時的に移転をしています。
近年は欧州カップ戦にも出場
ソ連リーグ時代は優勝を経験したが、80年代以降は2部に降格。ウクライナ独立後はトップリーグ入りしたものの、5シーズン目で2部降格、1998年には3部降格とクラブは苦しい時期を送り、2006年にプレミアリーグに復帰するまで10年かかりました。
プレミアリーグ昇格後も残留争いが定位置だったものの、2009年にドネツク出身で実業家イェヴハン・ヘレル氏がクラブを買収し、ヘレル氏が経営する新興財閥ウクルスプラフ社の傘下に入ります。2012-2013シーズンには、独立後の最高順位である10位で終了しました。
2014年以降に、ホームのルハーンシクを離れて、疎開生活を続けるゾリャですが、むしろ成績は向上。2014年以降のウクライナ・プレミアリーグでの全てのシーズンでは4位以上で終了しており、2016-2017シーズンには3位で終了。ウクライナ政変後にドニプロ、メタリスト・ハルキウ、チェルノモーレツ・オデッサなどの名門が凋落したこともあってか、ホームタウンから離れて活動してからの方が成績が良くなっています。
現在は4位につけており、シャフタール・ドネツク、ディナモ・キエフには敵わないものの、安定した成績を収めています。
日本戦で得点のカラバエフも所属
ゾリャ・ルハーンシクの所属選手の大半はウクライナ人で、他はジョージア、セルビア、ブラジル、コロンビアと言ったところです。これで浦田選手が加わり、外国籍は5人になります。
チーム全体では若手選手が多く、最終ラインに関しては、ヴェルニドゥブ以外は22~23歳の若手選手が名前を連ねています。アタッカー陣になると、25~29歳ぐらいの中堅が多く、MFブドゥキフスキー、FWフロモフ、FWコムチェノフスキーなどウクライナ代表として出場経験のある選手も名を連ねています。
チームの中心を担うのは、ウクライナ代表の常連メンバーでもある、現在26歳のMFオレクサンドル・カラバエフ。シャフタール・ドネツクの下部組織出身で、各年代別の代表に選出されるものの、シャフタールの分厚い選手層に割って入ることができず、FCセヴァストポリ、ゾリャ・ルハーンシクなどへ期限付き移籍を繰り返します。2017年1月に半年間、トルコのフェネルバフチェへ期限付き移籍するものの、シーズン終了後、2017年からはゾリャ・ルハーンシクへ完全移籍しています。
今シーズンはウクライナ・プレミアリーグでは、テクニックとスピードを武器に20試合6得点3アシストを記録。ヨーロッパリーグでも4試合2得点と、チームの大黒柱として定着しています。主に両サイドのアタッカーを務めるものの、ゾリャではセンターハーフでのプレーが中心になっているようです。ウクライナ代表では18試合に出場。昨年行われた日本との国際親善試合では、代表初ゴールも決めています。
Jリーグでは、ジェフ千葉、FC琉球、ギラヴァンツ北九州で左サイドバックを務めたものの、なかなか思うような活躍ができたとは言えない浦田選手。ウクライナの将来を担う若手選手と切磋琢磨しながら、地位を築いていってほしいものです。
ゾリャはホームスタジアムから離れているものの、年々力をつけており、競争力があるので、大きなチャンスを掴めるかもしれません。