Ruina -廃都の物語- 作品の魅力とRTAの概略について

開いてくださってありがとうございます。
8/10 ~ 8/15 に開催される「RTA in Japan Summer 2023」、その末席に加えていただけることになりましたので、予備知識・本作のRTAを取り巻く環境などを紹介させていただければと思い、筆を執りました。
本走は8/14(月)の21:31~頃予定となりますが、本走以上に
少しでも「Ruina 廃都の物語」に興味を持っていただけますと幸いです。

アーガデウムが降りてくる。もとい、降ろしたい。

どんなゲーム?

2008年12月に枯草章吉 様が公開された、RPGツクール2000制のRPGであり、いわゆるフリーゲームとして現在もweb上に公開されています。
本体RTPをダウンロードしていただければ、今すぐプレイ可能です!)

本作が公開された時期は(私の色眼鏡込みですが)フリーゲーム文化の
最盛期といって良い時期であり、数多の名作・傑作が輩出されましたが、
その中においても、また近年の作品を加えてもなお、
「フリーゲームの名作・傑作は?」と問われれば、
少なくない方が本作の名を挙げるのではないでしょうか。

知っている人からその様な評価を受けている本作ですが、根幹の1つとなる戦闘は古典的なコマンド式戦闘、それもRPGツクール2000の標準戦闘システム(いわゆる「デフォ戦」)を採用しています。
正直に言って、2023年現在では陳腐化したシステムであり、
魅力として挙げるには苦しいものがあるでしょう。
(「TRPGらしさ」が感じられるバランスの妙はあるのですが…。)

そんな本作の魅力は、何といっても
丁寧に整えられたハイファンタジー世界の演出、この点に尽きるでしょう。

  • ゲームブックを基調とした、情緒溢れる描写

  • どれほど遊んでも網羅しきれない物量と質を備える、仲間達との会話

  • 羊皮紙調の背景に描かれる、雰囲気豊かなマップ、挿絵

  • モブの町人、通路の一本まで気を配られた造形と演出

  • 散りばめられた作中世界の神話・逸話、それが攻略に紐づく構造

即ち、「刺激的な戦闘・アクション」や「度肝を抜く新体験」の様な、
シンプル・直接的な魅力で引っ張る作品でこそありませんが、
ロッキングチェアに体を預け、想像を膨らませてじっくりと没頭する…
そんな穏やかな楽しみ方ができる、貴重な作品だと考えています。

その特色故に、今日でも穏やかに、しかし根強く愛される本作ですが、
2022年9月のTGSにおいて、リメイクが制作されていることが発表され、
界隈が俄かに活気づき始めた…というのが、本作を取り巻く近況です。
そして、正直に言って私では分不相応だろう…とは自覚しつつも、
「自分にできる事で応援したい」
その一心で、RTAのイベントの門戸を叩いて回っている次第です。

ぶっちゃけ、PV見たり原作プレイさえしてくださったら私的には万々歳、
もうこの記事の先や、本走をスルーされてもいいまである…!


このゲームのRTAってどうなの?

結論から言えば、本来の魅力をブチ壊しにして突き進むため、
本作の遊び方としては無粋であり、極めて少数派と言わざるを得ません。
語弊を恐れず言えば、なろう等で見かける”RTAもの二次創作”の様な、
「野暮と無粋を前提に、許される席でのみ披露するネタ」と思っています。

加えて、予備知識なしで見る対象としては、
派手なグリッチやアクションもなく、文章をうまく飛ばす程度のため、
残念ながら、絵面はかなり地味と言わざるを得ない、と思います。
…いや本当、これでゴールデンタイム貰って大丈夫なんでしょうか。

一方で、そうであることを無視すれば、
次の点から、走り易く、かつ走って楽しい作品だ、と考えています。

  • 1時間程度で終わる尺

  • 稼ぎ作業がほぼ無い(「探索イベント」のみで経験点・物資確保が可能)

  • 探索イベントの取捨選択だけで多様に分岐させられる、チャートの構築

  • デフォ戦故のシンプルな戦闘バランスから来る、調整の容易さ

  • タイムを縮める上乗せ要素、「文章スキップ」の精度

単純にany%でワールドレコードを狙うのみの場合、
既に運ゲー連打を通すことが前提の域にあるため、息苦しさもありますが、
チャートの可変性・小手先の技術を競う要素があることから
並走・レース題材としての適正もあるのではないか、と妄想しています。
…やってみたいなあ、レース企画。


本作RTAの略史、カテゴリー等

尤も、遊び方の野暮さから競技人口は少なく、公言した方も限られるため、
2023年に至るまで、SpeedRun.comに登録すらない状況が続いていました。RTAイベントの門戸を叩くにあたり、それはまずかろう…と、
僭越ながら、私をモデレーターとして登録してみましたが、
正直言って、きちんと運用できているとは言い難いのが現状です。

https://www.speedrun.com/ruina_

そんな本作のRTA、非公式、かつ私が知る限りの略史にはなりますが、
おおよそ次の様な記録が報告されてきました。
(Twitterを見た限り、当時発信しなかっただけで走られた方も
 いらっしゃいましたが、ここに載っていないのはご容赦ください。)

  • 2010年夏  実時間1時間30分、IGT50分でのクリア報告   @賢者

  • 2011年8月  実時間1時間6分23秒、IGT30分の動画投稿   @賢者

  • 2011年11月 1時間切りの報告(IGT・実時間の何れか不明) @罪人

  • 2013年9月 実時間57分35秒、IGT26分の動画投稿      @賢者

  • 2013年12月 55分切りの報告(IGT・実時間の何れか不明) @騎士

  • 2018年4月 実時間54分17秒、IGT24分の動画投稿      @賢者

  • 2018年11月 実時間55分38秒、IGT24分の動画投稿   @神殿孤児

  • 2022年10月 実時間47分51秒、IGT20分の動画投稿     @賢者

  • 2023年3月 実時間47分13秒、IGT20分の動画投稿       @賢者

  • 2023年5月 数回の更新を経て、実時間44分15秒の動画投稿 @賢者

表の外では、世界樹の迷宮ⅣのRTA等で著名なイロイ様も、
14年11月に投稿されていましたが、
他の方は(私含め)ほぼ露出がない方かと思います。
結果、ほとんど知名度のないまま、今日に至っています。

なお、主人公の生まれが4種類あるので、
この生まれでカテゴリーやレギュレーションを設ける余地があるのですが、
2023年7月現在、「賢者の弟子」以外には正式な記録が実質無いので、
その気になれば、簡単にカテゴリ別WRを取れる状況にあります。

お声掛けいただければ、カテゴリの追加やレギュの分離等、
拙いなりにSpeedRun.comの整備も進めていきますので、
ぜひぜひ、気軽に新規参入していただきたい…と考えています。


走者の略史(本走のネタバレ有)

単純に自分語りになってしまうことの他、
本走時に話す予定のネタを含むため、抵抗ある方は閉じてください。
「走者の背景を知って見る本走も良いよね」的なツイートを見かけ、
恥を忍んで書きなぐってみた…程度のものですがご容赦ください。







さて、略史を書いてはみましたが、ぶっちゃけ半分が私です。
2009年末から縛りプレイ用に各イベントのデータを調べ始め、
ちんたらと組み立て、こねくり回していった結果、
2011年8月に最初の動画を投稿以来、
今日に至るまで延々と、時には止まりつつも走り続けてきました。

初動画投稿から丁度満12年、その前の報告込みなら13年ですが、
「証拠がある記録」では終始WRを保持していた、と思われます。
(尤も、動画投稿と身内専のYouTube配信くらいしかしておらず、
 Twitterすらまともにやっていなかったのですが。)

とはいえ、2013年の投稿以降は熱量も落ち着き、
特に18年4月の更新は、当時のチャートとしては相当の上振れだったため、
そこからは年に1回通すかどうか、という所まで落ち込んでいました。

ところが、2022年9月TGSのリメイク発表、
加えてその翌月には、新規参入の方により一気に7分も縮められる事態。
…クソデカ感情に襲われたのは、想像に難くないのではないでしょうか。

結果、大いに熱量を取り戻して記録を更新し返すとともに、
界隈に何か還元できないか、これまで遊んできた恩返しができないか…と
行動し始めたのが、2022年末からの私です。

配信環境の整備、喋りながら走る練習などで四苦八苦しつつ、
大変ありがたいことに、6月にはRTA BootCamp様に出走させていただき、
その実績を持って応募した結果、今回のRTA in JAPAN 出走と相成りました。

勿論、本作を取り上げるタイミングとして今年が最良であり、
諸々噛み合って採用いただいた、と認識していますが、
それだけに、この機会に少しでも多くの方に興味をもっていただける様、
私に出来る全力をもってアピールする心積もりです。
大河物語はまだ終わらず、冒険は続く…
よろしければ本走、何より本作そのものを応援いただけますと幸いです!


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