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『星月夜の子牛、カフェにて』

無数に千切れた円い窓が放つ光の回折
夜のはしごを地下まで降りた思想犯を照す

縮んでいく椅子の明度と花から抜ける色の彩度
それらすべてが死んだ詩人へと捧げられる供物


灯された青い炎に燃えておちる星月夜
明暗を分かつ墓地にひとり舞う白の子牛



瞳を閉じてただ眺めた
耳を切ってなおも聴こえた唄
口をつぐむ人をなじるだけの失われた寓話

思い出していた

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